5「竜の山」
01アーナ「えっついてきてくれないの?!サレバルト!!」
02サレ「すまないのうアーナ。わしも少々やることがあっての。お前さんたち二人で他の仲間を探してもらいたいのじゃ。」
03アーナ「こんなヘタレと二人じゃ何年かかるか分かんないわよ!!」
04クワン「何年もかかったら僕だって困るんだよ!!!僕の世界では、僕の身体がずっと病室で寝転がってる状態なんだから!」
05サレ「それについては問題はないぞクワンよ。トゥルハンスの1年はお前さんの世界で1秒じゃからな。」
06クワン「あ、そうなんだ!それなら・・・・・ってそういう問題じゃないから!!!」
07アーナ「はあ・・・まあいいわ。クワンも覚悟?したみたいだし?」
08クワン「う・・そりゃあんなの見たらするしかないだろ・・」
09アーナ「ふっ、ビビってるの?」
10クワン「だっ、誰が!!!!」
11アーナ「じゃあ行くわよ。サレバルトに迷惑をかけてられないし。とにかくここから一番近い竜の山に行って、炎の使いに会うのよ。それじゃ・・・・、また会えるわよね、サレバルト。」
12サレ「勿論じゃよ、アーナ。」
13アーナ「ふふ、なら安心ね!寂しくて夜に外を歩きまわったりしないでよ?」
14サレ「はっはっは!・・・アーナもな。」
15クワン「じゃあ僕も・・」
16サレ「クワンジュよ」
17クワン「へっ」
18サレ「・・・・アーナをよろしく頼んだぞ。」
19クワン「は・・・・・はい・・・分かりました。」
20サレ「うむ。じゃあのー☆」
21クワン「・・・・・・・」
22アーナ「ちょっとー!クワンー!!!!早く来なさいよー!!!」
23クワン「あ、う、うん!!!!」
24クワン「ねえアーナ、本当にこのあたりに山があるの?結構歩いて来た気がするんだけど、周りを見てもアーナの家周辺と同じような草原が広がってるだけで。」
25アーナ「あるわよ。はい、ついた。」
26クワン「・・え・・ついたって・・・うっわあおっきい木だな・・・この幹なんて全然腕が回らない。あっつ・・!!!なんだこの木、幹から蒸気がふき出してる。」
27アーナ「老神樹よ。この木が地下にある竜の山への唯一の入口なの。」
28クワン「山が地下にあるっていうのか?」
29アーナ「信じなくたっていいわよ?どうせ実際に行くことになるんだから。さあてクワンの心は清らかか、し、らっ!!」
30クワン「えっ?!う、うわああああああああ!!!!??」
31クワン「急に背中を蹴るなんてひどすぎるよ!!!幹に穴があるなんて知らなかったし!!!教えてくれればよかったじゃないか!!!」
32アーナ「穴があいてたんじゃなくて老神樹があけたの。あの木は心が清い者しか招きいれない。良かったわねえ認めてもらえて。」
33クワン「扱い、雑くないか?」
34アーナ「なんのこと?」
35クワン「はああもう良いです・・・いてて、それにしてもここ熱気がすごいな・・・。」
36アーナ「当たり前よ、この地面のすぐ下マグマだもの。」
37クワン「ま・・っ?!」
38アーナ「あああもう黙って。ただでさえ暑いのに更に暑苦しくなるから。とにかく進むわよ。歩きながら説明するけど、ここは岩と土とマグマくらいしかないけど、もともとは竜が住み着いていたのよ。」
39クワン「竜の山っていうくらいだもんね。ってことはこの先には竜が?」
40アーナ「それはないわ。竜は絶滅したと聞いてる。随分と昔にね」
41クワン「そうなのか・・・一度見てみたかったんだけどな・・本の中でじゃなくて・実際にこの目で・・。」
42グア「なら会ってみるか?」
43クワン「えっ?!」
44アーナ「誰よアンタ?!」
45グア「はは、酷い反応だな!俺を捜してたんじゃないのか?」
46クワン「もしかしてあなたが・・炎の使い・・・?」
47グア「ロテェル・コムソ・グアだ。ま、立ち話もなんだしついて来いよ。竜にも会いたいんだろ?」