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第92話 晩秋の楽しみですね

お久しぶりです。PC立ち上げて作業する気力がなく、気がつけば三ヶ月近く時が過ぎ去っていました……。


iPadとBluetoothキーボードで直接書いて見ました。

その分、改行やスペースがうまいこと行っていないので、読み辛い部分があるかもしれませんがご容赦ください。


復活して一発目がビールの話とかもうねw


<第92話>


やあ、オレの名前はANDREW!

秋でもビールが美味いほう、アンドリューです!


夏の一杯も美味いが、秋の夜長に洒落たグラスでビールってのもオツなもんだ。

ついでにザンギだったりサンマだったり、美味いツマミがあれば文句無しだ。


一年中同じこと言うんだろうって?

そうだな。それが真理だからな!!







「いやあ、随分寒さが厳しくなってきたもんだねえ」


コンビニの袋を手に下げたオレは、そういってひとりごちた。


十勝の11月と言えば、イメージ的には秋というよりは冬だ。

すでに初雪も観測され、朝の気温は氷点下になり、風は身を切るような冷たさである。


慌ててタイヤをスタッドレスに交換するわけだが、しばらく年内は道路に雪はない状態が続くのだ。

スタッドレスタイヤが勿体無いが、不意の氷路面に対応したり峠を越えるには仕方が無いと割り切らなくてはならないのもまた事実。


え、オレ?


ぶっちゃけまだ交換してません。


「ちぃーっす」


カランカランとカウベルの音を鳴らしながらドアを開ける。


「いらっしゃーい……ってトラさんか」

「おうおう、ご挨拶だねえ」


もちろんここはアンバーだ。

喫茶店に入るのにコンビニ袋下げてってのもどうかとは思うがこの季節ばかりは仕方ない。


「オレだって普段ならこんなこたぁしねえよ。だけど、11月だろう?」

「11月だからなんだっての?」

「察しが悪いぜ、サキさんよ。この時期に美味い飲み物があんだろ」

「この寒くなってきた時期に美味いって……ああ、そうか。もうそんな季節なのね」


ピンときたようで、納得のいった顔をするサキ。


「他に客のいないこの時間ならいいだろ」


そう言ってオレは、コンビニ袋の中から缶を取り出す。


「季節限定〜」


オレが取り出したのは、某大手飲料メーカーの季節限定、ホップ産地限定のビールだ。


「クラシックもいいけど、この時期はこれが恋しくなるわよね。なんせ私たち、妖怪だし」

「わかるもんかい?」

「いいえ?」

「なんだよ……」

「でもほら、私たちにとってこの名前はやっぱり特別じゃない」

「そりゃそうだろうなあ」


東北は岩手県の内陸部に位置する、ある都市の名前が缶には記されている。


「遠野って字面自体も、なんだか神秘的な感じがしない?」

「遠き野か。確かになあ」

「トオヌップって呼ばれてたっていうところも、北海道とのつながりを感じちゃうわね、私たちからしてみればね」


なんでも「トオノ」の語源はアイヌ語の「湖のある丘陵」「湖の底」「沼」というような意味のある「トオヌップ」なんだそうだ。

岩手の山の中にアイヌ語ってのも不思議な話だよなあ。


でも、日本中を探すと、アイヌ語が語源であるような地名は結構あるんだそうだ。

諸説あるけどな。


「妖怪的には、なんだか郷愁めいたものを感じちゃうのよねえ」

「そんなもんかねえ」

「トラちゃんは妖怪っていうには経路が違うからね。妖怪みたいなもんなのに」

「一緒にすんな」


オレは大魔術師だ。

断じて妖怪ではない。


別に妖怪ディスってるわけじゃねえから誤解すんなよ。


「ま、とりあえず飲もうや。今年初だ」

「そうね」


プルタブを引くと、プシュッと小気味いい音を立てて開く。


「いただきまーす」


ゴクゴクと一気に喉をビールが滑り落ちて行く。


「いやあ、美味えなあ」

「ホントね。ビールが一年中美味い飲み物だってのは真理ね」


全くだ。


「この遠野ってのは、一体どんなところなんだろうなあ」

「行ったことないの?」

「当たり前だろ。食べ歩きの旅しかしてねえぞ、こっち来てから」


よく考えたらそうだった。

もう少し日本全国津々浦々回ってみてもいいような気がしてきた。


「いいところだと思うわよ。なんていうのかしら、日本の原風景というか。少なくとも北海道十勝とは全く違う景色が見られるのは間違いないわね」

「へえ」


少し遠い目をして言うサキ。

なんだか少し興味が湧いてきたぞ。


「なんか美味いもんがあるんかな」

「そりゃあ名物くらいあるでしょうよ。確か、どぶろく特区とかで、色んなところでどぶろく飲ませてくれるらしいわよ?」

「そ れ だ !」


どぶろくか。そいつは興味ありありだな!


「妖怪ってのも気になるし、ちょっとソラをそそのかして行ってみるか……」

「本気? それならお土産買ってきてよね。とりあえずどぶろくとかどぶろくとか」

「結局酒じゃねえか」

「そりゃあもう」


ニヤリと笑うサキ。いい性格してるぜ。


「そうと決まれば善は急げだ」

「すぐ行くの?」

「いや。まずは情報収集だな。とりあえずるるぶ東北とか買うか」

「インターネットでいいんじゃないの?」

「いやいや、こういうのは様式美ってもんでしょうよ」

「はいはい。お好きにどうぞ」


そりゃあもう、お好きにしますよ。


しかし、この時期から東北ってのもどうなのよと思わないでもない。

しかし、オレにはそんなこと関係ない。




なぜなら大魔術師だからだ。




お読みいただきありがとうございます。

良ければ感想や評価、ランキングリンク踏みなどして頂けるととてつもなく嬉しいです*・゜゜・*:.。..。.:*・'(*゜▽゜*)'・*:.。. .。.:*・゜゜・*


ちなみに作者は某地方都市の出身です。

とても故郷には愛着があります。

とってもいいところですよ(≧∇≦)

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