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Your Experience Online  作者: 真田 蒼生
異世界の経験
3/5

第一話

「ってことでやってきました始まりの町近くの草原!ここで戦闘訓練をするぞー!おー!」

「お、おー」「…おー」「いー!」

「こらちょっと待て今ショッOーはあかん」


町を出て、草原に出たところでイノリが声掛けをし、アイリ、ユナ、ココの順番で答えた。キズナはココの返事にツッコミを入れていた。


「それで、イノリ、訓練って言ったって何すんだ?」

「ん?実戦だよ?」

「イノリ…それは訓練とは言わないと思うよ?」

「そう?まぁいいじゃん」


キズナの質問にイノリが答え、アイリが訂正をする。

そんなことは気にせず、イノリは説明を始める。


「それじゃ、とりあえずMob(モンスター)をみつけて、狩ろう!ほかの初心者の人たちが来るまでが勝負だよ!狩られまくって復活(リポップ)しなくなったら面倒だからね!」

「…一応考えてたんだ」

「むっ、ユナちゃん、私だっていろいろと考えるんだよ?何よりこの世界では私が先輩だからね!みんなを引っ張らなきゃ」

「なるほど、ここでお兄さんにかっこいいところを見せておきたいと」

「そういう一面もあるのは否定しないよ!」

「お、おう…」


イノリの説明にユナがちゃちゃをいれ、それに答えたイノリをからかおうとココがキズナをつかってみたが否定するどころか肯定してどう反応していいのか困っていた。

かっこいい一面よりかわいい一面を見せてもらいたい。

内心そう思いながら、キズナはその光景をほほえましそうに眺めていた。



「あ、いたいた!」


5人は草原を歩き回り、イノシシを見つけた。

イノリによると、<ボア>というMobで強さはRPGでのスライム的立ち位置らしい。


「それじゃまず私がお手本見せるから見ててね!」

「気をつけろよ」

「だいじょーぶだいじょーぶ!いってきまーす!」


イノリは両手に小手のようなものをつけて、駆け出して行った。

ボアはそれに反応し、イノリのほうをむく。


「いくよー!≪砲拳≫」

『ピギィイイイイイ!?』


イノリはボアを思いっきり殴り飛ばすと、ボアのHPが一瞬で0になり、パリーンという音とともに、ボアが光の結晶となり砕け散った。


「「「「・・・」」」」


イノリ以外の4人は沈黙する。

イノリは4人のほうを向き、笑顔でこういう。


「こんな感じ!わかった?」

「「「「何が!?」」」」


さすがにシスコンのキズナでも、この妹の所業(オーバーキル)から学べることはなかった。



「…ていうこと!わかった?」

「う、うん」「…なんとか」「たぶん!」「大丈夫だと思う」


それから、イノリに再度教えてもらい(数回のオーバーキルあり)4人は戦闘について理解できたようだ。


「それじゃ、順番に実践してみよっか。だれからやる?」

「「「「・・・」」」」


だがいきなりの実戦はハードルが高く、自ら名乗り出るものはいなかった。

そこで…


「じゃあ、私が…」


アイリが立候補した。それに便乗し


「…なら私が」「私がやる!」


ユナとココも立候補した。


「………」


この流れはまさか…

不穏な空気を感じながら、キズナも立候補した。


「じゃあ、俺が…」

「「「どうぞどうぞ」」」

「…君ら仲いいね」

「小学校から一緒だったみたいだから…」


ある種のお約束をされたキズナのつぶやきに、イノリが答える。


「まぁ、仕方ないから俺がやろうかね…」


半ばあきらめて、キズナは装備品の槍をオブジェクト化しリポップしたボアのところへ歩いていく。

ボアはそれに気づき、戦闘態勢を取った。


「ええっと、初期状態ではスキルはだれも持ってない。戦闘などの経験によってスキルを覚えることができる…だったか。ならまずは適当に振り回すか」


キズナはイノリに教えられたことを復唱し、槍を両手で構え、駆け出す。

そしてボアに向けて、ブンッと、槍を横に振りぬき、その体を切る。切られたボアの体には赤い線のエフェクトが走る。


『ピギィイ!』

「おっと」


怒ったボアは、正面のキズナに向けて突進するが、何度かイノリの戦闘で見たこともあり、キズナは横に飛ぶことでよけることができた。そしてそのまま、今度は槍で突く。

そうして着実にボアにダメージを与えていると、キーンという音とともに脳内にとある音声が流れた。


『これまでの経験により、槍術スキル<一閃>を覚えました』

「ふむ、こんな感じで覚えるのか…あとは、初めてスキルを使用する場合はスキル名を口に出す…だったな」


ちょうど突進してきたボアを避け、キズナはスキル名を叫ぶ。


「ーー<一閃>…うおっ!?」


すると、キズナの体か勝手に動き、青い光のエフェクトに包まれた槍を、横に薙ぎ払った。


『ピギィィィィィ…』


その一撃がヒットしたボアのHPは0となり、砕け散る。


「なるほど…スキルを使うとこうなるのか…」

「お兄ちゃん、おつかれさま」

「ん、イノリか。ありがとう」


スキルの自動アシストについて考えていると、イノリがこちらへ寄ってきて、労いの声をかけた。


「はい、初心者のお兄ちゃんでもノーダメージで行けたんだから、多少食らうことはあっても大丈夫!ということで次行ってみよー!」


そしてイノリはキズナ以外の3人に声をかけ、そこから3人が順番にボアと戦闘することになった。


「行きますーー<スラッシュ>」


アイリは長剣でボアを切り、


「…ーー<ポイズン>」


ユナは手に持った短剣に毒の効果をもたせボアを毒殺し


「よいしょぉ!--<クラッシュ>」


ココは大槌でぶん殴っていた。



結果は快勝、キズナを含め4人全員が、ボアを相手にした初戦闘で勝利を収めることができた。


「よしっ、こんなものかな?みんなお疲れ様」


ココの戦闘が終了したところで、イノリが声を上げた。


「とりあえず戦闘の説明はこんなもんでいいとおもう。今度は町に行って、機能とかを説明しようと思うから町に帰ろう」

「「わかった」」「…了解」「はいはーい」


4人も承諾し、一同は始まりの町へ帰ることにした。

アオイ「アオイです」

キズナ「キズナです」

イノリ「イノリでーす」


キズナ「…うん、なかなか個性的な友人だな」

イノリ「でしょう?一緒にいると楽しいんだよ」

アオイ「ふむふむ、kwsk」

イノリ「えっとね…押さいないでよって言っておきながらプールにおとされてたり、お弁当食べるときにあーんってやってると顔に当てたり…」

アオイ「うん…個性的な人たちだね」

キズナ「(なんもいえねぇ)」

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