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MT乗りは死なない。

作者: ハルカ カズラ
掲載日:2018/01/02

               オートマは認めない。



「なに? お前今時、M2に乗ってんの?」


「好きだから乗ってるだけ。別にあんたに関係ないでしょ? 走りやめて、インプに乗り換えたあんたに言われる筋合いなんて無い」


「インプだって強いけどな。そりゃあミッドシップとかと違って曲がりは悪いけど、安定してんぜ?」


「あっそ、別に勝負とかしないし関係ない」


 この男は、かつてわたしと同じMR2に乗っていた。わたしは好きだから乗り換えていないけど、こいつは走り屋をやめて家庭向けのインプに買い替えた。しかもオートマ車。問題外。


「楽だけどな~高速とかは足だけで走るし。いちいちギアチェンとかめんどくね?」


「はぁ? 楽だけど楽しくない。一度でも楽な方に乗ったらもう、戻れないと思うけど? あぁ、あんたはもう一般車乗りだものね。戻るわけないか」


 オートマは確かに簡単だし楽だ。仕事では全ての車がオートマだ。だから分かる。けど、だからといって、プライベート車までをオートマに変えるとかしたくなかった。


「もうやめちまえよ、手動は」


「何でそんなことをあんたに言われなければならない?」


「率を考えたらそっちの方が高いんじゃねーの?」


「それを言えばキリがない。オートマだからこそ、どこぞの店に間違って突っ込むんじゃないの?」


 マニュアルのギア操作と、クラッチ踏みは癖になる程の面白さがある。これはオートマでは味わえないと私は思ってる。エンジンブレーキだって使いやすいし、ただ単純にブレーキを踏み込めばいいわけでもない。


 何よりも、ギアチェンとクラッチを駆使して、ドリフトを楽しめる。オートマでも出来るけど、そんなのはやっぱり面白くない。


「だから俺と別れた?」


「それだけが原因じゃないけど、やっぱり許せないし」


「なるほどな。じゃあ、時代が変わってもお前は変わらないわけか。男の方が手動より自動を好むようになってきてるけどな。それでも求めるのはそっちかよ。なら、好きにしろよ」


「好きにする。私は私がマニュアルを嫌だと思わない限り、オートマになんて乗るものか!」


 数年後、私は事故を機に、完全オートマ車ではなく、アクティブドライブ搭載の車で妥協して乗り換えをした……マニュアル車は死なない。心の中では――

実話を元に……以下略です。

アクション性なしの話ですけど、ちょこちょこ短編書きたいなと思いました。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 熱い! マニュアルスピリッツを感じました。 [一言] 拝読しました。 マニュアル乗りは、ここに一人生きてますよ~(笑) 私のユーザーネームの通りです(^-^)v やっぱりマニュアル車の『自…
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