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夫婦で営むモンスターファーム~目指せ、まったりスローライフ~  作者: 三田 白兎
1章 ペットが飼いたいので、VRMMO始めました。
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116話 クランハウスお披露目(3)

毎日投稿が途切れてしまった……。


「ごめんなさい。お待たせしました」


 冷蔵庫内があまりにも寒すぎたせいで動けなくなっていた妻。そのままではクランハウスを見て回ることもできないので、俺がぶーちゃんを呼びつけて妻を温める毛布代わりになってもらった。10分ほど待ってようやく妻が復活した。


「寒さに弱いのは昔からだけど、今回はかなりきつかったみたいだね」

「うん。視界の端に雪の結晶みたいなマークが出てたから、たぶん寒いって感じるだけじゃなくて状態異常にもなってたんだと思う」


 やっぱり冷気に晒され続けると状態異常になるのか。こうなると氷魔法はまだ発見されていないが、存在自体はしていそうだ。かっこいいから取得してみたいな。


「ヒュームやエルフは寒さに強くないからな」

「ってことはドワーフは寒さに強いんですか?」

「まぁ、その2種族に比べればな。ただ、1番寒さに強いのは獣人だな。特に毛深いタイプの奴ら」


 獣人>ドワーフ>ヒューム=エルフ(ダークエルフ含む)


 って感じか。


 俺が状態異常にならなかった理由は……装備か?

 妻はまだ劣猿王の皮鎧を受け取っていないため、ただの皮の鎧を装備している。見た目的にも俺の装備の方が少し温かそうなので、マスクデータとして耐寒値、耐熱値とかも存在するのかもしれない。


「いいなぁ、獣人。寒さを気にしなくていいの」

「ダークエルフを選んだこと後悔してる?」

「全然! だって、ダークエルフってセクシーさと可愛さどっちも兼ね備えてるんだもん。選び直せるとしてももう1度ダークエルフを選ぶよ!」


 種族的な弱点が露呈しても妻のダークエルフ愛は揺るがないようだ。


「リーナのお嬢がべっぴんさんなのは否定しないが、自分で言うのはどうかと思うぞ?」


 こちらの会話を聞いていた大工さんが呆れるように言った。


「まぁ、いい。お嬢も復活したことだし、そろそろ案内を再開するぞ」

「はい。よろしくお願いします」

「お願いしまーす!」


 1階最後の部屋は人用の玄関の真正面。2階へ続く階段のそばにあった。


「まぁ、1階最後は部屋というかトイレだ。ドワーフや獣人は汚くても気にしないが……ヒュームとエルフ。特にヒュームの方は風呂トイレが汚いと嫌がる者が多い。だから同じヒュームであるアネットの姉御がしっかりとチェックを入れている。もちろん別の部屋も頭である姉御が監修しているわけだが、ここへの気合の入れ方は別次元だ」


 これは過去にヒュームの客からトイレについてクレームでも入れられたのだろうか?

 それともアネットさんが人一倍トイレを清潔にしていたいタイプだったのか。

 どちらかはわからないが、紹介されたトイレはリアルの新築にあるモノと遜色ないほど清潔感溢れる場所となっていた。別にトイレなので特別な物が置かれている等のことはない。本当にただただ清潔なのだ。


「これだけ綺麗なトイレなら、俺たちどころがお金持ちのヒュームでも文句は出ませんよ」

「当たり前だ。うちはファーレンの領主様の屋敷建て替えにも関わったんだ。半端な仕事をしていたら、大目玉を食らう……どころじゃ済まなかっただろうな。当然、完璧な仕事をしたからお褒めの言葉まで頂いたがな」

「それはすごいですね……」


 知り合いに大工なんていなかったので、ギルドに紹介されるままここまできたが……もしかしなくても、すごい人たちにクランハウスを建ててもらっているみたいだ。


「まぁな。それじゃあ、次は上行くぞ」

「おぉ~、ついに2階かぁ。楽しみだね、ハイト」

「そうだね」


 大工さんの案内で階段を上がる。


「あれ、ここに靴箱?」


 2階につくと、そこは少し広めのスペースが確保されていた。壁際には妻の言った通り、靴箱らしきものが設置されている。


「そうだ。いくらテイマーとはいえ、プライベート空間は欲しいだろう。だからそれぞれの部屋がある2階は土足厳禁にしている。気に食わないなら、全階土足可にしてくれても構わない」


 自室で靴を脱げるのは嬉しいな。やっぱり日本生まれ日本育ちの人間としては家の中でずっと靴を履いているのは落ち着かない。


「せっかくだし、俺はそのまま2階は土足厳禁でいいかな。リーナは?」

「私も。自室のベッドに砂が上がったりしたら嫌だし」


 それなら大工さんたちの想定通り、1階は土足可、2階は土足厳禁ということにしよう。


「じゃあ、靴を脱いで進むぞ」


 そこからの説明はサラッと進む。まず靴箱があった、2階玄関とも言える場所から1本の廊下がある。その左に3部屋、右に2部屋あるらしい。

 右の部屋はそれぞれ俺と妻の部屋として用意されている。そして反対側は、物置き部屋、キッチン、錬金術用の部屋として作ったと言われた。


 1部屋、物置きに使えるのは個人的に嬉しい。アイテムボックスがあるので本当に必要となるかはわからないが、部屋数に余裕があるというだけで心が楽になるからね。


 そしてキッチン。中に冷蔵庫はないが、それ以外のコンロなどの必要なものは一通り揃っていた。

 物の保管や出し入れに関しては俺たちにはアイテムボックスがあるので問題ない。冷蔵庫が必要な理由は肉や魚を意図的に寝かせる等のことをするときだからね。


 最後に錬金術用の部屋だが、他と比べるとかなり補強されているらしい。錬金術は高度になればなるほど失敗したときの爆発がすごくなるからだとか。あまり酷いようなら、外に新しいのを作るから言ってくれとも。


「どうだ?」


 大工さんがクランハウスへの評価を聞いてくる。


「満足しました。本当にありがとうございました!」

「私も!」

「そりゃあ、よかった。じゃあ、俺は他の連中を捕まえて今日は帰るぞ。風呂と畑は外に作ることになっているから、明日くるアネットの姉御から話を聞いてくれ」


 そう言うとドワーフさんはクランハウスを去って行った。



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