表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クワンジュと魔法の鍵 台本  作者: A20
第五章「決戦」
44/47

44「ふたりぼっち」

01クワン「真っ黒だ・・・何も見えない・・。・・・・心臓の音がする・・・。ここは君の中なの?デッダ」

02デッダ「そうよ。自分の中で誰かを殺したことなんてなかったから、少し試したくなったの。」

03クワン「そう・・。どうやって殺すの?」

04デッダ「そうね、まずは殺さない程度に痛めつけて、死にそうになったらすこし魔力を与えて生死をさ迷わせるなんてどうかしら。助けを乞うても許さない。体の端から切り刻んでいくのもいいわね?ふふふっ」

05クワン「・・・・」

06デッダ「この中から抜け出そうだなんて考えないことね。私の中は固く何重にも錠をかけてあるんだから」

07クワン「僕鍵をもってるんだけど。それで開けられないかな」

08デッダ「あはは!!!なにそれ面白いことをいうわね!!!私をからかってるの?」

09クワン「意外と本気だ」

10デッダ「へえ・・・・本当に死にたいようね」

11クワン「デッダ、もうやめよう」

12デッダ「あ?」

13クワン「もうやめようよ、こんなことをしてもなにも始まらない。」

14デッダ「もう。始まってるのよ、殺しあいがね」

15クワン「デッダ、君は自分でそうやって思い込もうとしてるだけだ。・・・わかってるんだろ、君自身も。」

16デッダ「私が・・・なにをわかっているって・・・?」

17クワン「君のことだよ。」

18デッダ「はああ?!?!お前になにがわかんのよ!!!!周りの人にちやほやされて平和に生きてきたお前に!!!囲まれて助けられてきたお前に!!!!無表情のロボットといままでずっと生きていた私の!!!!一体何がわかるってんだよ!!ええ?!言ってみろ!!!!」

19クワン「僕がわかるだなんてそんなこと言えないよ。君がいう通り、僕には愛しい家族も、仲間も、思い人もいる。君の痛みはわかってあげられない。」

20デッダ「そうでしょうね?!でもわたしにはアーナしかいないの!!!!それなのに人間は欲張りな動物だわ!!!!どうしてたくさん持っているのに、私からアーナをとるの!!!!???いいじゃない!!他にもたくさんいるじゃない!!!どうしてアーナなの!!!どうしてあの子を私からうばうのよ!!!!」

21クワン「・・・ごめん」

22デッダ「そんな言葉はいらない!!!!返して!!アーナを返せ!!!!」

23クワン「ごめんデッダ。それはできない。アーナは君にとって大切な存在であるように、僕にとっても、この世界にとっても大切なんだ。」

24デッダ「・・・・・ええそうね。知ってるわよ?アーナは・・いつもそうだわ。いつもいつも・・・いつも・・・」

25クワン「だけど、君も必要な存在だ、デッダ。」

26デッダ「・・・は?」

27クワン「どうしてアーナのことばかりいうんだよ。どうして自分のことを話さないの?」

28デッダ「・・・なに・・」

29クワン「デッダ、君の好きなものはなんなの。嫌いなものは?得意なことは?どんな人がタイプなの?」

30デッダ「・・・や・・」

31クワン「君から悪魔たちを作り出したんだろ?なにかを作ることが好きなの?アーナはそういうの苦手そうだよね。君は器用なのかな。口調はにてるね、でも君はアーナみたいにもともと乱暴な方ではなさそう。ってそんなこと言ったらアーナに怒られそうだけどね。双子って好きなタイプとか似るっていうけど、実際のところどうなんだろうね?」

32デッダ「・・・やめろ」

33クワン「ねえ、話して?独りぼっちって言ってたけど、そんなことないよ。僕が君の話を聞く。ね、だから話して?僕のこともいっぱい話すからさ。最初は慣れないかもしれないし、緊張もするかもしれないけど、ゆっくりでいいよ、一緒に頑張ろうよ」

34デッダ「・・・・・・・」

35クワン「うん?」

36デッダ「なぜおまえはそうなんだ。」

37クワン「・・・・」

38デッダ「頑張ろうですって・・?そんなこととっくにやったわよ。頑張って頑張って、憎むことをやめようとしたけどできなかった。醜い姿は変わらない・・なにも・・・変わらないのよ・・。」

39クワン「そんなことないよ。君は僕を君の中に受け入れてくれた。少しでも僕の話を聞いて、君の話をしてくれた。それって、・・・さっきとは違ってる。」

40デッダ「・・・・・はっ」

41クワン「ん?」

42デッダ「アーナと双子なのが少しいやになったわ」

43クワン「え?」

44デッダ「鍵はあけたわ。でていきなさい。私には時間がないみたいだし」

45クワン「でていけって・・」

46デッダ「あんたはわたしとは違う。独りぼっちではないもの。気が合わないわね。」

47クワン「待ってそれってどういう意味・・」

48バオール「デッダ様。」

49デッダ「お前・・・」

50クワン「バオール・・・」

51バオール「あなたも・・・一人では。」

52デッダ「・・・・ふっ。」

53クワン「・・・・・」

54デッダ「クワンジュ」

55クワン「え、名前・・・」

56デッダ「・・・アーナをよろしくね。」

57クワン「うん・・」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ