はいはい! ぼくこの子連れて帰ります。
小さな小さなその子は、森の奥深くに居た。
一人ぼっちでいっそりとそこに居た。
ぼくは何の赤ちゃんなのかわからないその子を家に連れて帰った。
小さくてまるまるとしてふあふあとした毛とクリクリの目が可愛い。
なんだろう?
2本足で歩くその子の正体は......?
小熊だった。
真っ黒の毛に、しっかりとした爪。
まだ子熊だけど、立派な熊だ!
熊って? 怖いイメージだったけど...?
ミルクをゴクゴク飲んでるこの子は、可愛いとしか言いようがない。
ぼくはこの子の名前を 『ミール』 と名を付けた。
女の子だし可愛い名前がいいだろうとこの名前にした。
ミールはやんちゃでおてんばでどんくさい。
でもぼくがミールと呼ぶと......?
『クゥーーーー!!!』 と言って寄って来る。
可愛くてかわいくて仕方がない。
でも、ミールはどんどん大きくなっていく。
気が付けば、ぼくの身長150㎝を超えていた。
でも相変わらずミールはぼくに甘えてきてかわいい。
当時ミールをぼくが飼うと言った時、周りの大人は
大反対だった。襲われたらどうするんだとか?
野生の本能が出たら? ひとたまりもないとか?
でもミールはいい子に成長している。
人を襲ったりするどころか?
懐いてしまってべったりくっついてくる。
◆◇◆◇◆
それから1年後、ミールを森に放す事になった。
ミールのお婿さん候補の子がちょくちょくミールに会いにきていて
ぼくも、ミールを森にかえすのは迷ったけど......?
でもやっぱり自然の中で自由に暮らしてほしいと思うようになった。
人間の勝手な考え方で、自然界を壊していい訳がない!
ぼくはミールと離れたくないけど......。
泣きながらぼくはミールを森にかえした。
ミールもぼくのところからなかなか離れない。
そんなミールにぼくは言った。
『さあ! ミール森にかえるんだ! キミのこれから生活する場所は
ぼくのところじゃない! 森なんだよ! さあ! 行けミール!』
それでもミールはぼくにじゃれてくる。
ぼくは強くミールに言った。
『ミール! 行くんだ森へ!!!』
ミールは、森にかえって行きました。
何度も何度も、ぼくの方を振り返りながら森へと...?
そこには、ミールのお婿さん候補の子がむかえに来ていました。
2匹は、ぼくにさようならを言うように、ジッとこっちを見て
森にかえって行きました。
『ミール! 幸せになるんだよ~ さようなら。』
最後までお読みいただきありがとうございました。




