20「雷の神レティ」
01ドラク「なーなー!次俺の神さまってほんまー?」
02ナキリ「はは!ほんまじゃよー、次は雷の神レティだ。」
03クワン「はは、ナキリさん話し方うつってますよ」
04ナキリ「この訛りはどうにもうつりやすいようじゃの。それにこの明るさはつい笑顔になってしまう」
05グア「確かにドラクは明るいな、元気もらえるよ」
06ドラク「な、なんやねん!褒めてもなんもでーへんぞ!」
07アーナ「ま、確かにうるさいだけじゃないわよね。」
08ドラク「なっ、どーいういみや!!」
09ローラ「心の傷のほうはドラクくんのほうが上手に癒せるかもしれませんね?ふふっ」
10ドラク「ええいやめろやめろ!!俺はそんなキャラちゃうぞ!!ってなんやこの岩」
11ナキリ「この岩がレティの岩じゃよ。さあ、レティの名前を呼ぶのだ。」
12ドラク「ええ俺が呼ぶんー?まあええけど・・・レティー」
13クワン「わっ岩に雷が落ちた!!!!」
14アーナ「び、びっくりした・・・・」
15クワン「なに腰ぬかしてるんだよアーナ、大丈夫?」
16アーナ「だ、大丈夫・・・」
17ローラ「みてください、岩が真っ二つになってます・・!」
18レティ「なんやのさっきのは。もっとはきはき名前よばんかい!」
19クワン「わあ、聞き覚えのある訛り。想像はつくけどあの割れた岩の間にいる女の子が・・」
20ナキリ「そう、あれが雷の神、レティだ。」
21ドラク「ええっあの孫悟空みたいな登場の仕方したあいつが?!」
22レティ「孫悟空やと?!この失礼なやつ!!せめて孫ちゃんといえ無礼ものめ!!」
23ナキリ「それでよいのかレティよ」
24クワン「ついにナキリさんまでツッコミをいれるように・・」
25レティ「お前がセストン・ダル・ドラクやなあ?うんうんすぐにわかったで!一番ダルそうな顔してんもんなあ?」
26ドラク「おまっ、それのほうが失礼ちゃうんか!謝れ!この俺様に謝らんかい!」
27レティ「なんでお前に謝らなあかんねんお前こそ謝れ!」
28ドラク「なんやとこの・・!」
27アーナ「どっちもどっちださっさと謝れ!!!」
28ドラク「ご、ごめんなさい」
29レティ「うちもごめんなさい」
30クワン「意外と子供の扱い得意そうだよねアーナ、・・怖いけど」
31アーナ「うるさいあんたも一発殴るわよ」
32クワン「褒めたのに?!」
33ドラク「ほんで、俺には何くれんの孫ちゃん」
34レティ「ドラちゃんには剣あげるよ、大龍雷剣ってやつ」
35ドラク「大龍雷剣?!かっけえ!!あんがと孫ちゃん!!」
36レティ「雷をまとってる大剣でな!使い方には気ぃつけんと感電してまうからな!死んだらいややでドラちゃん!」
37クワン「いきなり仲良くなったな、戦友といったところかな。」
38アーナ「ちょっと何相手に戦ったって?わたし?私って言いたいの?ん?」
39クワン「そ、そんなことは一言も、ね、グア?」
40グア「あの剣かっこいいなあ、ね、ローラ」
41ローラ「そうですね、布で巻かれているのは雷を制御するためでしょうか。」
42クワン「え、無視?」
43レティ「ほんならドラちゃん。ドラちゃんが力を欲しがる理由はなんやの?」
44ドラク「俺はなあ!・・・・俺は、大切な人を守りたかった。無理に明るく振る舞ってるわけやないけど、あの日の傷は消えへん。もう二度と、あんな思いはしたくないし、誰かにさせたくもない。やから、俺は強くなりたい。力が欲しい。」
45レティ「そうか。うん、わかってたで、ドラちゃんはええこや。聴くのがルールなだけで、使いは皆授かる権利がもとからあるんよ。」
46アーナ「え、そうなの?」
47レティ「そう。力はな、守るためでなくてはならないんや。優しい人でないと使ったらあかんのや。そうでないと傷つけるものになってしまう。特別優しい人は皆、なにかしら心の傷を受けてることが多い。使いになる者、地上からトゥルハンスに来る特別な存在は、ここに来る前か、もしくはここに来てから、傷を受けてる者って決まってるのや。やから、使いは皆力を授かる権利があるんよ。」
48グア「じゃあ・・・俺の妹が死んだのは・・」
49レティ「決してお前が使いに選ばれたから妹が死んだわけやない。傷を受けるためにそういう運命やったわけやない。悪いんは、悪魔と、対処できひんかったうちらや。自分を責めるんはやめろ炎の使い。」
50クワン「そっかだから僕、サレバルトに事故に合わされたのか・・・」
51レティ「それは違うで時の使い。」
52クワン「え?」
53レティ「それはただお前と話をするためのもので、お前の傷はこれからや。」
54クワン「これから・・?」
55アーナ「クワンジュ・・」
56レティ「それについては次の神が教えてくれる。行くんや、時間ももうない。」




