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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

赤い天使と絶望お兄さん

作者: 空海

塩の匂いが風に乗って強くする


波が岩にあたるたびに体全体に強く響いて聞こえる



私はバックから睡眠薬と茶色の封筒を取り出した。


睡眠薬を全てまるでラムネを食べるようにかじりながら飲み込む


そして茶色の封筒から500万円入った札束を取り出して、自分の立っている崖の上からばらまいた


どうせ持っていても借金を抱えている姉に持っていかれるだろう


そう考えながら札が宙に舞うなかで私は目をゆっくりと閉じて両腕を広げて空を飛ぶように海から落ちた。


苦しい。


でも、大切な人の所に行けるならあまり苦しくもないし、私の人生いいことなんかなかった。


未練も何もないし、今度は自由に生きたいな…


そう水の中に沈みながら考えていると、私の近くに黄色く光る泡が見えた。


その泡には私が産まれた光景や幼いこと家族と行った旅行の光景、学生のころの楽しい光景が映っていた


懐かしい私の走馬灯だ。


最後に私が14歳の時に好きだった優しい思い人の男性が映った


その光景を見て、あの人は今幸せに暮らしているかなと心の底で思った


その時、いきなり泡が黒に変わった


その光景はその男性が大きくなり、バス待ちの女性のポケットから財布を盗んでいる光景だった


嘘…と思ったとたん泡はパチンという音を出して消えた。


泡が消えたとたんに急に睡眠薬の効果が効いてきて、私は水の底に沈んで行った。

最後に誰かが話した。


「本当に未練はないの?」



※※※※※※※※※※※※※※※※

息が苦しくて目を覚ました。


気がついたら私は崖の上に倒れていた。

近くには私のバックが落ちていて中身は全て入っている


さっきのは夢だと思いながらまたさっきと同じように札が宙に舞うなかで海に落ちた。


でも、目を覚ましても崖の上に倒れていた。バックもある


何度も同じ動作をしたがどうしても崖の上に倒れていた。しかも服は濡れていない。


最後に腕時計で時間を確認して、今度はバックからナイフを出して自分の手首を強く切る、血が手首辺りからボトボトと垂れながら体全体もナイフで傷つけた周りは血まみれでこ

の状態では出血多量で死んでしまうだろうと思いながら、最後に自分の腹にナイフを思いっきり刺して海に落ちた。


海は真っ赤だった。


でも目を覚ますとやはり崖の上に倒れていた。


近くには腹に刺したはずのナイフが血がついていない状態で落ちていた。


お腹も手首も体もいっぱい傷つけたのに跡も何もないし、血だまりも一滴もない



腕時計を確認しても落ちてから時間が動いていなかったことがわかった


もしかしてタイムリープしている?


嘘と思い床に横に倒れてみると何か違和感を感じた。


手も腕も小さいのだ。腕時計が今にも落ちそうになっている


変だと思い、寝転がった状態でバックから化粧品を出して鏡をみる。


そして驚いて起き上がる。


鏡にはまるで鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした14歳の私が映っていた。


※※※※※※※※※※※※※※※※


朝になり、鳥のうるさい声のせいで目が覚めた。


起きても何もしたくない。


のろのろとベッドから出て、冷蔵庫を開ける。


中からビール缶1本を出して椅子に座り、テレビをつける。


ビール缶を開け、朝から飲みながら昔を振り返っていた。


どうして俺の人生はこうなってしまったのかを…


3年前までは俺は大手の企業で働いていた。


大学時代までは彼女もできて楽しかった。


ただ問題は就職活動だった、中々内定がもらえなくて受けた会社もたくさんあるがほとんどが不合格だった。


落ち込みながらも受け、やっとの思いで俺はこの大手の企業から内定をもらった。


その時は、やっともらえた企業のため頑張ろうと思った。


しかし、現実は地獄だった


毎日毎日終わらないと残業で帰りは遅く、上司からは怒鳴られることも叱られることも多く、しかも休みはまったくなく、給料も安かった。


そんな毎日なため俺の心も体もボロボロになり、もう死にたいとさえ考えてしまうようになった。


頑張って3年だと思い石の上にも3年の気持ちで頑張り。


やっと辞めれた時は、もう働くのが怖くなってしまった。


毎日毎日酒を飲み、大学の彼女もいつの間にか浮気をしていたために別れてしまった。


もう誰も信じられないと思いながら

いつの間にかビールの中身がなくなったことに気づきビール缶を床に投げる。


足元には外れの宝くじや競馬の券が散らばっていて、ゴミもそのままでゴミ屋敷状態だ。


まあいいやと思いながら、足元に気をつけながら歩き冷蔵庫をまた開けて気づいた。


もう冷蔵庫に何もない…

しかしお金ももうない、どうしようかと首をひねった時


テレビのニュースで殺人事件と窃盗事件に関するニュースをしていた。


もうこれしかないと悪魔が囁いた


顔を軽く洗って、簡単な服に着替えて帽子を被った。


バックには包丁を入れて、覚悟を決めて家を出た。


歩きながら目標場所は、銀行か公園だと思い移動する。


移動する際、バスを使おうと思った時にラッキーなことにいいカモを見つけた。


ポケットから財布が出ているのだ、しかもその女性は耳にイヤホンをしていて携帯を操作して様子だ。


近くに自分がきても携帯に夢中なため気づいていない、悪魔が取れるぞと耳元で囁く。


ゆっくりとポケットに手を伸ばして

財布をつかみ引っ張ろうとした。

その時、


「パパ!!」


と少女に言われて、いきなり財布をつかんでいた手を強く引っ張られた

ため財布が床に落ちた。


びっくりしていると後ろに違和感を感じた女性がイヤホンを外してこちらを不思議そうに見ていた。


ばれた!と思って言い訳を考えていると、少女が床に落ちた財布を拾い砂ぼこりを手で払うと女性に笑顔で財布落としましたよ。と言って女性に渡した。


女性はポケットから財布がないことに気づくとありがとう。と言って財布を受け取った。

少女は笑顔のまま、気をつけて下さいね。と言って笑顔のまま俺の方を向いて盗もうとする人もいるからと強く話した。


少女に見られて固まっているとバスがきたため女性は軽くお辞儀してバスに乗って行った。


バスが遠ざかった後。


邪魔をされて少しずつムカついたため、睨んで少女に話した。


「何で邪魔した?俺はお前のパパじゃないぞ、」


「知ってるよ?お兄さん今悪いことしようとしてたよね?」


そう言って少女は先ほどの笑顔が嘘のような無表情な顔でこちらを見た


「そうだよ、生きるためにはしょうがないだろ、金がないんだ子供にはわからないだろけどな」


そう言ってなんだかイライラを少女にぶつけた。


「お金のためだったら捕まってもいいの?」


「いいんだよ。どうせ俺なんか捕まった方が楽なんだよ」


そう言ったら少女は無表情な顔から少し悲しい顔をした。


「殺人を犯してもお金が欲しい?」


「そうだよ、しつけーな、邪魔した罰にテメーを人質に身代金取るぞ?それともこれ以上邪魔すると殺すぞ?」


イライラしたのもあり言って後悔した。でも、ここまで言ったら怖がって逃げるだろう…

そう思ったが。



「いいよ。」


「え?!」


「私を殺してもいいよ」


「何言ってるんだよ?」


予想外に少女は怖がらず、無表情から一気に笑顔に変わりバックから茶色の封筒を出して話した。


「お金欲しいんでしょ?ここに500万円あるんだけとこれあげるからその代わりに私を殺して」


は?何言ってるんだ?


困惑しながら、この少女は見た目が天使みたいなのに一瞬だけ来ている白のフリルのワンピースが赤く見えた気がした。

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