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とある奥様のひとりごと

作者: まきみき

夫は無口で、ほぼ無表情だ。


いつの間にか子供も二人いて「ふつうの家庭」を築いていた。


無表情な夫が感情をあらわにすることはないけれど、なんとなく「こうなんだなぁ・・・(だよね?)」と感じることはある。


私に似た子供達は満面の笑顔で「おとうさーん!」と夫にまとわりついているが、夫は邪険にすることもなく相手をしている。


いつの間にかふつうの住宅街に一軒家も建てているし、たぶん世の中でいうところの"一般的なふつうの家庭"なのだと思う。


朝出かけて夜には帰ってくる。ギャンブル(博打)もしないし、浮気もしない、暴力もないし、生活費もきちんと渡してくれる。

変な友達もいないし。


何の問題があるというのか。いや、私個人としてはないのだけれど。


しいて問題があったとするなら、プロポーズをされていないことくらいだろう。

いつのまにか一緒にいるのが当たり前になっていた。



案外照れ屋?な夫から面と向かって「愛している」と言われたことはないけれど、情熱的なことばかりが「愛」でもないと最近思うようになった。

私も「愛してる」と言ったことはない。

あのヒトに面と向かって「愛してる」と言える自信がない。

「愛」とよべるものがあるのかも自信がない。


そして、当然のように横に立っていいものなのか。


もっと目の覚めるような美人でバイーンとしているというかボイーンとしていてキュッとくびれのあるメリハリボディの悪女風セクシー美女だったら・・・いや、ドツボにはまりそうだから考えるのはやめよう。


だって・・・


だって・・・彼は、


彼自身が名乗っている訳ではないけれど、たぶん彼は・・・



【 魔 王 】 なのだから。




初めて"彼"に会った時、"彼"の姿を見て私は固まった。


そこだけ切り取られたように世界が違った。


もちろん恐怖もした。


でも、その圧倒的な力で回りを蹂躙しないと知った時に恐怖は去った。


見た目が怖いだけのただの他人(人とは言えないかもしれない)はどこにでもいる。

関わらなければいいと思っていたのに、いつの間にか一緒にいた。


一緒にいるようになって名前を尋ねたら、何度聞いても理解できない発音だったので「あなた」と呼ぶようになった。


何か悪いことをしたことがあるか尋ねたら、「昔、国を(いくつか)滅ぼしたことがある。」と言われ、いつのことか聞いたら歴史に残っていないようなはるか昔の話だったので冗談だったのかもしれない。


年齢不詳・朝出かけて夜帰ってくるものの職業不詳。

魔界のお城や部下はいないみたいで、その質問に(表情は変わらないが)珍しく笑われてしまったことがある。


あのお金がどこから出てくるものかはわからないので深く考えないようにしている。


普段着ることのない夫のフェイク衣類を日当たりの良いベランダに干しながら、今日もまた現代社会とちょっと不思議な世界の境目で私は生きている。


女房の妬くほど亭主もてもせずの旦那様は某魔導士ウ●ノーガ似でした。


ちょっと時間があったので生存報告的に今朝見た夢を投稿(笑)

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