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【漫才】英語

作者: ささやき太郎

英語

ボ:ボケ

ツ:ツッコミ


ボ「英語喋りたいねん」


ツ「なんや急に」


ボ「まあ、語れば長くなるんやけど、、、聞いてくれるか?」


ツ「なんや急に神妙な面持ちで、今に始まった仲やないし、ええよ」


ボ「例えばな」


ツ「いきなり例えば!?」


ボ「一旦最後まで聞いてくれ、頼む…」


ツ「なんや、例えへんといかんような事態なんかな…ええよ続けて」


ボ「例えばな、学校の体育でバスケやるってなって、バスケ部じゃないのにふらっとこなれた感じでレイアップシュート決めるやつってかっこええやん?」


ツ「お、おん それはわかるけど、なんやねん」


ボ「そーいうやつってモテるやん?」


ツ「まあ、それは否めないな」


ボ「…俺もそんな感じで英語喋りたいねん」


ツ「ん?つまり、あれか?スタイリッシュに英語喋ってモテたいと?そーいうことか?」


ボ「…そう」


ツ「すっといえや!なんやねんこの時間、そしてさっきの神妙な面持ち」


ボ「いや、それぐらい真剣やねん」


ツ「こっちはなお前のお母さんがアメリカとかで手術せなあかんくなって、それで…とか考えてもうたやんけ」


ボ「おまえ、逆に考えろ そんな状況やったらこんなお昼間に喋るか?」


ツ「時間帯は関係ないんちゃうか」


ボ「とにかく!俺は英語を喋ってモテたいねん!そーいう意味ではオカンの手術と全く同じで大事やねん!」


ツ「これは英語がめっちゃ重たいのか、オカンがそーとー軽いかやで」


ボ「マイマザー イズ ヘビー」


ツ「もうどちらでもない答えが英語で返ってきた」


ボ「本格的に英語勉強するにはどーしたらええと思う?」


ツ「英会話教室とかええやん」


ボ「お前な…それはばれてまうやんけ」


ツ「ばれる? ばれるってなに ってかばれたらあかんの」


ボ「ちゃうやん 俺はさっきも言うたけどスタイリッシュに英語がしゃべりたいねん それやのに英会話教室に通うとこ見られたらめっちゃかっこ悪いやんけ」


ツ「別にええやんけ 結果的にしゃべれたら」


ボ「お前はあほか お前には想像力と理解力というものがないのか」


ツ「なんでいきなりそんな言われなあかんねん」


ボ「さっきの例えで言うならな、英会話教室に通うってことは、わざわざ体育の時間に向けてバスケ部でもないやつがカッコつけたいから言うて、びちょびちょになりながらシュートの練習してるってことやねん そんなん見られたら俺は連休明けからどんな顔して学校行けばええねん」


ツ「なんで連休前限定やねん」


ボ「おれはなカッコよく英語をしゃべりたいねん なんでびちょびちょでしゃべらなあかんねん」


ツ「別に英会話教室はびちょびちょにはならんとは思うけど」


ボ「なんか別なんないんか?」


ツ「ん-ほな人に見られたないんやったら家で独学でやればええやん」


ボ「独学はお前…リスキーやんけ」


ツ「リスキー? 何がリスキーやねん」


ボ「あんな、英語っていうのはリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングから成り立ってるねん」


ツ「お、おう」


ボ「わかりやすく言うたると 書く、読む、聴く、喋るや まだな書く、読む、聴くはええわい問題は喋るや もしな俺が家で独学で習得した英語がめっちゃなまってたらどーすんねん めちゃくちゃダサいやんけ」


ツ「ええやんけ なまってる方がこなれた感じするんちゃうんか」


ボ「お前はほんまもんのアホやな 前頭葉ぐらいないんちゃうか」


ツ「お前前頭葉無かったら俺頭ぺこぺこやで」


ボ「考えてみろ 俺が習得した英語がな、もしフィリピンなまりやったらどーすんねん フィリピン人やと思われるやんけ ずっと言うてるよな俺はモテたいねん フィリピン人に思われたいわけちゃうねん」


ツ「別にフィリピン人確定とちゃうやんけ」


ボ「あかん、あかん このままいくとスタイリッシュなフィリピン人の誕生や このままやったらデートどころかバナナの仕入れせなあかんくなるやんけ」


ツ「もうそれ現地の人になってるやんけ」


ボ「他ないんか 他」


ツ「んーじゃあもういっそ語学留学したらええやん」


ボ「お前それは…本末転倒やんけ」


ツ「なにがや!? 目的は達成出来てるやろ 」


ボ「あんな、何度も言うけどおれはふらっとこなれた感じで英語喋りたいねん」


ツ「え、語学留学完璧やんけ 訛りのない生の英語を習得できて、かつ馴染みの人に見られへんやんけ」


ボ「お前はほんまにほんまもんのあほやな 右脳か左脳片一方なんちゃうか」


ツ「こんなに親身になってるのに、なんでそんな俺の知性を蔑むんや」


ボ「あんな、俺はスタイリッシュに英語を喋って、モテたいねん、モテたいねん」


ツ「なんで2回言うねん」


ボ「お前な、外国で英語喋ってみろや、ふつーやんけ どこにスタイリッシュさがあるねん 日本で考えたらなめっちゃカッコつけた顔して日本語喋んねんで とんだナルシスト野郎やんけ 俺アメリカでナルシストジャパニーズボーイって呼ばれてまうやんけ」


ツ「ほんじゃあもうなんも出来ひんやんけ」


ボ「もーええわ 英語に頼らんで 俺はもうこの自分の甘いマスクで勝負していくわ」


ツ「とんだナルシスト野郎やんけ もーええわ」


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