表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/36

018(車椅子)

 ニコルと二十歳のお嬢様はベガスシティの外れのカジノホテル、ハンニバルに向かう。今回はR32スカイラインGTRの出番はない。福富家の専属ドライバーがセンチュリーで乗せていく。


 ハンニバルはインバウンド向けで、ジャポニズム情緒溢れる雰囲気のカジノホテルだ。壁一面には竹や薄に富士山の絵が、銭湯絵師によって描き上げられてる。客は静かに賭け事をしてた。花札、丁半だ。パチンコのような下品さはない。


 ニコルとミヤビお嬢様はエレベーターで、ゼータが寝泊まりしているであろう、スイートへ行く。事前にニコルはスイートで長期滞在予約をしている部屋を調べておいた。スイートルーム、鶴の間だ。ゼータは1年間もスイートに泊まり続けている。


 ニコルとミヤビお嬢様は鶴の間の前に立つ。ゼータとはどんな人物か? 男か女か? 若者か年寄りか? ニコルはドアをノックする。


「福富家のご令嬢、福富ミヤビ様です。開けてください」


 ガチャッとドアを開けて出てきたのは、20代半ばの女性だった。


「あなたが、ゼータね? 鬼ごっこは私達の勝ちね」

「私はただの部下で、ショウと言います。ゼータ様は奥にいます。お入りください」


 ニコルとミヤビお嬢様はリビングへ行くと、車椅子に座った若い男が居た。ゼータだ。


「あなたが、ゼータね? 手を組みましょう」

「福富ミヤビ……。俺の姿に驚かないのか…………」

「ただの下半身不随でしょ。細かい事は関係ないわ」


 ゼータはミヤビお嬢様の一言に圧倒された。そして、吐露する。


「俺は、バイク事故で脊髄を損傷した。iPS細胞から神経組織を作り出す再生医療に2億円も必要だ。また歩けるようになりたい。だから稼ぐ。邪魔はしないでくれ」

「福富家がスポンサーになって治してあげる。世界大会で私達と組むのが条件よ」


 ゼータは更に圧倒された。これが本物のセレブかと。


「ゼータさん、福富家は貴方を悪いようにはしません。ミヤビお嬢様にご協力ください」

「お嬢様のランクは?」

「私はAよ」

「話にならない」

「待ちなさい。私専属の従者、ニコルは超S級よ」

「ほう。まあまあか。協力するなら、手術をしてくれるんだな?」

「福富ミヤビ。嘘は吐かないわ」

「分かった。世界大会とやらに参加しよう。アンタらと組んで」

「契約成立ね」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ