第7話 語学留学とか魔法あったら楽そうだよね
今日はお休みでした。
いい天気でしたが、暑かった・・・。
<第7話>
やあ、オレの名前はANDREW!
アンドリューだぜ!
いやあ、昨日はひどい目に遭ったぜ・・・。
なんていうか、この世界の猫ってのはみんなあんな目に遭わされているのか。
よく反乱を起こさないな。
普段の生活を考えれば、あれぐらいの辱めに耐えられる・・・ということなのかもしれないけどさ。
元が人間のオレにはきっついわ~orz
「トラ、今日は一日安静にしててね。予防接種のあとなんだからね」
「にゃあ~」
ソラがそういうなら大人しくしとくか・・・。
大人しくしていて、なおかつ今のオレに出来ることといえば、「言語の習得」だ。
会話を成立させるには魔法を使えばいい。
文字を読むにも魔法を使えばいい。
しかし、今のオレには無駄遣いするほどのMPの余裕はない。
生活するために翻訳魔法だけは欠かさないようにしているんだけどな。自然回復する速度がちょっとアップしたからそれほど負担じゃなくなったけど、やはり、言葉くらいは自力で読み書き会話できるようにならないと!!
早くレベルアップして、前世の一割でいいから取り戻さないと・・・。
というわけで、魔法を併用しての文字の練習を始めることにする。
「ふむふむ。まずは片仮名、平仮名という表音文字があり、漢字という表意文字があると・・・。何て面倒くさいんだ、この国の言葉は・・・」
一時的にステータスを少アップさせる魔法を使いながら、効率よく学習していく。
なに、言語スキルをマスターするためのコツは前世で十分掴んでるからな!
天才魔術師なめんなよ!
昼飯に呼ばれた以外はひたすら勉強だ。
オレは別に勉強は嫌いじゃないぜ。
新しい知識やスキルを習得していくのは麻薬にも似た快感があるとオレは思ってる。
「その感覚は理解できんよ」
と前世では何度も言われたもんだが、楽しくないか、勉強?
「ただいま~」
おっと、ソラが帰ってきた。
ソラは何でも「調理師専門学校」というところに通っているらしい。会話の端々から推測するに、料理人を育成するための学校のようだ。
なんで貴族の娘ともあろうものが料理人なんぞ・・・と思ったものだが、どうやら花嫁修業の一環らしい。
なるほど。
男を捕まえるにはまず胃袋から、というのはどの世界でも一緒なんだな。
美味い飯を作ってくれる嫁さんなら、大歓迎に決まってる。
貴族なんだから専属料理人を雇えばいいじゃないかと思うこともあるが、やっぱり手料理ってのにはまた別の味わいがあるんだよな、うん。
おっと、とりあえずお出迎えしてやるとするか。
「にゃあ~」
「トラ~、ただいま~」
ひょいと抱き上げられてすりすりなでなでされる。
うん、この感覚だけはいいもんだな。
「いい子にしてた?」
「にゃあ」
当たり前だろ。
どこの世界にひたすら異国語の勉強する猫がいるよw
「ふふ。トラはホントに人の言葉が分かってるんじゃないかと思うわ~」
「にゃにゃ~」
だって、分かってるからな!
何にせよ、昨日と違って平和な日だった・・・。
来月またあるのかよ・・・。
お読みいただきありがとうございます。
ちょっと短かったですね。
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