表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/36

012(特別扱い)

 ニコルは必死に状況説明をする。状況証拠だけではないかと。しかも、観客なら誰でもお酒が飲めるシチュエーションだったと。


 しかし、ミヤビお嬢様は警察署へ連行されてしまった。他の被疑者は自室待機を命令される。


 ニコルはミヤビお嬢様と一緒にパトカーに乗り、従者としての務めを果たす。


 取調室でミヤビお嬢様は糾弾される。対応してるのは、上司に頭を叩かれた新米刑事だ。ニコルも同席して、ミヤビお嬢様をフォローする。


「よくも、僕に恥をかかせてくれたね? 金持ちだか、お嬢様だか知らないが、人を殺したら牢屋に入るのは当たり前だよねえ」

「お嬢様が殺したという直接証拠は?」

「ないよ、そんなもん」

「まあ、働き蟻は消耗品だから、交換が必要ね」

「ナメるなよ、お嬢ちゃん」

「あなた、名前は?」

「自白したら教えてやるよ」

「事件に協力してあげようとしてるのに話にならないわ。ニコル、帰るわよ」

「御意」


 ミヤビお嬢様は席を立つと、新米刑事が立ちはだかる。


「帰す訳ねえだろ」

「退いてもらいますよ、お巡りさん」


 ニコルが2人の間に入り、新米刑事の手首を捻る。腕を背中に回し、肩の関節をきめる。


「イタタタタ! 公務執行妨害で逮捕だ!」


 ウィーンと取調室のドアが開く。上司の刑事が入ってきた。


「すみません! 福富家のお嬢様。部下がまた無礼を働いたようで」

「先輩! 金持ちだからって何でも許されるんですか!?」

「ああ、そうだよ。特別扱いだ。杉山、お前には10年早い事案だったな」

「ご苦労様。さあ、今度こそ帰るわよ、ニコル」

「御意」

「お待ちください! 特にニコルさん」


 ニコルは新米刑事の杉山をサブミッションから解放してやると、走って逃げていった。


「何でしょうか?」

「自他殺不明の事案。福富家の従者としてどう視てますか?」


 ニコルはまず、ミヤビお嬢様を自宅に帰してもらうように、お願いをする。しかし、ミヤビお嬢様は事件に横やりを入れたくてウズウズしていた。


 ニコルと二十歳のお嬢様は、またパトカーでボディービル大会の会場へ戻る。


 ニコルは理解ある刑事、鮫島に被疑者不明で各被疑者の自供さえ取れれば、事件は解決すると言った。そのためには、ミヤビお嬢様に仮の被疑者になってもらうしかない。


 ミヤビお嬢様はノリノリで引き受けてくれた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ