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犠牲の許容

 雄平たちは警察署内の談話室に集まっていた。談話室には大きめのソファがいくつかあり、寝台替わりとして使えそうだった。


「さて寝る前にまず方針を決めようか」

「可憐殿か花原殿を差し出すかどうかでありますな」


 前者はないと思うでありますがと、安藤は苦笑を浮かべながら続ける。


「あの男の人って強いんだよね?」


 高木が嘲笑を浮かべて訊ねる。


「ああ、間違いなく強いな」

「だったら仲間にしちゃおうよ。ブス一人で戦力が増えるんだよ。ありあり」

「高木を要求されていたら俺は間違いなく差し出していただろうな」

「違いないであります」


 雄平と安藤はウンウンと頷く。


「それに花原としてもラッキーじゃん。あんたブスだし、一生処女だよ。これが一発やってもらう最後のチャンスだって!」

「う、うぅ……」


 花原は泣きそうな表情を浮かべる。良く見ると手が小刻みに震えていた。


「わ、私は初めては好きな人と……」

「はははっ、チョー受ける。ブスのロマンチストって誰得なのよ」


 高木は腹を抱えて笑い出す。木崎も口にしていたが、下品という言葉が服を着て歩いているような奴だった。


「話が盛り上がっているところ悪いが、俺は花原を差し出す気はない」

「雄平さん……」

「花原は使える奴だ。それに可憐以外だとこの中のメンバーで一番信頼できる。だから渡すわけにはいかない」

「ならあの男をどうするの?」

「殺す。確実に殺す」


 雄平は断言するように強い言葉でそう宣言する。


「逃げることはできないの、ゆうちゃん」


 可憐が訊ねる。だが雄平の中で逃げるという選択はない。


「もし逃げて見つかった場合、俺たちは間違いなく全員殺される」


 敵は視界に入っただけで殺せるのだ。こちらが抵抗する暇さえ与えないだろう。


「だから今後のためにも殺しておく。お前たちは明日の七時になってもここで眠っていろ。起きた時にはすべてを終わらせておいてやる」

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