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私はこの男を利用して、“本命の彼を手に入れる!”

作者: 七瀬






私には、ずっと好きな男性ひとがいた。

彼の名前は、広田こういち 22歳、私と同じ大学に通っている。

彼には既に、私よりも綺麗な彼女がいて二人はとても仲がいい。

私も自分では、“かなりの美女だと自負しているが...。”

彼の彼女に比べれば、私の美しさは劣るのかもしれない。

私は私自身の事をよく理解している。

周りの目や私自身の価値など、親からの期待にも出来るだけ応えてきた。

それでも世の中には私でも、【勝てない相手がいる】事を知った。

常日頃から、私は母親によくこう言われていた。




『貴女は、才女で素晴らしい才能を秘めたワタシの子よ。

でもね? 世の中には、どんなに努力しても叶わない相手もいるの。

きっといつか貴女の前にもそういう女性ひとが現れるわ。』

『・・・・・・』




あの時の私は、母親が何が言いたかったのか、よく分からなかったが

今ならよく分かる。

どんなに手を伸ばしても、手に入らないモノがある事。

私は【彼が欲しい】彼を私のモノにしたい!

でもそれには? 彼と彼女を引き裂くしかない。

それには、どうしたらいいか?

私が思いついたのは? 私には私を好きな男がいる。

彼を使って、【私の本命の彼を手に入れる事にした。】



『ちょっとさー大事な話があるんだけどいい?』

『やっと俺と付き合ってくれる気になった?』

『そんな事ある訳ないじゃない!』

『じゃあー何なんだよ』

『手伝ってほしい事があるのよ』

『なになに? 俺に得する事?』

『上手くいけばね!』

『協力するよ、巳央の為だ! 俺で良ければ何でもやるよ!』

『ありがとう、本田くん。』

『あぁ!』




この男は、まんまと私の計画に乗ると言ってくれた。

私の事が好きだから、この男は私の為に何でもするとまで言う。

そこまでこの男は、私の何が好きなのだろう。

私には疑問しかないが、この男を使って早速私は実行に移す。



『ねえねえ、広田こういちくんの彼女の羽野さんだよね?』

『・・・えぇ、そうですけど。』

『先、広田くんが羽野さんの事探してたよ』

『えぇ!? どこで?』

『俺が連れててあげるよ』

『あぁ、ありがとう!』

『別にいいよ、こっちだよ』

『うん!』






この男は、誰も居ないところまで彼の彼女を連れてくると?

勢いよく彼女にキスをした。

しかも、強引に彼女が逃げないように彼女の両手を掴んで。

私は、遠くからこの男と彼女がキスをしている写真を撮り。

彼の携帯に直ぐに写真を送る。



『えぇ!? なんだよ、これ? い、いや? 光莉なのか!?

この男は、一体誰なんだ!』




彼女には、この男が口止めをした。

誰にも何も言われないように、【一度の過ち】なんだと言い聞かせてね。

彼女も、自分の事を本気で好きでこんな事をしたんだとこの男が真剣に

謝る姿を見て簡単に許してしまった。

どうしても、彼女にキスをしたかったと言ってね。

本当に、どうしようもないぐらいバカでお人好しの彼女。

【俺が、羨ましいぐらいの彼が君には居るから俺は君の事をこれで忘れるよ】

とか何とか言ってさ、彼女を丸め込んだのよ。

まさか!? その後、彼にあの写真が送られているのも知らないで

彼に会いに行ったあの女!




『ごめん、こういち! わたしの事探してたんでしょ!』

『・・・それより今誰と会ってた?』

『えぇ!?』

『まさかだけど? こんな事してないよな』

『・・・・・・』

『えぇ!? なんで?』

『ここに写ってる女性って光莉じゃないのか?』

『・・・ううん。』

『この男、誰なんだよ! 知らないところでお前何してんだ!』

『ごめん、』

『“ごめん”じゃないよ! 光莉がこんな女だと思わなかったよ!』

『こういち、』 





この後、彼は彼女と分かれて人気のない場所で一人で泣いていた。

そこで、私が優しく彼を慰めてあげたの。

彼は、私に縋ったわ。

彼女の事はもう忘れて、私を好きになってくれると約束してくれたの。

だから、私は彼を想い通りに私のモノにさせる事ができたわ。




『本田くん、ありがとう。上手くいったわ!』

『えぇ!?』

『私ね、広田くんと付き合う事ができたの』

『・・・どういう事?』

『そういう事よ、今までありがとう。』

『・・・俺の事は?』

『さようなら、もう用済みよ!』

『・・・・・・』





 *




・・・その後、彼は私のモノに完全になって落ちていった。

【彼はもう私のモノ。】



それと? 風の噂で聞いた話だけど、、、?

あの男と“彼の元カノ”が付き合ってるらしいの。

良かったわね、私もとっても幸せだわ。





最後までお読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] ムフフフフ ( *´艸`) ムフフフフ “越後屋”さんとお代官の会話を思い出してしまいます。 ほら、あれですよ!“黄金色の菓子折り”を受け渡しするときの…
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