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彼岸にいけないヒガンバナ  作者: 大路地さん
1/1

回想 「転」

「おい!扉のロックは解除した!警備は既に無効化している!今のうちに出るんだ!」



 ん?揺れがひどい。また、怪物でも脱走したのか?




「…どうして誰も出て来ないんだ……おい!今がチャンスなんだぞ!」


「いたぞ!殺してもいい!絶対逃がすな!」




 いや、この小刻みな振動……逃亡者か。ここの警備がそう簡単に無効化できないのを知ってるくせに、よくそんな無謀なことができるな。




「くそ……あと、解除していない扉は…あそこか…!」




 ああ、揺れが大きくなってきた。檻はしっかりしてる割に、建物がもろいのはなんなんだろう。



考察を続ける少女に一筋の光が差す。




「すまない…でも、お前だけは…!」




暗闇に座っていた少女の手を誰かが力強く掴む。



 え?



あまりに突然の出来事に少女の思考は止まった。


いつもなら次に来るのは地面に体を打ち付ける衝撃。毎度のことで慣れているといっても、それは防御姿勢をとれているから。この退屈な暗闇に光が差した瞬間にその準備はしていた。


しかし、今、少女を掴んだ手はスルッと少女を持ち上げ、その勢いで少女の膝裏と背中を抱えた。つまり、お姫様抱っこをされている。


その時の少女には本当にこの状況が理解できなかった。


ただ、初めて見たその人の顔を忘れてはならないと思った。


悔しいのをごまかすような笑顔を彼は少女に見せたのだった。




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