有馬から金杯へ
暮れの有馬記念を、久しぶりに的中させた。
というのも、秋は安目を売り続けたルーラーシップと心中していたからだ。
もちろん三連単の頭でも買ったのだが、どうにも信用しきれず、三着付けでも買った。当初は、エイシンフラッシュと二頭を軸にと考えていたのだが、騎手の乗り替りがあったため、穴に考えていたオーシャンブルーとの軸に変更した。ルーラーシップが頭の、オーシャンブルー二着固定で人気どころに流し、オーシャンブルー二着、ルーラーシップ三着で人気どころに流すという、がちがちの競馬ファンには眉をひそめられそうな買い方で、それでも十年ぶり――前回は妹が夢に見た馬券に便乗したシンボリクリスエス、タップダンスシチーの枠連だったように記憶する――に、年末的中で締めくくることができた。出遅れがなければ、もっとすごい馬券だったなどというタラレバはいうまい。それを見越して三着付けでも馬券を買っていたのだから。
ゴールドシップは強かったし、突然の乗替で四着までやってきた三浦騎手は仕事を果たしたと思う。
年は明け、金杯だけれど。
今年は五日が土曜日のため、普段は参加できない方も参加できるのではないだろうか。
しんがり君は、
「金杯、両方とれた年は、絶好調なんだよねぇ」
とのたまわった。
金杯を。両方。
私の辞書には見当たらない言葉だ。
「金杯でカンパイといきたいですねぇ」
「どっちの『カンパイ』?」
というのが合言葉のようになっているのは、私の周りだけなのだろうか。
年末に景気のいい話をもう一つ聞いた。
WIN5をお兄さんが当てた、という方とあった。
小さい頃から父親に連れられて、兄弟二人、競馬場に通っていた。大人になってから馬券を買い続け、四十を超えたお兄さんは、なんと千五百万円の馬券を的中させた。
「百万円くれるっていったけど、遠慮しておいた」というのは、税金がものすごいからだという。最大、千五百万円のはずの馬券は、九百万円くらいになってしまうという。お兄さんはその馬券の的中後、税金の多さに競馬から足を洗ってしまった。残念なことである。
今年はどんな馬が、年始を飾るのだろうか。
昨年の秋に、心中を続けたルーラーシップは引退してしまった。残念だけれど、これも仕方のないことだと思う。二年後、息子や娘たちに期待したい。
馬券になろうが、なるまいが、去年のしんがり君のように、毎日王冠で玉砕するはめにはなったけれど、金杯から追い続けることができる好みの馬に出会えれば、それもまた、素晴らしい年明けになるのではなかろうか。