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クワンジュと魔法の鍵 台本  作者: A20
第4章「真実と魂と闇」
26/47

26「トゥルハンスの真実」

01クワン「トゥルハンスの・・本当の姿?」

02アーナ「なにどういうこと?トゥルハンスは天と地の境にある世界でしょ?それ以外に何があるってのよ?」

03シガー「サレのやろう・・・本当になにも教えなかったんだな。まあ・・・嬢ちゃんのこともあって言えなかったんだろうな。」

04アーナ「サレ・・・?サレバルト・・?彼と知り合いなの・・?」

05シガー「知り合いもなにも、共に戦った仲間だ。」

06グア「サレ・・バルトってのは誰のことだクワン?」

07クワン「セーシェル・トゥア・サレバルト。アーナと一緒に暮らしてる魔術師のおじいさんだよ。僕をここにつれてきたのもサレバルトだ。そのサレバルトが・・・選ばれし若者だった・・?」

08アーナ「そんなはずはないわ・・!だって・・彼はトゥルハンス人で・・魔術師で・・!ドーナっていう奥さんもいたのよ、子供も確か授かったって聞いたし・・」

09アリス「ああ、子供生まれたんだ・・よかった。ドーナは元気?」

10アーナ「・・・子供を産んだ時に亡くなったって聞いたわ。」

11シガー「そうか・・・・・サレもつくづく報われねえやつだな」

12ドラク「なあほんまにもう俺、頭がパンクしちゃいそうやねんけど・・」

13ローラ「そうですね・・私も・・・。もう少し、わかりやすく説明していただけないでしょうか。」

14アリス「・・・・・・パパ。」

15シガー「パパはやめろ。・・・そうだな。俺たちが、悪魔の封印に失敗したことは聞いているか?」

16クワン「うん・・時の使いが失敗したって・・それで、死んだってききました。」

17シガー「その時の使いが、・・・・サレバルトだ。」

18アーナ「・・・はっ?まってまって、サレバルトが時の使いで・・死んだ?じゃあなに、私たちが喋ってたサレバルトは幽霊だとでもいうわけ?ふざけな・・」

19シガー「そうだ。」

20クワン「・・・ちょっと・・・本当に言っている意味が分からないんだけど・・・」

21アリス「まあ幽霊といってもちゃんと実体はあるけどね。それにサレだけじゃない。・・・俺たちも・・・いや、トゥルハンス人は皆・・・・・死んでるんだ。」

22アーナ「・・・・は・・いや・・・まって・・・トゥルハンス人は・・死んでるって・・?」

23ドラク「おい・・・確か・・アーナお前・・・そんな・・っそんなわけあるか!!!!だって!こいつ・・!こんなにピンピンして・・!」

24シガー「すべて説明しよう。サレが封印を失敗して死んだあと、俺たちは地上に戻った。そして、俺は交通事故でそれから間もなく、アリスは少し歳をとってからガンで死んだ。そして・・・ここ、トゥルハンスで、生まれたんだ。偶然にもアリスが生まれた場所が俺のところでね。おかげで今はアリスのパパだ。」

25グア「生まれた・・・・?」

26アリス「トゥルハンスは天の地の境の世界。つまり、生きている者には普通来られない世界だ。トゥルハンスの本当の顔は、天へと導く階段の役割を果たす世界。そこに住むトゥルハンス人は、地上人だった者の魂だ。簡単に言えば・・・・死者の魂なんだよ。」

27アーナ「・・・・・・は・・っ・・」

28シガー「地上人が人間界で死んだ場合は、俺たちのようにトゥルハンス人として生まれ、第二の人生を歩むことになる。そして、サレのように地上人がトゥルハンスで死んだ場合は、歳はそのままで、その場でトゥルハンス人として生まれ変わるんだ。だからサレバルトは生まれなおした俺たちよりもずっと歳をとっている。」

29グア「まて、でも俺の妹は生き返らなかったぞ?!」

30アリス「妹、暗黒術で殺されたんじゃない?暗黒術の場合は生き返らないんだ。」

31グア「・・・・・・」

32シガー「トゥルハンス人、つまり死者が第二の人生を終えてトゥルハンスで死んだ場合、その魂は天へと上り、すべての記憶が消されて人間界に送られる。これでサイクルが成り立つんだ。これが、トゥルハンスの真実だよ。」

33アーナ「うそ・・・・うそよ・・・・私・・・死んでるってこと・・・?」

34クワン「・・・アーナ・・・」

35ドラク「い、いやまだや!まだ疑問はある!さっきアリスが水の力使ってたんはなんでや?!生まれ変わったんやったらなんでお前らは選ばれし若者やったことを覚えてんのや?!」

36シガー「使いだったものの記憶は5歳になるとよみがえるんだ。俺の時もそうだったし、アリスの時もそうだった。そして、記憶が戻ってそこから一年間だけ、その衝動でかはわからないが力も使えるようになる。だからアリスは力を使えるが、俺はもう使えないんだ。」

37クワン「そんな・・・・急に一度に言われても・・・・受け入れられないよ・・・だって・・」

38サレ「それはわしの責任じゃ。」

39アーナ「・・・サレバルト・・・・」

40サレ「悪かった、アーナ。わしは臆病じゃった。お前に本当のことを話して、傷つけることを恐れたのじゃ。この臆病さのせいで、自身の命を失うことにもなったのにのう。」

41ローラ「あの方が・・元、時の使い・・・。あら、その隣にいらっしゃるのは・・?」

42サレ「この子はフローラ・チュコ・ピッツ。選ばれし魂の使いだった子じゃ。トゥルハンスで生まれて魔術師になり、密かにわしの弟子をしておる。生前の傷で言葉は話せないがテレパシーを使うことができるんじゃ。」

43ピッツ「よろしくお願いするわ、現選ばれし若者くんたち。随分と落ち込んでいるようだけど」

44ドラク「当たり前やないか・・!」

45ピッツ「そう?このトゥルハンスの真実を知ったところで、貴方たち自身が変わるのかしら?仲間が本当は死んでいた?だからどうなの?私だって死んでるわ?でも触れることはできるし話すこともできる。私なんて声も失っているけどこの通りだわ。私は私。貴方たちもそうじゃなくて?」

46クワン「そうだね・・・・・アーナはアーナだし。僕も僕だ。今までと、何も変わらない。」

47アーナ「クワン・・・・」

48クワン「そうだろ?アーナ」

49アーナ「・・・・・そうね。」

50サレ「アーナ・・わしは・・・」

51アーナ「サレバルト、私あなたを恨んだりなんてしてない。だって育ての親だもの。大好きよ。ちゃんと、自分の役目、果たしてくるから。」

52クワン「サレバルト、僕も、自分の役目、果たしてきます。」

53サレ「クワンジュ・・・」

54クワン「同じ、時の使いとして・・・僕はあなたを尊敬するよ、サレバルト。」

55サレ「・・・・・・っ」

56グア「じゃあ、そろそろ行こう。魂と闇の使いを見つけないとな。」

57ローラ「確か、モロ村とシゾラ教会ですよね?」

58アリス「シゾラ教会!ドーナの教会だ!」

59クワン「ドーナってさっき言ってたサレバルトの奥さん・・?」

60シガー「彼女はシスターでな、その教会の建設者でもある。ガラスを扱うのが得意で、シゾラ教会も全てガラスでできているんだ。」

61ピッツ「でもここからだとモロ村のほうが近いわ。自分でいうのもなんだけど、魂と闇の使いには本当に気をつけることね。」

62ドラク「ほんならとりあえず、闇の使いに会ったっちゅうガキ見つけなな。」

63クワン「そうだね、いそごう。」



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