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クワンジュと魔法の鍵 台本  作者: A20
第五章「決戦」
41/47

41「目的と思い」

01クワン「アーナが目的・・・?」

02ドラク「お前…ふざけたこというな!!!」

03デッダ「ふざけてなんかないわ。双子は一緒にいるのが当然でしょ?」

04クワン「誰と・・誰が・・双子だって・・?」

05デッダ「私とここにいるアーナがよ」

06アーナ「いい加減にして!!!!!私はもともと一人っこだわ!!あんたがさっき傷つけた・・っ、あの人の・・たった一人の子供よ・・!!!」

07デッダ「アーナぁ・・・まだ思い出さないの・・?まあそうよね・・人間、楽しかった思い出だけ懐かしんで、悲しい思い出なんてすぐに忘れようとするもの。」

08アーナ「一体…何の話なの…」

09デッダ「私は不思議で仕方なかったのよアーナ…。どうしてあなた、お母さんを恨まなかったの?」

10アーナ「わたしのお母さんはアンタが殺したんでしょうがッ!!!はっきり言いなさいよクソ野郎!!わたしが憎んでいるのはアンタだけよ!!」

11デッダ「実の姉に向かってひどい言い様ねアーナ…あんたのここでの親なんて知ったことではないわ!地上界にいた時…出産前に私達双子を殺した母親のことよ!!」

12ロイ「…それって…」

13デッダ「私達は一人の女のお腹の中で精一杯生きようとしてた。私は暗いところにいても怖くも寂しくもなかったわ。私には可愛い可愛いアーナが側にいたんだもの。」

14ペイン「............」

15デッダ「だけどあの女…!!!私達を出産することをやめたの…!!私もアーナもあの女に殺された!!私は母親を憎みながら死んでいったわ!だからトゥルハンスで生まれ変わった時私は悪魔になった。それでも私は良かったわ。だけど愛しいアーナの姿がどこにもないじゃない!!必死になって探したわ…そうしたら。」

16アーナ「…っ!」

17デッダ「水の使いに選ばれていたなんて知らなかったわあ?未完成のまま死んだから鍵をそのままトゥルハンスに持ってきちゃってたのねえ。いろんな人に囲まれて幸せそうに生まれてきて…そんなのってないわあアーナ、私はこんなに苦しんでいるのに。だから私決めたのよ。アーナの目の前で、アーナの周りにいる奴らを殺していくの。悲しみで壊れたアーナはきっと私にべったりよ!きゃはははっ!!なんて…なんて楽しいのかしら!!アーナは私のものよ!!」

18グア「狂ってる。…だけど…」

19ローラ「…妹思いの素敵なお姉さんだったんですね…」

20クワン「デッダ…」

21デッダ「やめてよ!!同情が一番嫌いなの!!そんな顔すんじゃないわよ!!」

22クワン「許されるわけない…何人もの命を奪っている悪魔だ…だけど…どうにか…ならないのか?」

23アーナ「クワン…」

24デッダ「ハァ?!どうにかならないか、ですって?!何甘ったるいこと言ってるの?!いまから殺し合いを始めるの!私の目的は変わらないわ!さあ醜い悪魔たち!!アーナに地獄を見せてあげてよ!!あーはっはっはっ!!」

25ロイ「やるしかないみたいだね…」

26ペイン「当たり前だ。やつに言葉は効かない。」

27グア「やらなきゃやられるってことか。…仕方ないよ、クワン」

28クワン「………」

29ドラク「とにかく今はこのバロール共をなんとかせんと!!よっしゃああ頼むで大龍雷剣!!ドラークスペシャルサンダああ!!」

30グア「そうだ、な!!考えてる暇はない!!」

31ローラ「私の作る竜巻には触れないように気を付けて下さいっ!!」

32ロイ「ぐっ…、さて、と。この身体、どれくらいもつかなっ!!」

33ペイン「要は全部殺しゃあいいんだろ。簡単じゃねえか。」

34クワン「……僕には、…何が正しいのかわからない…。デッダ、僕は君のことを完全に悪だとは思いたくないんだ。」

35デッダ「ほんと。嘔吐がでるほどお人好しなのねあんた。さっさと死んで。」

36アーナ「クワン!!!危ない!!!!」

37クワン「あ・・っ!」

38グア「同感だなクワン。本当にお前はお人好しだ。だけど・・・まあ、そういうとこが好きで俺はお前についてきたわけだしな。お前の好きなようにしろクワン。こっちは任せろ。お前のことは俺らが守るしな。って言ってる傍からっ!・・・ったく。この銃にも慣れてきたしよ。」

39ドラク「かーっ、さっすがグア!俺よりちょーっとだけ劣るけどかっこええなあ!あ?ロイのやろー手首からぼたぼた血垂れとるけど大丈夫なんか・・?うおっっと!うらあ!!」

40ローラ「私の癒しの力もロイくんには効かないみたいです・・!!」

41ペイン「あいつの力は一種の呪いだからな。私の幻覚の力も無感情なバロールや若いバオールには効かん。」

42クワン「デッダ。君はアーナのお姉さんなんだろ。アーナの悲しむ顔がみたいわけじゃないはずだ」

43デッダ「あたしに話しかけないでちょうだい?虫唾がはしるわ。あんたの言うことは全て綺麗ごと。人を恨んだことってある?ないわよねえ?ないからそんな目をしてられるのよ。」

44クワン「どういうことだよ・・?」

45デッダ「なにも恐れなんて知らないような、濁りのない目。地上でたいそう大切に育てられて、幸せに暮らしていたんでしょうね?あたし、あんたみたいなやつが一番嫌いでぐちゃぐちゃにしたいの。絶望させて、はい上がれないようにして、そうしてその目を真っ黒に染めたいのよ。」

46アーナ「そんなこと・・・私が絶対にさせない・・っ!!」

47デッダ「あんたに何ができるの?アーナ。お姉ちゃん、よおく分かってるわ?ねえ・・・こいつのことが、好きなんでしょう?」

48アーナ「・・・!」

49デッダ「ああ図星ね!!!!双子だもの!!!あなたのことはすぐにわかっちゃう!このまっすぐで一生懸命な男のことを、あんたは愛しちゃったのよねえ?!」

50クワン「アーナ・・?」

51アーナ「・・・・。そうよ、ええそうよ!!!!私はクワンのことが好きなの!!あんたが嫌いだといった、その目がわたしは好き!!!だから絶対にクワンを傷つけることは許さない・・・!!!」

52デッダ「妹の恋を応援するのが姉の務めかしら?いいえ、違うわ。妹が可愛いのなら手放す必要なんてない。もともとそんな男の存在なんてなかった、そうしちゃえばいいのよ。あんたもいい迷惑でしょうしね?」

53クワン「・・・だ」

54デッダ「あ?」

55クワン「・・僕も。・・・僕も、アーナが好きだ」

56アーナ「・・・・クワン?」

57クワン「強いように見えて実は、強がってるだけのアーナを守りたいって、本気で。仲間だからだと、思ってたんだ。だけど、離れてから痛いほどに知った。僕にはそれ以上の何かがあって、それが、僕を突き動かしてた。」

58アーナ「・・・・っ」

59クワン「好きだ。絶対に助ける。」

60デッダ「ああ。本当に気持ちが悪い。本当に・・・・どいつもこいつも。」




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