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第66話 馬子にも衣装?

更新です。


無駄に引っ張りすぎ・・・というか何故か長くなってしまいました。

もう現代に帰らなくっちゃw

<第66話>


 やあ、オレの名前はANDREW!

 夏は麦茶をゴクゴク飲んじゃうほう、アンドリューです!


 いや、麦茶は素晴らしいよ。うん。

 もちろん暑い日中からビールってのも最高だけど、冷蔵庫に麦茶のボトルはいってたら嬉しい気持ちになるじゃんか。

 分かってもらえるかなあ?






「おーい、ソラやー」

「何、トラ? 今忙しいんだけど」


 つれないお返事。


 まあ、ぱっと見ただけでも忙しいのは分かるんだけどな。

 厨房だから暑いし。

 アシスタントにと思ってつけてやった亜人や魔人、魔族たちもソラの手足となってちゃんと働いているようだ。

 良き哉良き哉。


「忙しいのは見りゃわかるっての。ちょっと頼みがあるんだけどさ」

「これ以上私に何かさせようってのかしら・・・」


 ちょっとイラッとしているようだ。

 怖い怖い。


「ソラ様・・・。アンドリュー様にあんな口の利き方を・・・」

「勇者ですわ・・・」

「それともアンドリュー様に匹敵なさる強さを秘めていらっしゃるの?」

「というか、不思議に思っていたのですけど、トラってどういうことでしょう?」


 ひそひそとアシスタント連中が囁きあっている。


 まあ、こいつらにしてみりゃオレはこの迷宮の絶対支配者なわけで。

 オレを怒らせるようなことがあれば、間違いなく命はない。


 オレだって理不尽極まりない暴君じゃないんで、多少のことには目をつぶる。

 つーか、オレはそのへんだだ甘の上司だと思うんだけどな。


「いやな、集まってもらった連中がさ、『この素晴らしい料理を作っている料理人の顔を見たい!』って言い出してなあ・・・」

「はあ? 顔なんて見なくていいから料理食べてなさいって話よね」

「そりゃそうかもしれんけど。やっぱりどんな奴が作ってるのか知りたくはなるだろ。ソラだってすげえ料理に出会ったら、作った奴には会ってみたくなるんじゃねえのか?」

「それは確かにそうね・・・」


 よしよし。説得は上手くいきそうだ。


「ほんのちょっと顔出してくれりゃいいんだわ。顔見せ程度って感じでさ」

「まあ、それくらいなら・・・」


 納得してくれたようだ。


「では、ドレスアップのお時間ですわね!」

「え?」


 アシスタントの夢魔(サキュバス)が目を輝かせる。


「ソラ様をそのような格好のままでお客様の前に出すわけには参りませんわ。ねえ、皆さん!」

「その通りですわ!」

「私たちにお任せ下さい!」


 賛同するアシスタントたち。


「い、いらないわよ。ただ顔見せに行くだけなのに」

「いいえ!」

「女子たるものそれではいけません!!」

「ちょ、やめ、あー!!!」


 ソラはものすごい勢いで拉致られていった。


 いったい何が起こったのかわからねえがありのままを・・・的な感じだ。


「どうなってんだ・・・」

「アンドリュー様。お暇でしたら手伝っていただけませんか?」


 呆然とするオレにアシスタントたちが声をかけてきた。


「私たちでは作業が進みませんので・・・」

「アンドリュー様はそういった知識ももちろんお持ちですよね?」


 いや、そりゃそうだけどな。

 いくらソラがいなくなったからってオレにやらせるか、普通?


「さあ、アンドリュー様!」

「「ご指示を!!」」


 こうなりゃ仕方ねえ!

 鉄人アンドリューの腕前を見せてやるぜ!




 それからのオレは料理を作りまくった。

 人間状態を維持できるようになってから、それなりに料理もできるようになったんだけど、さすがにソラには敵わない。

 しょせん男の手料理ってやつだ。


「さすがですわ、アンドリュー様」

「ですが、さすがにソラ様の料理を見たあとですと・・・」


 みなまでいうな。

 オレが一番よく分かってるよ。


 いいんだ、オレは魔術師だ。

 料理が人並みだっていいじゃない。

 二番じゃダメなんですか。


 二番どころじゃないわけですがね。


「ちょ、ちょっと、そんなに引っ張らないでよ」

「アンドリュー様、アンドリュー様~!!」


 ソラの声と夢魔(サキュバス)の声が聞こえてくる。


「そんな大声出さなくても聞こえてるぜ?」

「大声を出さずにはいられませんね!」


 なんだか興奮しているようだ。

 まあ、夢魔(サキュバス)だしな。

 年中興奮していたって可笑しくないか。


「見て下さいませ!」

「私たちの自信作ですわ!」


 ドレスアップした夢魔(サキュバス)たちに押し出されてきたのは、淡いグリーンのカクテルドレスの美少女だった。


 きめの細かい乳白色の肌とつややかな黒髪。

 紅を引かれた紅い唇が小さな顔に映えている。

 細くくびれた腰と小ぶりなヒップ。


「だが、胸のボリュームがなあ・・・」

「うっさいわね!」


 美少女に罵られた。

 別に嬉しくないが。


「・・・ソラか?」

「そうよ。悪かったわね!」


 女は化けるってのはこのことか。

 それとも馬子にも衣装か?


「胸さえあれば完璧なのに」

「それは言うな!」

「詰め物をしようと思ったのですが拒否されまして」

「するわよ!」

「良いではありませんか。いくら胸のサイズはエルフ以下でも、その美貌はエルフ越えですよ!」


 夢魔(サキュバス)の言うことにも一理ある。

 だが、やはり胸が・・・。


 めっちゃ睨まれた。

 アーユーテレパス?


「いやいや、化けたな」

「うるさいわね」

「褒めてんだって。よく似合ってんぞ?」

「ばっ・・・!?」


 狼狽えるソラ。

 なんだよ、せっかく褒めてやってんのになあ。

 オレが人を褒めるなんて珍しいんだぜ。


「照れてますわね」

「ええ。照れてますね」

「う、うるさーい!」


 せっかく化けたのに地を出しちゃいかんぞ、ソラよ。


「よし、そのまま広間に連れて行け」

「了解であります、アンドリュー様!」

「え、ちょっと、こんな格好で!?」

「よく似合っておりますわ!」

「文句なしの美少女っぷりでしてよ!」

「あ、あ、ちょっとおおおおおお!!」


 引きずられていくソラ。

 南無ー。




 別な意味で一騒動ありそうだな、しかしよ。


お読み頂きありがとうございます。


良ければ評価やランキングのリンクなどクリックして頂けると大変助かります。どうぞ宜しく・・・( ̄^ ̄)ゞ

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