2.罰
SDS(園田探偵学園)体育館内。
「今日、皆さんに集まって貰ったのは他でもない」
そう言って、舞台のスクリーンに注目させる園田学園長。
そこには、<実技試験(臨時)>と書かれている。
どうせまた学園長の思いつきだろう・・・──瞳はそう思った。
「抜き打ちかぁ、嫌だなぁ・・・」
瞳の隣で、楓はそう呟いた。
「何で?」
と、振り向く瞳。
「だってさ、学園長が考えるのって、殺人事件ばっかりなんだもん。
嫌んなっちゃう・・・」
「そうか、お前は死体とか苦手だったもんな」
「それに比べて、黒田さんはまだ良いよ。
死体見ても全然平気だし」
「オレは・・・」
そう言いかけた時、瞳の耳に学園長のこんな言葉が聞こえて来た。
「と言うわけで、今日は実際に起きた殺人事件を解決して貰います!」
(実際に起きた事件?)
瞳は、真剣な表情で、学園長の話を聞く。
「どうしたの?恐い顔しちゃって」
楓はそう聞くが、瞳の耳には届いていなかった。
「ねぇ、無視?」
「・・・・・・」
「ねぇったら」
バコッ、バコッ、バコバコッ!
──瞳の額にムカツキマークが数十個程現れた。
「ああもう!
楓の所為で話が聞こえねえなかったじゃねえか!
どうしてくれんだあ?」
と、拳をポキポキ鳴らし、目を真っ赤に光らせ、とても恐ろしい表情で楓を睨み付けた。
すると、スピーカーを通した学園長の怒鳴り声が聞こえた。
「そこ静かにしてろ!
罰としてお前達二人には、5年前に起こった未解決の放火事件を解決して貰う!」
瞳は目を点にすると、学園長の方を振り向いた。
「あの、今、何て、言いました?」
「5年前の未解決放火事件の解決だ」
と言う訳で、二人は5年前に起きた未解決放火事件の捜査に駆り出された。それが、殺人事件を引き起こす物になるとは、二人には知る由も無い。
ん、話が短い?
ふっふっふ、予定通りさ。