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燎が世界を照らすとき  作者: コンパス定規
3章 『憎炎』
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プロローグ

 やっと3章を始めることが出来ました。

構想を練るのと、忙しさと、単に作業に手が付かないのと、なかなかにサボってしまいました。

それでも最近は読んでくれる方が少しだけ増えてとてもうれしいです。

今回は戦う場面がとても多くなると思いますが、ぜひ読んでいただけたらなと思います。


炎がわが身を燃やす。氷がわが心を凍らせる。

少年の激闘をただ見ているしかなかった。少年の進化をただ傍観するしかなかった。

 戦士という職が人の希望となっている現代において、戦士は戦士足りえていなかった。力に溺れ、欲に溺れ、堕落していく様を見ているのはもはや拷問の域であった。

 力と、名誉と、財力と、地位と。この世で手にすることが出来ないものはないと言わんばかりに横暴で、凶悪で、醜い。女を囲み、酒を浴び、肉を貪る。

 上に行けば行くほど、その醜さに拍車がかかっている。

 その中で、私は。

 ただ強くなりたかった。

それが私の生きる術だと、私の生きる意味だとおもっていたから。

それなのに、それなのに、それなのに。

私では届かない。どれだけ身を傷つけようと、どれだけ心を痛みつけようと、高みにたどり着けない。それどころか、また別の者がその領域に達する。ただ、それを見つめ、背中を眺めることしかできない。

そして、また一人、物凄い速さで私を追い抜こうとする者が現れた。その者はただ真っすぐに、誰よりも愚直に、歩んでいる。

その愚直さが、ひたむきさが、その炎が、眩しい。目を背けたくなるほどに眩しい。


憎い。この世界が、憎い。誰よりも強くなりたいと思っている者が廃れていく世界が、憎い。私に、このような十字架を背負わせた世界が、憎い。その世界に服従するしかない自分の弱さが、憎い。


その想いがわが身を焦がす。

力が欲しい。この劣等感も、嫉妬も、惨めさも、憎悪も全てを燃やしてしまえるほどの力が欲しい。使命を忘れ、性欲に溺れ、自分に酔っている愚か者をすべて一掃できるほどの圧倒的な力が。

現代の戦士を否定できるほどの力が。

この世界を全否定できるほどの力が。


力が、欲しい。


隠しても隠し切れない、蓋をかぶせて抑え込もうとしても抑え込めない想いが溢れ出してくる。とめどなく流れ出していく。

そして今。心の奥でもう一つの炎が灯った。


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