12月
2019/4/23 誤字を修正いたしました。内容に変更はございません。
だというのに。
あれだけ桧垣さんに背中を押してもらったというのに。
クリスマスイブを3日後に控えた今現在、俺はまだ雪野坂さんに当日の予定を聞くことさえできてきなかった。
ほとほと自分の意気地のなさには嫌気が差す……。
最近はミィが俺に「ニャオン」と鳴く声も、「さっさと雪野坂さんを誘えよ」と言っているようにさえ聴こえる。
わかってる。
わかってはいるのだが、人生で一度も自分から誰かを誘った経験がない俺には、そのハードルはエベレストよりも高く感じた。
「雪野坂さんてさあ……イイよなあ」
「え」
昼休み。
俺の隣でボソッと加藤が呟いた。
今や俺と加藤は親友とも呼べる間柄になっていた。
休みの日はよくお互いの家に遊びに行って徹夜でゲームをしたり、一緒に話題のアクション映画を観に行ったりもしていた。
俺と加藤は180度真逆の性格をしていたが、それが却って良かったのかもしれない。
生まれて初めてできた『親友』というものの響きは、とても感慨深いものだった。
――それなのに。
よりにもよってお前が俺の恋のライバルになってしまうというのか加藤!?
確かに雪野坂さんは校内一と言っても過言ではない美少女だ。
お前が雪野坂さんを好きになってしまう理由は痛い程よくわかる。
何せ、この俺自身が雪野坂さんに心を根こそぎ奪われてしまった張本人なのだから。
――でも、勝手なことを言うのは百も承知だが、お前にだけは雪野坂さんを好きになってほしくないんだ俺は。
――お前とは、ずっと親友でいたいんだ。
「よし、ちょっくら俺、雪野坂さんにクリスマスイブの予定聞いてくるわ」
「か、加藤!?」
が、そんな祈りも虚しく、加藤は持ち前の胆力を発揮し、ノーモーションで雪野坂さんに近付いていった。
これだから陽キャは!
おれたちにできない事を平然とやってのけるッ。
そこにシビれるし、あこがれるゥが、今はそんな冗談を言っている場合ではない。
何とかして加藤を止めなければ!
「なあッ、加藤!」
「ちょっと今いいかな、雪野坂さん」
「え? なあに加藤君」
っ!!
……ジーザス。
一歩遅かった。
そりゃそうだ。
そこそこ鍛えているとはいえ、所詮は帰宅部の俺が、バスケ部でセンターとして日々ゴール下の戦場を生き抜いている加藤を止められるはずがなかったのだ。
……嗚呼、これは終わったかもしれない。
俺は、親友と好きな人を、同時に失うのかもしれない。
「雪野坂さんは、24日って予定ある?」
「24日? ああ――」
雪野坂さんの次の言葉を、俺は固唾を呑んで待った。
「私三丁目のケーキ屋さんでバイトしてるから、24日は一日バイトだよ。クリスマスイブは、ケーキ屋さんが一年で一番忙しい日だからね」
「「え」」
俺と加藤は、揃って間抜けな声を出してしまった。
――そんな。
雪野坂さんって、ケーキ屋さんでバイトしてたのか。
全然知らなかった。
……いや、それだけじゃない。
思えば俺は、雪野坂さんのプライベートな部分を、ほとんど何も知らなかった。
俺が雪野坂さんについて知っていることと言えば、ミケという三毛猫を飼っていることと、この世の全ての猫を溺愛していることくらいだ。
家族構成や好きな食べ物、趣味や好みの音楽など、彼氏になる人間なら知っておいてしかるべきことを、俺は何一つ知ろうともしてこなかった。
俺はただ絵画を眺めるように、遠くからずっと雪野坂さんを見ているだけだったんだ。
俺は無性に自分が恥ずかしくなった。
ダイエットと勉強を頑張り、それだけで満足していた自分が腹立たしくなった。
本来ならもっと他にも、やるべきことはいくらでもあったのに。
「で、でもさ、まさか深夜までバイトって訳じゃないんでしょ?」
「うん、まあ……。バイトは6時までだけど」
「だったらバイト終わったら、俺と二人でどっか遊び行かね?」
「えー、どうしよっかなー」
っ!?
が、尚も不屈に加藤は攻める。
流石センター。
リバウンドは死守するつもりらしい。
最早俺は、加藤に畏敬の念すら感じ始めていた。
俺だったら最初にバイトだと言われた時点で、ポッキリ心が折れていたに違いない。
俺に加藤の100分の1でも勇気があれば……。
俺は悔しさのあまり、グッと奥歯を噛みしめた。
――その時、一瞬だけ雪野坂さんが俺の方をチラッと見た気がした。
ん? 何だろう今の?
「因みに加藤君は、猫は好き?」
「え? 猫?」
っ!!
出た。
雪野坂さんの最重要事項。
ここで加藤が何と答えるかによって、俺も含めた今後の人生が変わるかもしれない――。
「ああ、実は俺、猫アレルギーでさ、猫は昔から苦手なんだよ。それが何?」
っ!?!?
……加藤。
「あ、そうなんだー。それは残念。では、また来世でお会いしましょう」
「えっ!?」
雪野坂さんは他人行儀に、加藤に頭を下げた。
加藤ーーー!!!!
「そ、そんなあ。そう言わずに何とか」
「あははー。お客さんとしてケーキを買いに来てくれる分には、歓迎するよ」
「いや、俺、甘いものも苦手なんだ……」
「そうなんだー。では、来世の、更に来世でお会いしましょー」
「雪野坂さん!?」
加藤ーーーーー!!!!!!
今夜は二人で飲もうぜ!(ソフトドリンクを)
しかし、まさか目の前で親友の失恋現場を目撃してしまうとは……。
結果的に俺にとっては都合が良かったとはいえ、内心俺は複雑だった。
加藤が可哀想というものあるが、それだけではなく、俺がもしも猫アレルギーだったら、俺も加藤と同じ道を辿っていただろうと思ったからだ。
改めて、恋を叶えるというのは、努力だけではなく、運もなければ成し遂げられないものなのだということを思い知った。
かといって俺みたいな凡人が努力すらも惜しんだら、たちまちゴールへの道は閉ざされるだろう。
悪い例えをするなら、それは全財産を一点賭けするギャンブルにも似ていて、俺は少しだけ背筋が寒くなった。
――だが、俺は今更引き返すつもりはない。
仮にこの先に破滅しか待っていないのだとしても、1パーセントでも可能性があるのなら、俺はそれに賭ける。
俺は今この瞬間、そう覚悟した。
「進藤君は、ケーキは好き?」
「え」
雪野坂さんが俺にも聞いてきた。
正直、俺もケーキはそれ程好きな訳ではない。
が、もちろんここは――。
「うん。好きだよ」
「ホントに? じゃあ24日は待ってるね。うちのお店のケーキ、とっても美味しいから是非食べてみて」
「あ、うん」
「アッ! ズリーぞ進藤! お前も本当は、甘いもの好きじゃねーんだろ!?」
「え。そ、そんなことねーよ……」
流石親友。
鋭いじゃないか。
そして迎えたクリスマスイブ当日。
俺は計68000円のフルアーマーヒガキコーディネートに身を包み、三丁目のケーキ屋さんから少し離れた柱の陰で、かれこれ1時間以上右往左往していた。
もうすぐ雪野坂さんのバイトが終わる6時になってしまう。
早くケーキを買いに行け。
そしてデートに誘うんだ。
と、何度も自分に言い聞かせているのだが、あと一歩が踏み出せない。
おそらく加藤なら、今頃百歩は踏み出しているだろう。
因みにこうして加藤を出し抜く形になってしまっていることに対して、少なからず罪悪感を覚えていた俺だったが、加藤は雪野坂さんにフラれた次の日には、「三組の高橋さんって、イイよなあ」と言っていたので、あまり気にしないことにした。
あいつはそういうやつなのだろう。
それよりも今は自分の心配だ。
俺は何度目になるかわからないが、柱の陰から顔を出し、ケーキ屋さんの方を凝視した。
傍から見たら完全に不審者だ。
通報されるのも時間の問題かもしれない。
いろんな意味で時間は残されていないぞ。
――が、その時ふと、俺の頭に最悪の可能性が浮かんだ。
本当に雪野坂さんがバイトしているのは、このケーキ屋さんで合っているのだろうか?
ここからでは店舗の中までは見えない。
三丁目のケーキ屋といえばネットではここしかヒットしなかったが、もしかしたら他にもあるのかも……。
俺の身体が途端にブルブルと震えた。
それは冬の寒さのせいだけではなかった。
――何にせよ確認だけはしなくては。
俺は駆け足でケーキ屋さんの前まで近付いた。
そしてコッソリ中を覗くと――。
サンタコスでレジ打ちをしている雪野坂さんと、バッチリ目が合った。
ササササササンタコスーーー!!!!!(鼻血)
アメイジング!!!
まさかそうくるとは思っていなかった!
カウンターで顎に良いパンチを喰らってしまった俺は、完全に足に来ていた。
今にも倒れそうだった。
が、雪野坂さんはそんな失神寸前の俺のコンディションなどお構いなく、満面の笑みを向けて手を振ってきた。
ぐっ……。
こうなったらもう、無視して帰る訳にはいかない。
俺は意を決して、店の入り口の戸を開いた。
「ホントに来てくれたんだね進藤君! 待ってたよ」
「あ、うん。遅れてゴメンね」
クリスマスイブだけあって、店内は騒然としていた。
見える範囲にいる店員さんは全員女性で、漏れなくサンタコスだった。
本物のサンタさんも、今頃こんな風にせわしなくプレゼントの準備をしているのだろうと思うと、同情心が湧いてきた。
「おっ、この子が例の進藤君? 美遥ちゃん」
「あっ、店長。そうです、こちらが進藤君です」
「え?」
同じくサンタコスをしている二十代後半くらいのとても綺麗なおねえさんが、俺達に話し掛けてきた。
この美人なおねえさんが店長さんなのか。
てか、雪野坂さんは店長さんに俺なんかのことを話してたのか?
いったいどんな話を……。
「はじめまして進藤君。美遥ちゃんにはいつもお世話になってます」
「あ、どうも……」
急に美人に話し掛けられたので、俺はしどろもどろになってしまった。
「うちのケーキはどれも私達が腕によりをかけて作ったから美味しいわよ」
「そ、そうですね……。どれも美味しそうです」
本当はケーキを見てる余裕なんかないけど。
「私のオススメはねー、このブッシュ・ド・ノエル!」
雪野坂さんが丸太の形をしたケーキを指差した。
ああ、これよくクリスマスの時期に見るけど、ブッシュ・ド・ノエルって名前だったのか。
「じゃあ、それを一つください」
「はいよろこんでー!」
「コラコラ美遥ちゃん。居酒屋じゃないんだから」
「あはは。すいません店長」
何だか今日の雪野坂さんはいつもよりもテンションが少しだけ高い気がする。
やはりクリスマスの浮足立った空気には、雪野坂さんでも逆らえないということか。
「では、お値段が3200円になりまーす」
「あ、じゃあこれで」
「はい、3500円のお預かりですので、300円のお返しになりまーす」
「はい」
雪野坂さんはテキパキとケーキの用意をしていく。
もうすぐ俺のこの店での用事が終わってしまう。
クソッ。
誘え。
「よかったらこの後どっかで遊ばない?」って、加藤みたいに誘うんだ俺!
――だが、雪野坂さんがケーキを俺に手渡す段になっても、俺の言葉は喉の出口で塞き止められたみたいに、あと一歩のところで出てこなかった。
「はい、こちらがお品物になりまーす。形が崩れやすいから、気を付けて持って帰ってね」
「あ、うん。ありがと……」
――クソッ。
「あーあ、いいなー進藤君。そのブッシュ・ド・ノエル、超美味しいんだよ。私も食べたかったなー」
「っ!!」
無意識の内に、俺は口を開いていた。
「じゃ、じゃあさ、今からこれ、一緒に食べる?」
「え! いいの!」
雪野坂さんの眼に、パアッと星が舞ったような気がした。
「うん。どっちにしろ俺一人じゃこれ食べきれないし。――雪野坂さんさえよければだけど」
「よいに決まってるじゃーん! 店長ー、私そろそろ上がってもいいですよねー?」
「雪野坂さん!?」
まだ6時までは少し時間あるよ!?
「ふふ、いいよ。ここは私がやっとくから、楽しんでおいで」
「ありがとうございます! じゃ、すぐ着替えてくるから、進藤君は外で待っててー」
「あ、うん」
鼻歌交じりに雪野坂さんは裏に消えていった。
「――美遥ちゃんをよろしくね、進藤君」
「は? は、はい」
店長さんからのよくわからないお願いに、俺はやっとそれだけ返した。
「お待たせ! そんじゃいこっか!」
「うん……」
雪野坂さんは茶色のダッフルコートを着て、チェック柄のマフラーを首に巻いていた。
そしてコートの下からスラッと伸びている足には、黒いタイツを履いていた。
カ、カワエエーーーーー!!!!!!
いつも学校では真冬でも生足にソックスという組み合わせの雪野坂さんだが、黒タイツは黒タイツで超アリだな!!
もちろん生足も大好きだけど!!(結論:どっちもイイ)
でも、かなり大きめの手荷物を持ってるけど、あれは何なんだろう?
「この先にあるカラオケボックスがね、持ち込み可なの。そこでケーキ食べない?」
「あ、うん。いいよ」
本当はもっと雰囲気がある場所で食べたいが、じゃあどこで食べるんだよと聞かれてもパッとは出てこないので、雪野坂さんの提案に全力で乗っかることにした俺だった。
「んーん、美味しー」
カラオケ店に入るなり、雪野坂さんは早速ケーキをパクつき出した。
他にもカラオケ店のメニューで、チキンとピザを頼んだので、場はちょっとしたクリスマスパーティーのようになった。
これはこれで、案外悪くないかもしれない。
「進藤君も食べてみてよ。すっごく美味しいよ!」
「あ、はい」
言われるがままに俺もケーキを一口食べた。
確かに雪野坂さんが言う通り、このケーキは滅茶苦茶美味かった。
周りに付いているクリームが、フワフワで程よい甘さが口に広がり、胃だけでなく心も満たされていくようだった。
これならケーキがあまり好きではない俺でも、いくらでも食べられる気がした。
「私昔から甘いものに目がなくてね。あのお店のケーキを最初に食べた時に一目惚れして、それでバイトで雇ってもらうことになったんだ」
「そうだったんだ」
初めて聞く雪野坂さんのプライベートな話題はとても新鮮で、俺の心臓はドキドキしっぱなしだった。
その後も雪野坂さんは、小学三年生の妹がいることや、雷とホラー映画が苦手なことなどを話してくれ、俺はその一言一句を、逃さず心の中にメモした。
そして話題の中心は、やっぱり猫のことだった。
雪野坂さんは、ペットのミケがいかに可愛いかを滔々と力説していた。
「雪野坂さんは、本当に猫が好きなんだね」
「うん、好き!――私将来ね、猫の保護施設で働きたいって思ってるんだ」
「――え」
保護施設――。
捨て猫とかを保護して、里親さんを探したりするところか。
今までそういう場所があるってことは漠然とは知っていたけど、そこで働こうとする強い意思を持った人には、一度も出逢ったことはなかった。
「もちろん楽な仕事じゃないってことはわかってるよ。でも私、可哀想な猫ちゃん達を放っておけないの」
「……雪野坂さん」
雪野坂さんはグッと拳を握りながら、唇を真一文字に引き結んだ。
それは、俺が初めて目にする雪野坂さんの表情だった。
「……だから雪野坂さんは、学校の勉強も一生懸命頑張ってるんだね」
「まあね。本当は勉強って凄く苦手なんだけど、猫ちゃんのためにはそうも言ってられないしね」
「……」
俺は途端に、自分が矮小な人間に思えてきた。
目の前の雪野坂さんは、こんなにも高い志を持って勉学に励んでいるというのに、俺は雪野坂さんの彼氏になりたいからなどという不純な動機で勉強をしている。
やっぱり俺なんかじゃ、雪野坂さんの彼氏には相応しくないのかもしれない……。
「そうだ進藤君、これ、よかったら貰ってくれる?」
「え?」
そう言って雪野坂さんが差し出してきたのは、先程から気になっていたかなり大きめの手荷物だった。
「え? え? い、いいの? 俺なんかがこんなもの貰って?」
「もちろん! 進藤君のために買ったクリスマスプレゼントだもん」
「そ、そうなのッ!?」
俺は危うくオシッコを漏らしそうになった。
人は、本当に嬉しい時はオシッコを漏らしそうになるのだということを、この時知った(※個人差はあります)。
「開けてみて」
「う、うん」
震える手で包みを開けると、それはキジトラ柄の巨大な猫のぬいぐるみだった。
「これは……」
「ミィくんは一人っ子でしょ? だから、兄弟がいた方が嬉しいかなって思って」
「そ、そっか。――ありがとう。大事にするよ」
「うん!」
雪野坂さんらしいな。
正直、高校生の男子がこれを部屋に置いておくのは大分恥ずかしいが、それを差し引いても、俺は口元がにやけるのを抑えるのに必死だった。
そ、そうだ!
こうしちゃいられない。
「――雪野坂さん、俺からは、これ」
「え?」
俺は後生大事にバッグに仕舞っておいた包みを、雪野坂さんに手渡した。
「俺からも雪野坂さんに、クリスマスプレゼント」
「わあ、嬉しい! 開けていい?」
「もちろん」
「うふふ、何かな何かな~。――あ! 可愛い! スノードームだね!」
「うん」
それは俺がこの1ヶ月、悩みに悩み抜いた末に選んだものだった。
最初は無難に手袋やマフラーなどにしようかとも思ったのだが、身に着けるものだと個人のセンスが分かれるだろうし、もし気に入ってもらえず、一度も学校に着てきてくれなかった場合、俺が立ち直れないと思ったのだ。
その点、スノードームなら部屋に置いておくものだし、万が一捨てられてしまっても、俺がそれに気付くことはない。
ヘタレだと思われるかもしれないが、今の俺にはこれが精一杯だった。
それに――。
「ああ! これ、中に猫ちゃんがいる!!」
そうなのだ。
このスノードームは、中に小さな三毛猫の置物が入っているのだ。
雑貨屋さんでこれを見掛けた時、これしかないと思って衝動買いした。
俺達は図らずも、お互い相手が飼っている猫をモチーフとしたプレゼントを用意していたという訳だ。
「ありがとう進藤君! 私これ、一生大事にするね!」
「いや、一生は大袈裟じゃない?」
因みに雪野坂さんは四人前はあったであろうブッシュ・ド・ノエルを、ほとんど一人で食べきってしまった。
口元にクリームを付けながらケーキを頬張っている雪野坂さんは、天使みたいに可愛かった。
俺にとっては雪野坂さんと二人で過ごすこの空間こそが、一番のクリスマスプレゼントだった。