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夫婦で営むモンスターファーム~目指せ、まったりスローライフ~  作者: 三田 白兎
1章 ペットが飼いたいので、VRMMO始めました。
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11話 噂

ついにジャンル別日間ランキングついに1位です!

作者はランキングを確認した際、喜びのあまりガッツポーズをしてしまいました。

皆さん、これからもよろしくお願いします。


 フライドラビットで腹を満たした俺たちは、新しい武器を手に入れるためにファーレンの中央から少し外れた武器屋や防具屋などが集まっている場所を訪れた。


「防具は後回しでもいいけど、ハイトの武器だけは買わないとね」

「流石に素手で戦うのは嫌だからなぁ。あとは金額次第だけど、盾も買いたい」


 これまでは剣で攻撃も防御もしてきたが、そのせいで武器の耐久値の消耗が早かったのではと考えている。それなら防御用に盾を買った方が武器の消耗を抑えられるし、今までより猿の相手を楽にこなせるだろう。多少の出費が増えたとしても構わない。


「私が紙耐久だから、前衛任せっきりだもんね。もしお金が足りなかったら、兎狩り手伝うからがんばろう!」


 妻からも盾購入の了承を得られたところで適当な店に入る。どの武器屋が良いのかなんて俺にはわからないので勘に任せた。


「おぉ~、すごい! いろんな武器が飾られてるよ」


 店内に入ると多種多様な武器が綺麗に陳列されていた。


「ほんとだ。種類も多いけど、剣だけでもいろいろあるみたい」


 これだけ武器が並んでいるとテンション上がるな!

 男に生まれた性ってやつだろうか。


「さっそく剣を見てみよっ。一緒に選ぼ?」

「いいけど、使うのは俺なんだからあんまり特殊なのは選ばないよ」

「は~い」


 それから1時間ほどかけて妻と選んだ武器がこれだ。




銅の剣

レア度:1 品質:中 耐久値:40/40

上昇値:力+6

特殊効果:なし

見習い鍛冶師が打った剣。銅でできているため刃はあまり鋭くない。




「すみません、これください」


 代金を支払うためにカウンターに行くも、人がいなかったので大きめの声を出す。


 …………。


「こないね。お店が開いてるんだから、留守ってわけはないと思うけど。お昼休憩中とか?」

「違うと思うよ。カウンターの奥の部屋に5人一切動かずにいて、あと2人くらいが奥に繋がってるあの扉のところからこっそり俺たちのこと見てるし」


 気配察知のおかげで近くにいる生物は見えなくても気配で捉えられる。便利なものだ。


「じゃあ、どうして誰も出てこないんだろう?」


 問題はそこだよね。俺たち別にPKや窃盗をしたお尋ね者ってわけじゃないのに。どうして避けられているのか……。


「お疲れさんでーす。イッテツ休憩から戻りました!」


 戸惑っている俺たちは突然聞こえた声の方へ顔を向ける。イッテツと自分で名乗ったプレイヤーはツナギっぽい服をきた男だった。発言からしてここの鍛冶師なのだろう。


「あの、すみません。この銅の剣を購入したいんですけど」


 妻がすかさず用件を伝える。この人にも避けられると困るから、逃げる間を与えたくなかったのだろう。


「おっ、お客さんですね。ありがとうございます……しかもそれ俺の打った剣じゃないですか! いや~嬉しいなぁ。お会計はカウンターでしますんで、ちょっと待ってくださいね」


 どうやら彼は俺たちを避けたりしないようだ。なら、他の者たちはどうして避けるのかという話だが、これは後でいい。


「おまたせしました。銅の剣は1000Gになります!」


 ゲーム開始時の所持金と同額か。やっぱり武器は値が張るな。盾の購入はまた別の機会にした方がよさそうだ。


「これで」

「はい、確かに受け取りました。ありがとうございます!」


 本来ならここでやり取り終了なわけだが、俺たちには聞かなければならないことがある。


「あの、ひとつ聞きたいんですけど他のお店の方はどうして隠れたまま出てこないんですか?」


 イッテツは驚いた表情を見せる。


「お気づきになられていたんですね……」

「はい、スキルで感知していたので」

「理由はお話しますけど、気を悪くしないでくださいね?」


 彼が語ったのはログイン初日に俺たちが雑魚モブ3人衆を撃退したときのことだった。あいつらは自分たちがナンパしたことは伏せて、妻にボロクソ言われたことだけをこのゲームの掲示板に書き込んだらしい。それを見たプレイヤーの間で真偽不明ではあるが、ヒュームとダークエルフの2人組と関わらない方が良いだろうという話になっていたらしい。

 その後も2人組のうちヒュームの方が怪しい従魔を連れて、夜中ひたすら兎を狩る狂気的な姿が目撃されたりしているということも追加で聞かされた。


 一通り話を聞いた後、真実を伝えるとイッテツは信じてくれた。


「話してくれてありがとうございます」

「いえいえ。こちらこそうちの鍛冶師たちが失礼なことをして本当にすみませんでした」

「いいですよ、イッテツさんがこうして俺たちに武器を売ってくれましたし」

「そりゃあ、自分が打った品物を欲しいって言ってくれているお客さんを無視するわけにはいきませんから。よければまたいらしてください。他の奴らにはしっかりと俺が真実を伝えておくので!」

「わかりました。またきます!」


 まさか偽の情報を流されたせいでこんなことになるとは思いもしなかった。イッテツさんによると掲示板には攻略情報とかも流れてくるらしいので、俺もちょくちょく確認しておいた方がいいのかもしれない。




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武器装備不可縛りで始まるVRMMO 新作のリンクになります。
読んで頂けるとありがたいです!!

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