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幼なじみが犬になったら、モテ期がきた件  作者: KUMANOMORI
2章 蒔かれたよ、変の種

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隣の席の仲間さん


 魔法3日目(友引)


 わたしのクラスには、前期が始まってこのかたずっと空いている席がある。

 真ん中の列の真ん中の、誰に聞いても誰の席なのか分からない謎の席。

 つまり、わたしの隣の席なのだけれど、かく言うわたしも一体誰の席なのか知らないままなのだ。


 一度、担任の先生に誰の席なんですか、と聞いたところ、無言で顔を逸らされてしまった。

 それから、わたしにとってその席はより謎を深めることになった。

 まほりに言うと、その席はきっと『仲間さん』の席だよ、と言ってある昔話をしてくれた。


 病気のため、結局一度も学校へと来ることの出来ないまま亡くなってしまった生徒が、かつてこの学校にいた。

 その生徒を気の毒に思った担任の先生が、ちょうどみんなに囲まれる真ん中の列の真ん中の席に『仲間さん』の席として、その子の座席を移動させたのがことの始まりだという。

 

『仲間さん』っていうのは本当にそういう名前っていうわけじゃなくて、みんなの仲間っていう意味なんだよ、とまほりは言う。

 そのときから、この学校の2年c組には『仲間さん』の席が用意されるようになった……。


 しばらくの間は、その話を真面目に信じていたけれど、2年c組の教室を使っていた部の先輩に聞くと、自分のときはそんな謎の席はなかったと言う。

 何か事情があってたまたま学校に来れない子がいるんでしょ、と先輩は言う。

 その話をまほりにすると、彼女は納得いかない顔をして、

「そう言えば1年の頃も途中から、ミサの隣の席空いていたよね」

 と言う。さらには、

 「ミサ、まさか『仲間さん』に憑かれてる!?」と大仰な調子で続けたので、

 「そんなわけあるか!」

 とそのときは突っ込みを入れた。


 けれど、今、その席の隣から眺めていると、少し不思議な気持ちになる。

 何か事情があって、学校に来れない子の席なのか、それとも本当に『仲間さん』の席なのか。

 まさか本当に、わたしは『仲間さん』に憑かれているのか?

 まあ、先生も何も教えてくれないし、クラスの子は何も知らないみたいだし、知る方法はないんだけどね。

 登校日で久しぶりに教室にみんなが揃っていると、やっぱりその席が目立つからつい考えてしまう。

 

 さらに、今日はもう二つ、空いている席がある。

 窓際の前から二番目の席――幸太郎の席と、あとは廊下側の一番後ろ――

 これは誰の席だか思い出せないのだった。




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