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気ままな犬と寂しがる猫  作者: K城
Casual dog and Lonely cat~Introduction~
5/7

Jun part#3風吹きし夜

 夜中、昼間とは違って心地の悪いジメッとした風に眉間を寄せながら、あたしは目を覚ました腹時計からしてお月様は、もう一番高いところにはいないだろう。何はともあれ『風』が吹いたのだ。何かが起こったのは疑いようがない。とりあえずご主人様の部屋に向かうと気持ちよさそうに、何も知らないご主人様は、気持ちよさそうに眠っていた。とりあえずは、ご主人様の安全が確認できたから、あたしはご主人様の寝顔を見てまた眠ることにした。ご主人様は壁の方を向いて、あたしに寝顔を見せようとしてくれなかったから、ベッドにお邪魔することにした。ご主人様の顔は安らかで安心した。そこであたしは違和感に気がついた。


 どうして南東向きのご主人様の部屋で夜遅くにお顔がしっかり見えるのだろう?


 そして気がついた。ご主人様の手元に握られているスマホに。

 画面は省エネモードを切っているのか明るく、ほんのり熱を帯びていた。つい好奇心で画面を覗くとそこには、LINEのトーク画面が開かれていた。相手の名前はスズ(星宮 鈴).........ご主人様は『あの女』とLINEをしていたようだ。そして話の内容は......


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


『すずとはなしたい』


 そんな欲望がフツフツと湧き上がる。


 俺は俗に言う『カマちょ』気質なようで夜テンションだったりすると、無性に人恋しくて誰彼構わずに連絡を取ろうとすることがある。今日はすずに会って、久々に家族以外の『ひと(大切な人)』と話すかたちになり、とても人として活き活きとすることになったからだろう。


 もっと話したい。もっと知りたい。もっと聞きたい。もっと感じたい。もっと見たい。もっと嗅ぎたい。もっともっと......『共有(share)』したい。


 俺は、自らの変態性を自覚している。俺は、他人のことを深く知り、その結果として他人の思考を模倣することに、この上ない快感を覚える変態だ。よく母親が子供に「人の痛みを分かりなさい。」というが、俺の場合はそこに快感を覚えるのだ。

 |心が張り裂けるような苦悩、|心踊り明日も頑張れるような希望、|人に裏切られ誰も信じたくない

 .........自分では本当は感じていないはずの感情の数々。これらが、俺の中に満たされ疑似体験を通して活かされる。時として、俺の性壁は人に安心感を与えるようで色々なことを話してくれる人も少なくない。こうして俺はこの歳としてはそれなりに多い交友関係を持っている。


 すずは交流を持つようになってからまだ日が浅い。もっと言えばネット上でしかほとんど関わりを持っていない。しょうがないと言えばそうなるだろう、僕たちは浪人生なんだから。それでも、すずのことを理解したい。すずが僕に話すことで少しでも心が救われるなら本望だ。そう思いすずにLINEを打った。


 Jun(こんばんは!山神純哉です‼︎ 夜遅くにごめんね?暇な時間に返事してもらえれば大丈夫ですっ! 夏期講習ですずのところの予備校にお邪魔することにしたんだけど、すずは地元の校舎だけにするの?)22:47


 少し遅い時間だが大丈夫だろうか......今日のところはノルマ達成しているから布団に入りWeb小説を読んで寝ることにした。身支度をしてpcを開くとLINEから通知がきていた。開くと


 すず(こんばんはぁ! 星宮鈴です! 時間?気にしないでよ!私も自分の時間の中で返事打つようにするからさ♪ 夏期講習は地元以外に都内の第8校舎に行く予定だよ!)23:03


 思っていたよりも随分と早い返事に驚きつつ返事を打つ


 Jun(是非是非そうしてね お互い忙しい時期だし俺なんかに構ってるなんて時間もったいないよ笑笑)23:04

 Jun(そうなんだ!実は僕も前半に第8校舎いくんだよ!講座被ってるといいね!)23:04


 正直楽しみだ。この後も他愛のない話をしていたが暫くすると何か()が首をもたげてきた。


『すずをこまらせたい。』


ふとそんな感情に囚われ、知らぬうちに、すずへの好意が文面に滲んでいた。


..........

................

...................


すず(純くんって私のこと好きすぎでしょ?笑)0:34

Jun (バレた?wwそうだよ、すずのこと大好きだよ)0:43


動揺して考え込んだ挙句にこの煮え切らない曖昧な返事、自分を絞め殺してやりたい......

ふぅっと風がそよぎとても強い眠気に襲われた僕はそのまま寝てしまった。



....布団に入っていて良かった......このニヤけ面は誰にも見せられないな......


すず(え?ほんとう?嬉しいけどダメだぞ私たちにはやらなきゃいけないことがあるのだから。)0:44


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


..........ご主人様.....趣味悪すぎやしませんかね........よりによってあの女となんて...ほんとうに覚えてないのね..........


Kです。更新遅くなってしまい申し訳ないです。


そして、足折りました。とても痛いです。私のpartは1/4ほどエッセイなのでいつか純くんのあしもへし折ってやろうと考え中です!


いつも通りながらプレビュー増えてきて嬉しいです!是非是非レビューの方もお願いします!!


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