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第五話さもしい魔王軍

中世風社会で魔物を動力源として知識チートの可能性を探った今回の物語。

やはり魔法や魔術なしでは現代の進歩は難しいようでした。

なお第四話、第五話は蛇足です。

ダブルドラゴンが姿を消した翌日、巨大な飛翔体が村を襲った。

 夜中の事だったので詳細は不明だが、農家で飼っていたチワワとスピッツに撃退されたようだ。

キイイーンという金属音とともに巨大な羽の先端を農民が目撃している。


それからであった。

柿の木の柿が1個だけ何者かによって盗まれた。

トウモロコシの実がすまなそうに皮を剥かれて1本だけ盗まれた。

大根が申し訳なさそうに1本だけ抜かれていた。

トマトが、キュウリが、キャベツが被害に会った。


1個だけ。


農村ではこう推測した。


1個だけ。


これは腹をすかした何者かのしわざだ。


ワナを仕掛けてみよう。


ヒモを丸く括ってエサを置く。

エサを食べると前足がヒモに作用して前足を縛って抜けなくなる。

まことに簡単な仕掛けである。


一晩たったある日の朝。


泣きべそかいたダブルドラゴンが、かぼちゃを1個だけ咥えたままワナに掛かっていた。

「すまいざごでみこりぐな、んぶやお」

ドラゴン語で何か言っているようだが、誰も分からない。


この後も世界各地で妖しい動きが確認されている。


干し柿を盗みに来たジャイアント・トロール。

回転イカ干し機に噛みついてぶら下がってたケットシー。

……。

なんか悲しい。


王国では緊急対策会議が開かれた。

いわゆる「魔物難民」を一体どうしたらいいのか、である。

彼らを路頭に迷わせた責任は、まあ人類にもある。それは認める。

 あらゆる国家がいやお前だ、違うお前だと責任を擦り付け合った結果、全頭屠殺という結果になった。

討伐以来は王立国家防衛軍の仕置きである。

しかし……。


「待って下さい」

 そう声を荒げたのはかつての勇者、現王立国家防衛軍最高司令官であった。

「私にいい考えがあるんですが」


 こういって提案されたのが、現魔物難民救済法、アルバイト魔物法であった。

魔物を期間工として雇い入れ、8年経ったら正規社員にする法律だった。


こうして魔物達は、異常で特殊な作業環境で、楽しく働きだした。



 サラマンダーは超高熱で一酸化炭素の煮えたぎる製鉄所の高炉の中で熱を楽しんでいた。

温度が下がると炎を吐き、上がると吸熱して、温度管理に努めた。


 電撃異人のテスラはアーク溶接の達人になり、スパイラル鋼管製造の第一人者になった。

スパイラル電縫鋼管とは「トイレットペーパーの芯」みたいな鋼管。

紙の替わりに鋼板をもの凄い圧力でクルクル丸めてアーク溶接して作る。

丸まった鋼管は残存応力があってなんとか元の形に戻ろうとする。

それを炎で焼き鈍して取り除く。

この役目もファイヤードラゴンが担当している。


グレートドラゴンはお届け特急便を始めた。

たった1日で各地に配達するお届け便で大好評だった。


ジャイアント・トロールは腕力に物を言わせて圧延工程に精を出した。

 トロールのプレス機で圧延された鍋や食器、調理器具は瞬く間に全国に普及した。


地中で石油や石油ガスを掘り当てるのはドワーフだった。

地下2500mまで掘れるのは彼らの得意技だった。

鉱物に目がない彼らにとっては、ガスも石油も何の興味もなかったのだ。

ガスと一緒に噴出する深層水にはヨードがたっぷり含まれている。

これを消毒薬や工業用触媒に使うのである。


ケットシーは回転イカ干し機を見つめている。

彼はお笑い担当なのかもしれなかった。



海に陸に空に地中に、あらゆる分野に魔物は役に立っていた。

こうして今の人類-魔獣社会が出来上がったのだった。


これで終了です。

読んでいただき、ありがとうございました。

蛇足の話のつもりがなんか別の話の前振りみたいになってしまいました。

もし、ある日魔物達がいなくなったら人類はどーなる?も考えました。

それこそが魔王のワナだったなんて展開もありでした。

まあ、そこはきりがないのでここで終了です。


これで終了です。

読んでいただき、ありがとうございました。

 蛇足の話のつもりがなんか別の話の前振りみたいになってしまいました。

 もし、ある日魔物達がいなくなったら人類はどーなる?も考えました。

それこそが魔王のワナだったなんて展開もありでした。

まあ、そこはきりがないのでここで終了です。

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