表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/36

002(三竦みの戦い)

 ガソリンスタンド風な建物は異様な光景だった。ポーカーで金銭を賭けて、20代後半の男が一人勝ちを続けていた。ニコルは反応する。この男は…………。


「お〜い、また勝ちだ。弱すぎるぜ、アンタら」


 ニコルはミヤビお嬢様を制止するが、センターのポーカーテーブルの椅子に座ってしまった。


「上限の110万円を賭けるわ」

「お嬢様……!」

「ほう、もしかして福富家のお嬢様? フッ、俺とサシでやるか?」


 男は鼻で笑う。すると、中年の白人男性も座った。


「私も一枚噛ませてもらおう」

「カネはあるのか? オッサン」

「110万円だね。あるよ」


 白人は札束をドスッとテーブルの真ん中に置いた。


「お二人さん、私に勝てるかしら。私は福富家のミヤビよ」

「私はマイケルだ」

「俺はタツヤ。IT企業の社長をやってる」


 周りのプレーヤー達はヒートアップする。


「ミヤビお嬢様! 仇を取ってください!」

「やっちまえ、お嬢様」

「ワシの年金を取り戻してくれ!」


 老若男女のギャラリーがミヤビお嬢様の勝利を願っている。


――三つ巴の戦いが始まった。ミヤビお嬢様が仮親だ。ミヤビお嬢様は、52枚のカードをよくシャッフルする。ミヤビお嬢様はベガスシティ産まれ、ベガスシティ育ち。手慣れた手付きでカードを切った。左回りにカードを配っていく。タツヤの手元にJが来た。親はタツヤに決まった。


 タツヤはカードを回収して、シャッフルする。そして、テーブルの真ん中、ボードと呼ばれる所に5枚のカードを並べる。残り47枚からプレーヤーのタツヤ自身から左回りに2枚ずつ、マイケル、ミヤビお嬢様にと合計6枚の手札をカードを配る。


 ボードには左から、ハートのエース、クラブのエース、クラブの6、ダイヤのK、スペードの9だ。


 ニコルはミヤビお嬢様の手札を見る。ダイヤの9とハートの9。スリーオブアカインドが出来上がってる。


「ニコル、どう思う?」

「そうですね〜……」

「ちょっと待ちな、福富家のお嬢様。部外者と相談はなしだ」

「分かってるわ。ストップ」


 ミヤビお嬢様は勝負に出る。公算は十分あるからだ。


 マイケルの手札はクラブのクラブの7、ダイヤのQ。ブタだ。


 タツヤの手札はスペードのエース、ダイヤのエース。フォーオブアカインドだ。


「帰るわよ、ニコル」

「お待ちください。第2回戦をしましょう」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ