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気ままな犬と寂しがる猫  作者: K城
Casual dog and Lonely cat~Introduction~
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Jun part#1 山神純哉の家路

 Introduction 1 <K part> 


  あたしのご主人様の名前は、『純哉じゅんや』という。ご主人様は本当に優しい人で、毎朝あたしをナデナデしてくれる。気持ちよさそうにしているあたしを眺めている。

 

 ナデナデの次は、ご主人様お手製でいつも同じメニューの朝食だ。おば様やおじ様、お姉様方はご主人様よりも先にお勤めに出かける。屋根の下に、ご主人様とあたしだけの時間が毎朝やってくる。この時間あたしの話しをご主人様は黙って聞いてくださる。話す内容は、昨日のお仕事の反省と今日の目標についてだ。ご主人様は、機嫌よく毎朝褒めてくださるのでこの時間が一番楽しい。そういえば、 最近は気分転換か知らないけれどご主人様の服がよく変わってる気がする。 まぁ たいしたことではないでしょう。


  小一時間ほどこんな時間を楽しんだ後に、ご主人様もお出かけになる。1人になってからが、あたしの本領発揮だ。まず山積みの洗濯物の処理。続いておトイレの点検。


 そして最後に..............報告(セーブ)だ。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 自分の名前は、山神(やまがみ)純哉(じゅんや)と言う。趣味は、料理、読書に剣道サッカー観戦からお喋りまで多岐にわたる。そもそも『自分』と言ったが、一人称すら おいら から俺、僕 私なんでも使う。

 勉強は理科社会が得意だ。おかげで文系でも理系でも器用貧乏なのだが......

 しかし、何とか高校は地元では優秀な高校を卒業できた。周りは首都圏という土地柄都内の二流以上の大学に進学していった。風の噂で一流私大の合格者数が日本一の高校になったそうだ。私(ほら変わった)としては、自分の進路の方が肝心である。肝心であるのだがどこをどう間違えたのか俺は、『予備学校』とやらに通ってるそうだ。

 .......一年前の自分に拳を叩きつけてやりたいところだ。


 しかし、浪人生というのはとても不思議なものだ。まず、朝起きる時間は高校時代と大差ない。毎朝、(ポメラニアン)のリンが甲斐甲斐しく起こしに来てくれる....卒業してからも変わりない。起こしてくれたお礼とばかりに、撫で回してやる。

 しばらく後、リビングに出てリンの朝ごはんをあげる。毎朝同じ飯で飽きないのかな?なんて考えるのも変わりがない。


  リンと一緒に朝ごはんを食べたあとは、リンと一緒に 瞑想(ぼーっと)する。リンは何か言いたげにしているが、俺には生憎(あいにく)だが犬語が分からないのでヨシヨシとする。あらかたイタズラの武勇伝を話しているんだろうな。


 8時頃ちこくまぎわに僕は家を出て かつては高校に、今は予備校に登校していく。その時になって ふと気がつくのが 最近は、制服を着ないからかエレベーターの鏡に映る自分が華やかに見えなくもない。


 そんなどうでもいいことを考えながら毎日、少しずつ変わっていく 平坦たいくつ単調よくもわるくもない1日をスタートする。


............俺も母さんも姉さんもいない家でリンは何をしているのかな。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



お屋敷のお仕事が終わると あたしは、バルコニーに向かった。バルコニーの脇には、通気口が口を開けている(あーんしている)。そこに 前の日あったことを、お話しするのが生まれた時からのお仕事だ。


小さい頃、夢に《フワフワした何かかわいくないあたし》がやってきて『すず』とかいう女に私の感じたこと、前の日にあったこと を報告するように頼んできた。夢の中で、お散歩していた あたしは邪魔されたくなくて話を聞かずに同意してしまった。


結果、今に至る。最初は面倒だったけど日が経つと気がついた。

あたし寿命が延びている!!

生まれつき弱い関節も丈夫になったし、お友達には 抜け毛して禿げちゃったり亡くなった子もいるのにあたしは昔と同じようにピンピンしている。おかげで、ご主人様とずっと遊べるから今では すず には感謝している。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


予備校に行く途中《あのこすず》にあった。

僕は彼女が好きなのかもしれない。彼女の笑顔が眩しくて僕のことを理解してる数少ない人物だ。そんなわけで、なかなか「すず」と呼ぶことができない。《あのこすず》や 《おまえすず》みたいになってしまう。

..........情けないとか言わないでほしい。そんなこと自分が一番よくわかっている。

なにはともあれ すず(すきなこ) だ。彼女は、僕とは違う予備校であるが浪人生をしている。実家が開業医で医学部を志望している立派なだ。興味がないかもしれないが俺も医学部志望だが、これは全くの偶然だ。


たまたま出会った僕らは他愛の無い話をして、それぞれの予備校に向かった。


予備校では、そこそこ上のクラスなので周囲バカたちにバカにされることなく、前の日に予習した範囲の授業を黙々と受けた。平坦で単調な、その日の授業を全て受け終えて自習室で明日の予習をした。18時頃に予備校を出た。

家路につくと何も考えずに、帰巣本能のままに歩みを すすめていた。

ふと脳裏に浮かぶのは《すず(カノジョにしたいこ)》だった。やっぱり僕は、彼女に惚れているんだろう。



............こうして山神純哉おいらは、日常すずのいるひびから家に帰るのだ。




初めまして、K城のKけいです。小学校時代からの腐れ縁の《バカ》と共同執筆で小説を書くことになりました。私の方は、別ネームで個人的に小説あげようと思うので、おいおい紹介していきます!! 城の方は何書くか知らないので次回更新にご期待くださいm(_ _)m

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