第75話 呪いの麻雀牌 その5
あと3話くらいで終われる・・・はずw
<第75話>
やあ、オレの名前はANDREW!
タンヤオよりチャンタが好きなほう、アンドリューです!
一九字牌に絡む牌のほうが全体の割合としては多いんじゃなかったっけか?
っていうか、漢字が出せないものがあるってのは不便だなあ。
ヤオは閲覧環境によっては出ない可能性があるらしい。
「ツモ。千三百二千六百」
「ほらよ」
東二局。
巳道の爺さんがツモあがった。
これで親は爺さんに移動だ。
今回は東家が親分、南家が辰、西家が爺さんで北家がソラだ。
二回連続北家のラス親とか追い込み馬かっての。
「セコく親流しかよ」
「そんなつもりはねえよ。ヒラっこだからな、流れだ」
洗牌の音がジャラジャラと響く。
「しかし、やっぱり牌を握る感触は格別だなあ」
「そういうものですか?」
「そうよ、嬢ちゃん。何の因果かこんな姿になっちまっちゃあ、打ちたいときに打つってわけにゃあいかなくなっちまった」
肩をすくめる辰。
ソラは相変わらず物怖じしねえなあ。
「望んでこういうことになったわけじゃないんですか?」
「おいおい、ただの麻雀打ちだったオレがそんなたいそうな力を持ってる訳はないだろうが。気がついたらこれだよ」
そうなのか。
てっきりコイツが、何か深い恨みでも抱いて死んじまって・・・とかバックボーンがあるのかと思ってたんだが。
「え、何か非業の死を迎えられたとかそういうことでは?」
「いやいや、裏の勝負を勝った後に、それとは別の鉄砲玉に撃ち殺されただけだぜ」
「十分非業の死に相応しいと思いますけど?」
「代打ちしてりゃああることだ。仕方ねえよ」
小さく笑う辰。
「もっと麻雀打ちてえなあとは思ったし、セコい真似しないで麻雀で勝負しろよとは思ったけどなあ」
「それです」
それだな。
何て言うか、要するに麻雀中毒者なわけだ、コイツは。
麻雀以外のことで殺されたのが許せないってわけだ。
「なあに、それも今日までよ」
「ああん?」
「この巳道がお前に引導を渡してやるよ」
「それならそれで構わねえよ。やれるもんならやってみな」
不敵に笑う二人。
「あ、すみません。それロンです」
「「あ?」」
ソラの台詞に二人の声が重なる。
「満貫です、親分さん」
「ワシから上がらんでもいいんじゃねえか!?」
「出ちゃったので」
おい、ソラ。
あんまりにも流れぶった切り過ぎじゃねえのかよ・・・。
結局半荘二回目は親分さんの一人沈みで終了。
依然トップはソラ。
「やるなあ、嬢ちゃん」
「いえいえ、運だけですよ」
「運持ってるヤツが勝つんだよ。技術は負けねえためのワザだ。勝つのはツイてるやつなんだよなあ、昔から」
「技術はツキを呼び込む手段だろう、辰」
「人それぞれでいいさ、そのへんはな」
どっちかっていうと、オレは辰の考えに近い。
どんな素人だってツイてるヤツは勝つ。
どんなに経験豊富なヤツだって、ツイてないときは負けるんだ。
技術で埋められるものには限界があるんだと思うぜ、オレはな。
「さ、三回目いこうか」
三回戦が始まった。
「リーチだ!」
親分さんが初のリーチ。
だが、オレは気づいていた。
そのリーチの動きの陰で、辰がすりかえるのを。
「やるねえ、親分さん」
「ワシにもツキが回ってきたかな!」
だけど当然オレはスルー。
だって、オレが打っているわけじゃない。
外野が勝負に口を出すのは野暮ってもんだ。
「一発ツモ・・・はないか」
「おっと悪いね、親分さん」
辰が親分からロン。
「なにぃ!?」
「平和ドラ。ただの二千だよ」
「くそっ、ツモれば跳満なのに!」
「よくある話さ」
鮮やかだ。
巳道の爺さんは気づいているのかな。
親分がリーチ棒を出す右腕を壁にして、あの一瞬で四枚抜きやがった。
「親が流されちゃった」
「南入だな」
親分がサイコロを振る。
目は7。爺さんの山からだ。
ここで爺さんも小技だ。
取り分けた山の右端から軽く二枚抜いた。
辰は気づいているのかいないのか涼しい顔だ。
中盤戦にさしかかってきて、お互いに様子見をかねた腕慣らしってところか。
大技ってのはお互いに潰されやすいから警戒してるのもあるんだろうさ。
「そんな緊張すんなよ。茶でも飲みながら気楽にやろうぜ」
辰が、どこからともなく現れた湯飲みを手に言う。
フリードリンク制か。
「よくもまあそんなことが言えるな」
「いやいや、本気だぜ。まだそんな時間じゃねえだろう?」
「じゃあ、私コーラで」
ほんっと動じないな、ソラさんよ!?
ぱっとサイドテーブルにコーラのグラスが出現する。
すげえ、スター○レックみたいだ。
「もうちょっと楽しもうぜ、ヒラっこの麻雀をよ」
笑う辰。
楽しそうで結構なことだ。
だけど、オレは同情なんかしねえぞ。
やらなきゃいけねえことはきっちりやる。それがプロフェッショナルってもんだ。
・・・今は付き合ってやるけどな。
お読みいただきありがとうございます。
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