12「雷の使い」
01グア「そんなことが・・・・」
02ローラ「怖かったでしょうクワンさん・・・大丈夫ですか?」
03クワン「今は、ね。さっきはほんとに怖かったよ。本気で殺されると思った。自分でもよくあんなことがとっさに言えたなと思うよ。」
04アーナ「・・・・・」
05クワン「・・・・?どうしたのアーナ?」
06アーナ「べ、別になんでもないわよ」
07クワン「そう?ならいいんだけど」
08ローラ「とにかくクワンさんが生きててくれて良かったです・・。ですが、次もうまくいくとは限りませんから。はやく雷の使いを見つけましょう。」
09アルティ「そう、それなんだけどよ。俺が倒れてたところから見えたんだが、あそこに・・・」
10グマ「皆さん!ここに地下に続く階段があります!行ってみましょう!!」
10.2アルティ「・・・・・ほんと勘いいなお前」
11アーナ「なんかここもさらに暗いわね・・・。」
12アルティ「・・・・ここの階段を下りるたびに悪魔の匂いが強くなってるんだよな・・。」
13グア「ってことはあのバオールが?」
14グマ「いや、それにしては匂いが弱い。恐らくはこの城の中で最もバオールが訪れていたであろう場所でしょうね。」
15ローラ「皆さん見てください!あそこの壁に誰かいます・・!!」
16クワン「ひどい・・・傷だらけだ・・・鎖で柱に縛り付けられてる・・」
17グア「12歳くらいだな・・・まだ子供じゃないか。」
18アーナ「こいつ・・・生きてんのかしら・・・」
19ドラク「生きてんで、この通り」
20クワン「うわあっ」
21アーナ「ひいっ」
22ドラク「ひっどい反応やなあ、俺は化けもんか」
23クワン「そ、そんなわけないだろ!!」
24ドラク「そんな本気にすんなや、で、あんたら誰?」
25グア「俺たちは使いだ。選ばれし若者。動くなよ、今鎖を外すから。」
26ドラク「ああ!はは!あんたらがねえ!」
27ローラ「あなたは・・?どうしてここにいるんですか?しかもこんな姿で・・・」
28ドラク「へえ。あんたみたいなべっぴんもおんねんな。んああ、肩こった!おおきにな!俺はセストン・ダル・ドラク。あんたらが捜してる超イケメンでつよおい雷の使いっちゅーのは俺のことや。よろしゅーなあ」
29アーナ「こんな子供が?!」
30ドラク「おいおい、子供扱いすんなよ?何十匹のバロールと毎晩戦ったとったんや。多分あんたらよりよっぽど使えるやろうな?」
31グマ「それでこんなに悪魔の匂いがついているんですね・・」
32クワン「いや、毎晩戦ったって・・どうやって・・!」
33ドラク「そりゃ殴ったり蹴ったり・・・運動神経はええ方やねん。まああのくそバオールは見てるだけやったけどな。一発殴ってやりたかったわ。俺の家族殺しやがって。」
34アーナ「え、あんたもトゥルハンス人?!殺されたって・・・」
35ドラク「あんたもって、あんたトゥルハンス人なんか。いやあ俺もそうやと思っとったんやけどなあ、物心ついたときにはこの城におったし。けどどうもちゃうかったみたいでな、家族や思っとった人は捨てられてた俺を育ててくれた恩人。で、その人らを殺した悪魔に捕らわれた可哀想な俺。その俺とバロールを戦わせて、賭けをして遊んでたバオール。ま、そーゆーこっちゃな。」
36アルティ「・・・・その割には随分と明るいな。」
37ドラク「クヨクヨしとってもなんも変わらんしなあ。バオールから俺が使いやって聞いて目が覚めたんや。選ばれてるんやったらこの手で終わらせたる。ってわけで、さっさと次行こかー!」
38アーナ「なんか変なのが仲間になったわね・・・」
39グア「はは!いいじゃねーか楽しくて」
40ローラ「でもこの傷のまま次の使いを捜すのは私は反対です・・・」
41ドラク「ええ?!俺行けるって!ピンピンしてるってえ!」
42ローラ「ダメです!!」
43ドラク「いーやーやあ!いーけーるー!」
44ローラ「お姉ちゃんのいうことを聞きなさい!」
45ドラク「おっ・・・ねえちゃん・・・・、・・はい。」
46クワン「おお、手懐けた。」
47ローラ「ハンプトンさんのところに行きましょう。私の癒しの力は完全ではありませんから。彼ならきっと治してくれます。」
48アルティ「じゃあ今度は俺がお前らを乗せよう。さあここ・・・」
49グマ「ここから出ましょう。少し城が揺れています。もしかすると崩れるかも・・」
50アルティ「ほんと勘いいし、いいとこもってくよなお前」




