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・・・  作者: 青斗輝竜
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少し変わった約束

俺が病院に来てから3日がたってこの生活にも少しではあるが馴れつつある。


まあ、ほとんど動かないしろくに歩くことすらできないからな。

窓の外を見たり、花優と会話したり……学校なんかよりとても楽しい。

そんな日々だった。



ーーーーーーーーーー


ーーーーーー


ーーー


歩呂良くんが来てから3日がたった。1人の時とは全く違って人と話せるし、退屈な時間はほとんどなかった。


それに歩呂良くんはあんまり喋らないような感じに見えるけど実際はとってもいろんなお話をしてくれた。


だから今はとっても楽しい…けどお医者さんは全治4ヶ月といっていた。

それに2、3ヶ月くらいしたらリハビリを始めると思う。

もし歩呂良くんがリハビリを始めたら(精一杯応援したいな!)そんなことを思った。


ーーーーーーーーー


ーーーーーー


ーーー


「なあ、花優ー」


「どうしたんですか?」


「暇ー」


「そうですね、いつか面白いことがありますよ」


そんな他愛のない会話をしたりする日々。

それでも俺は楽しいと思っていた。


「お見舞いに来てくれる人はいないんですかね?」


「そうだなー俺は友達なんかいなかったから誰も来ないと思うぞ?……それにおばあちゃんは今、病院にいるし来ないと思う。」


そうだ、祖母は今入院中だ。そのため来るわけがない。


祖母が来てくれたら俺も幸せボックスに幸せを入れれるかもしれないのにな……。


「そうですか……でも先生は来てくれたんですから友達じゃない人も来てくれるんじゃないですか?」


「そんな訳ないだろ。先生は仕事で来てるんだ、本当は俺の事なんか心配してないよ。」


大人は仕事をクビになりたくないから表ではいい顔をする。子供だってそうだ、友達との付き合いがめんどくさいと思いつつも仕方なく付き合っている。


人間なんてそんなもんだ。


「また、そういうネガティブなこと言ってる〜ネガティブなこと言ってるとネガティブ人間になっちゃいますよ〜?」


「俺はポジティブな考えができないんだよ。」


「私はポジティブな考えの方がいいと思いますよ。」

花優は握り拳を突き上げて「ポジティブには可能性しかありませんから!」


「じゃあお前はポジティブ人間だな。花優には可能性しかないぞー」

と言って二人で笑った。


こんな変な話で盛り上がることができるのは俺たちの性格の違いからかもしれない。


だって…俺は死にたいと思ってる。

けれど、花優は生きたいと思ってる。

生きると死ぬは全くの別物であり反対の意味でもある。


そんな二人がこうやって仲良くできているのは互いに生死の話をしないからだろう。


花優は本当に優しいやつだと思った。


「私はネガティブなことを考えないので歩呂良くんもネガティブな考えをすることをやめてくださいね?」


「それじゃあ、お前に得しかないじゃねえか!お前はネガティブなこと言わないじゃないか!」


「ははっ、でもそれでいいじゃないですか。

『約束』ですからね?ネガティブなことは言っちゃいけませんよ?」


「はぁ……分かったよ。ネガティブなことを言わければいいんだろ?」


「はいっ!それだけ約束してください!」


ネガティブなことを言わないようにか……約束したからにはしっかりと守らなきゃな。


「約束したからな…約束はできるだけ守るようにするよ」


「はいっ!お願いしますね!」と満面の笑みで喜んでいた。

やっぱり花優は笑っていた方がいい。改めてそう思えた。

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[一言] 幸せボックスやネガティブなことを言わない、生きる上で大事なことが詰まっている気がしますね♪
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