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クワンジュと魔法の鍵 台本  作者: A20
第3章「神々と力」
21/47

21「時の神トッティ」

01ナキリ「神の数はあと3人だ。だが、わしが案内できるのはここまでなのだ。」

02クワン「どういうことですか、ナキリさん」

03ナキリ「残りの三人、時と魂と闇の神は、かなり特殊な場所にいる。そこには使いとその神しか立ち入ることを許されないのだよ。」

04クワン「そうなんですか・・・」

05ナキリ「そんな不安そうな顔をするでないよ。大丈夫だ、三人の話を聞いたらまた会える。そうしたらコーヒーでもご馳走しよう。この小屋に時の神がいる。ではしばしの別れだ。」


06アーナ「時の神がいるっていってたわよね?」

07グア「ああ確かにいってたな・・・」

08ローラ「ええ・・私も聞きました。けど・・いらっしゃいませんね・・?」

09クワン「あるのは暖炉とロッキングチェアだけだね?一体どこに・・・」

10トッティ「よく来たね」

11クワン「うわああ!いつのまにロッキングチェアに?!さっきまでいなかったのに・・!え、えっと・・君が時の神トッティ?」

12トッティ「そう。ここまでは随分と遠かっただろう。少し疲れも感じられる。君が今回の時の使いだね。前の使いとよく似ている。」

13ドラク「似てるって・・・顔みれへんやろ。だってお前・・」

14トッティ「そう、僕は目が見えない。だけど感じることに必要なものではない。長くはここにいられないようだから要件だけ話そう。時の使いのことだよ。」

15クワン「僕の・・・」

16トッティ「君は知りたがっていたね?誰の命を犠牲にして悪魔を封印するのか。君の傷とはなにか。」

17グア「時の神様はなんでもお見通しなのか」

18クワン「うん、知りたいよ・・。そんな酷い話、ないじゃないか。世界を救う為とはいえ、人の命を差し出すなんて・・誰がそんなことするっていうんだよ?」

19トッティ「君の言っていることはわかる。けれど、・・・・選ぶのは君だよ、クワンジュ。」

20クワン「え?」

21トッティ「君が、誰の命を犠牲にするのか、決めるんだ。それが君の傷だよ。」

22クワン「そ・・・そんな・・僕が・・?」

23アーナ「クワン・・・」

24グア「・・・・」

25ローラ「・・・っ・・」

26ドラク「クワン・・・」

27トッティ「君の力は、僕がなにかをあげるだとか、触れて授けるだとかそういうものじゃない。僕と出会って、この傷を知ることで、自分自身で目覚めさせる思いの力だ。時を操ることができる。けれど、その分リスクもある。7人の使いの中で、力を持ってしても、最も戦闘能力が低く、役に立たない。」

28クワン「・・・・・・っ・・」

29トッティ「力が目覚めないこともある。そうなれば、100分の1でも役にたてたはずがその1も使えずに終わる。仲間の足を引っ張って。それなのに、誰かの命を犠牲にして。世界を救ったヒーロー扱いされるんだ。」

30アーナ「ちょっとあんた?!さっきから一体何なの?!クワンに・・・クワンに謝れ!!酷いことばかり言って・・!!!ふざけないでよ!!!」

31トッティ「ふざけていたつもりはないし、本当のことを言っただけだよ。時の使いには皆、同じことを伝えた。」

32アーナ「だからって・・!!!!」

33クワン「ねえ、」

34トッティ「なに?クワンジュ」

35クワン「僕の・・・前の、時の使いは・・・」

36トッティ「・・うん」

37クワン「・・・結局、選べなかったってことなの・・・?」

38トッティ「いや」

39クワン「・・・え?選んだの?それなのに・・今・・」

40トッティ「失敗したんだ。彼は。自分の命を差し出そうとして。失敗した。」

41クワン「それで・・・・どうなったの。」

42トッティ「・・・・彼は、・・死んだよ。」

43クワン「・・・・・っ・・」

44トッティ「君の前の時の使いは、彼自身の命を犠牲にして封印しようとした。だけど失敗して、死んで、悪魔は今の時間にとんだ。」

45クワン「・・・そん・・な・・」

46トッティ「さあ、時の使いの話は終わりだよ。魂と闇の神がいる場所に君たちをとばすね。」

47クワン「ちょっとま・・・っ!!!!・・・あれ?僕だけなんで残って・・・」

48トッティ「君にだけ、少し、話しておきたくてね。」

49クワン「うん・・」

50トッティ「悪魔を封印しなくていい。」

51クワン「え?・・」

52トッティ「君が壊れてしまうなら、その選択をしなくていい。この選択をしたほうが絶対にいいとか、その方が皆は幸せだとか、そういうものは確かに存在する。だけど、その選択をすることで、君が君でなくなってしまうなら、その正解であるはずの選択は間違いだよ。」

53クワン「・・・・」

54トッティ「いいかい。君はさっきも伝えた通り、力はない。だけど、そうじゃないものを持っているから、力が必要ないんだ。そして、その、そうじゃないものを誰かのために、本当に最大限に使うとき、力が必要になるから目覚める。それは、君が君じゃなければ、絶対に使えないんだ。」

55クワン「・・・わかるよ。」

56トッティ「君には生きてほしいんだ。・・・彼が・・・死んでしまって、僕は本当に・・」



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