7「風の谷」
01クワン「うわあああすごいや!!!僕、本当に竜にのって空をとんでる・・!!!竜ってゴツゴツしてるけどあったかいんだ・・!!!かっこいい・・・!!!!」
02アーナ「ちょっとうるさいんだけどクワン!!!!あんたも風の谷探しなさいよ・・!!!かなり大きい谷だから遠くにあってもある程度目で見つけられるはずなんだから!」
03グア「まあまあ、そう怒んなよアーナ。時間もあることだし竜たちに名前でもつけたらどうだ?さすがに時竜、水竜じゃ可哀想だろ?」
04クワン「名前・・・・!!!!そうだなあ・・、僕がずっと読んでた本に出てくる竜の名前がジューグっていってさ、すっごくかっこいい竜で男らしいんだ!好きな名前だからお前にもそうつけたいんだけど、いいかな?ジューグ」
05アーナ「じゃあ私は可愛い名前にしようかな。アルティとかどう?可愛くないっ?」
06クワン「アーナから可愛いって単語が出てくるなんてね」
07アーナ「どういう意味よ?」
08グア「お前らほんっとに仲いいよな」
09クワン「どこが!」
10アーナ「どこが!」
11グア「そーいうとこがだよ。お、もしかしてあれじゃないか?風の谷」
12アーナ「ふん、ちゃっちゃと風の使いを仲間にしちゃいましょ。」
13クワン「そうだね、・・・・あれ、あそこに立ってる人僕たちに手を振ってない?」
14グア「・・みたいだな。降りるか。」
15ハン「うわあ初めまして!!神竜に乗ってるってことは君たち選ばれし使いってことだよね?」
16アーナ「そうだけど、あんたは?」
17ハン「俺はドゥノ=ハンプトン。ナカラ族だ!」
18クワン「ナカラ・・族?」
19グア「森獣族って言ってな。最も戦闘能力の高い種族と言われている。獣と人が混じりあった姿をしていることが特徴だ。森獣族の中にもいろいろ種類があって、ナカラ族は」
20ハン「狼だよ。このふさふさのしっぽと大きな耳がキュートだろ?足と手も獣の形をしてるから身体能力も抜群!」
21アーナ「へえそれ本物なんだ・・偽物かと思ってた。」
22ハン「あはは!初めてみたらそう思うよね。君は・・水の使いかな、そんな匂いがする!」
23アーナ「に、匂い?!」
24ハン「僕らは嗅覚も聴覚も優れてるからね。ま、バオールには負けるんだけど。君は炎で、そっちの君は時の使いかな。」
25クワン「時の匂いってどんななんだ・・・」
26グア「ところでハンプトン、なんで俺たちを呼んだんだ?俺たちが本当に使いだったからよかったものの・・・お前、森獣族ならあんまり姿を見せないほうがいいんじゃ・・・」
27クワン「グア、それってどういう意味?」
28グア「森獣族っていうのはさっき言った通り、戦闘能力が最も優れている種族なんだけどな。そのせいで人間に危険だと思われてて。見つかったら殺されるんだよ。」
29アーナ「なにそれ、おかしいじゃない。別にあんたたちは何もしてないわけでしょ?」
30ハン「そんなもんさ。でも、君たちに会いたかったんだ、俺の命をかけてもね。もし嘘をついていれば俺は匂いでわかるし向こうも俺を襲ってくるはずだ。その時は、俺もやすやすとは殺されない。」
31クワン「僕たちってそんな命をかけてまで会いたい存在なの?」
32ハン「・・・詳しくいえば、俺が会いたいんじゃない。君たちの仲間が会いたがってんだ。」
33アーナ「風の使い?!」
34ハン「彼女の力は風、そして癒し。人間は彼女の癒しの力を欲しがって探してる。見つけたら利用するつもりなんだ。」
35クワン「人間が・・・・」
36アーナ「クワン?どうしたの?」
37クワン「僕らの敵は、悪魔だけだと思ってた。けど・・・人間も?」
38ハン「人間を嫌いになっちゃだめだクワンジュ。彼らは怯えているだけだ。弱いから、自分たちが弱いことを知っているから、恐ろしいものは排除したいし、傷ついたら元に戻したい。・・普通のことだよ!それに優しい人間もいる。それは確かだよ!・・・だから、俺はナカラ族の皆が人間に殺されて、独りぼっちになったけど人間のことは嫌いじゃない。」
39クワン「ハンプトン・・・」
40アーナ「私たちの敵は悪魔よクワン。あいつらを倒せばその人間たちも落ち着くはず。」
41クワン「・・・そうだね。」
42グア「じゃあ、風の使いはお前がかくまってるのか?」
43ハン「俺の家は人間が来る可能性がないわけじゃない。だから別のところに彼女はいる。・・音無の洞窟だ。」
44アーナ「・・・・・・」
45グア「・・・・・・」
46クワン「え?なに?そこがどうかしたの?」
47アーナ「できることなら、避けたい場所ね・・・」
48グア「まあ・・・あそこにいるなら確かに安全だな・・・。」
49クワン「・・・?」