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詩のようなものたち

作者: 暮 勇

かつて空は

押しつぶされるような

青だった


それは圧倒的で

無言の主張

首を上に傾ければ

いつもそこにあり

なくなることはなかった


目を潤ませても

細めても

片目にしたって

青は青


夏の空が怖かった

茹だるような暑さの中に

湿気で密度を増した空

まるで汗とともに

頭上から降ってくるようだ


最近は少し碧がかっている

ふと見上げると

あの頃の青はなく

年月と共に丸みを帯びたのか

弱くなった

もうあの頃の恐怖は

ない


人の目は黄ばんでゆく

大人と子供で

”青”に対して見解が分かれる

そんな時に

老いを感じる

だから空も青くなくなったのか


それとも

空と目の間にある

空気が変わってしまったのか

昔は澄んでいて

今は目を遮る邪魔者でも

いるのだろうか


いっそ空自体が

私たちを見つめるのに

疲れたのかもしれない

人間が嫌になったのか

単なる気紛れか

青から離れてゆく空は

私たちからそっぽを向いているのかも


空は変わる

青も変わる

それを見ている私たちも

変わった

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