不如帰と夏の大三角形
あの日から、僕たちの歯車は止まった。
8月31日
雄太はリストカットしお風呂に手を付けて死んだ。警察は、自殺だとしているが、僕にはとてもそう思えない。
9月1日
「ほんとに雄太は自殺なの?」れいは、3人にいった。
「そんなことあるわけないだろ!」はるきはそう言って、机をたたいた。
「僕もそう思う。」ぼくは、そういった。
しばらくの沈黙の後「じゃあ、他殺だよね、」恐怖と悲しみを隠せないまま、さやは呟いた。
「誰が犯人なんだよ、そいつ見つけたら俺が殺してやる。」はるきは、そう言いながら空のペットボトルをぐしゃぐしゃにした。
「僕は、犯人はこの中にいると思う。」
「れいもそう思う。この際今クラスで流れている噂とかも全部確かめようよ。」
僕たち、五人にはたくさんのうわさが流れているのは、確かだった。
しかも、雄太の二股や、春樹が雄太にカツアゲされているなど悪い噂ばかり。
「でも来週には、全員違う学校だよな。」そう、この事件があって僕たちは、転校することになった。
「来週までに、けりをつければいいじゃない。たった四人なんだし、」
「そうだな。じゃあ、まず二股についてなんだが、どうなんだ?」
「いや、ちょっと待てよ。はるき。最初はにアリバイ確認でしょ。」僕は慌てて止めに入った。
「そうね。れいはアリバイないよ。その時間帯は一人で勉強してた。」
「俺はその時間帯は、バイトしてた、証言はこいつができる。」死亡推定時刻にぼくは、はるきがバイトしているコンビニで、夜ご飯を買った。
「はるきは、確かにそのコンビニでバイトしてた。そして僕もそこからじゃゆうたの家までは死亡推定時刻には間に合わない。だから僕も、アリバイはあるね。」
「私も、その時間帯は犬と散歩してただけだから、アリバイはないね...」さやはそう言ってまたうつむいた。
「とりあえず今日は、もう帰ろうぜ。」はるきがそういうまで僕は外が真っ暗なことに気が付かなかった。
「そうだね。もう今日は帰ろう。まだ転校までには時間があるから。」
そんな感じで、一日は終わった。
9月2日
「じゃあ、アリバイも聞き終わったし噂に行かない?」
「ちょっと待って。昨日実は言ってなかったことがあるの。... 昨日、れいは死亡推定時刻の四時間前ぐらいに雄太と会ってた。みんなに言ったら疑われると思って言えなかった...ごめん。」
「実は、僕もゆうたが死んだ日の午前中にあってた。コンビニであっただけだからそんなにしゃべってないけど。30分ぐらい外でしゃべってた。」
顔色を変えたはるきが僕たちに怒鳴った「なんでそんな大事なこと黙ってるんだよ!! お前たちのどちらかが犯人か?」
「ごめん。」れいのその一言で夕方の教室は静まり返った。
これは、本当に、他殺なのだろうか。なぜかぼくには自殺にしか考えられない。
「そろそろ、噂についてはなさない?」そう言ったのはさやだった。とても意外だ。さやが率先して話をするとは、それに比べてれいの顔は曇ってる。なにか弱みでも握られているのだろうか。
「じゃあ、まず二股疑惑からいこうか。」やっぱりれいの顔色が変わった。きっと何か裏がある。
「れいさっきから、顔色が悪いよ。何かあったの?」ぼくは、ストレートに尋ねた。こういうのが一番効くっていうのはもう何年も一緒だからみんな知ってる。
「・・・」しまった。追い詰めすぎて黙りこんでしまった。
「れいが言わないなら私が代わりに言ってあげる。ゆうたを私に取られちゃったもんね。そして雄太が死んだ日にれいはふられた。それで怒り狂ってゆうたをころしちゃったとか?(笑)」
「それ笑い事じゃねえだろ!」はるきはまた怒鳴った。このままじゃ誰かを殺してしまいそうだ。
「落ち着けはるき。今日はもう帰ろう。はるきがこの調子じゃ人を殺してしまいそうだ。」
「俺がお前らを殺すわけねえだろ!ぶっころすぞ!」おいおい。矛盾しまくりじゃねえか。
「わかってる。でもお前はまず落ち着け。」その言葉に不満を持った顔をしてたけど。まぁいいか。明日にはまた冷静になってるだろうな。
次の連載は、気分が乗ればします。