表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/97

第61話 パルマンティエの気分

<第61話>


 やあ、オレの名前はANDREW!

 家庭用豚丼のたれならソ○チが好きなほう、アンドリューです!


 豚丼以外にも使い道があったりするんだぜ。

 味はアレになっちゃうんだけどな!!

 鶏そぼろなんか美味いぜ。






「なんというか、お前の規格外さを改めて感じさせられたぞ」


 ロバートが地上でがくりと肩を落としている。


「いいじゃねえか。小さくまとまってるよりは」

「それはそうなのだろうな」


 贅沢だなあ。

 まあ、これで今年から田植えもできそうだし、オレにとってみりゃありがたい話だ。


 地上に降りたオレたちを見つけて、現場監督らしき男が走ってやってくる。


「なんと、このようなところに国王陛下がおいでになられるとは」

「すまんな。仕事の邪魔をするつもりではないので、気にせずとも良い」


 おお、なんだかロバートが王様っぽいぞ?


「いえ、その、先ほど急に起こった天変地異にて我々の仕事は終わったといいますか・・・。無くなってしまったといいますか・・・」


 申し訳なさそうな顔で頭を下げる男。

 それもそうか。

 仕事終わっちゃったよな。


「そう言われてみればそうか・・・。いや、すまん。気にするな。報酬は予定通りの全額を支払うと伝えてくれ。撤収作業を頼む」

「は、はっ。了解であります!」


 敬礼をすると、男は駆け足で去っていった。

 仕事が早く終わったうえに、報酬は全額もらえるんだ。こんないい話はないよな。


「じゃ、ロバート。あとは技術指導だな。ここに入植してくる人数は足りてるんだろ?」

「勿論だ。ちゃんとした条件で移住希望者を募ってある。おそらく問題はないはずだ」

「そうか。じゃあ、早速動かそう。住居なんてのはとりあえず掘っ立て小屋で十分だ。水が馴染んで可能になったら早速田植え実習だな」


 ホントは日本から田植え経験のあるじーちゃんやばーちゃんを連れてきて先生役をやってもらえば楽なんだけどなあ。

 誰かこっちに転生してくれたり、第二の人生歩んでくれたりしねえかな。


 神様に頼んだらどうにかしてくれっかな?


 いやいや、さすがにそいつはまずいな。

 世界のあり方にも影響してくるからな。とりあえずは米農家を育成することに力を注ぐとしようかねえ。


『おうい、水と大地の精霊さんよ』

『はいはーい』

『あいよー』


 オレの呼びかけに田んぼ中の水と大地の精霊が応えてくれる。

 あんまりたくさんいても困るな・・・。

 班長でも決めるか。


 というわけで、それぞれの田んぼの区画から、水班長と土班長を決めさせてみた。


 いやあ、もめるもめる。


 なんせここで田んぼを任されるって事は、結果を出せばオレだけじゃなくて大地の精霊王や水の精霊女王の目にとまるって事だからな。

 上手くいけば下級精霊からランクアップできるかも知れねえってことだ。


 厳正なる審査の結果(ぶっちゃけくじ引きともいう)、それぞれの区画の班長が決定した。

 不満たらたらな奴らもいるが、区画ごとの収量できちんとオレと精霊王たちが審査することを告げると引き下がった。


 ま、言ってみただけだけど。


『つーわけで、それぞれ水の温度管理とか土の様子とかちゃんとやっとくんだぞー?』

『まかせてくださーい!』

『わかったぞー!』


 うむ。

 これで田んぼのほうは万事OKだろう。


 あとは田植え指導だな。

 苗はこれから促成栽培で一気に必要数準備するから、そのへんも帰ったら管理できる奴らを選ばなくちゃ。

 忙しい忙しい。


「何というか、農業の常識がひっくり返るような事態だな・・・」

「こんなやり方は、よっぽど高位の精霊使いがいないとできねえよ。今回はオレの趣味だから特別だ」


 最初っからこんな反則覚えられたんじゃ困るしな。

 それだけに、ここに入植できる奴らは幸せだぜ。

 ま、雑草取りとか虫取りとか細かい作業は大量にあるとはいえ、土と水は精霊任せにできるんだから楽ちんだろうさ。


「よし、田んぼはこんなもんでいいだろ。ついでだから畑の方も見ていくか」

「わ、分かった」


 ロバートもオレがめちゃくちゃやるのはよく分かってるはずなのにな。

 しばらく迷宮(ウチ)の奥にいたから忘れてんのかな。




 転移した先は、アーレイン王国の東側だ。

 眼下には見渡す限りの茶色の大地。


「おー、見事な畑になってるなあ」


 見渡す限りの畑は壮観だな。

 これならいくらでも作物が作れそうだぜ。


「これも魔法使いたちのおかげだ。小麦とジャガ・・・イモだったか?」

「そうだ。サツマイモはちょっと別なところで育てるとすっかな」


 西の方が空いてるはずだから、そっちをサツマイモとか甜菜にするかな。


 ん?

 場所とか組み合わせとかそんな適当でいいのかって?


 いいんだよなあ、これが。

 オレにしてみりゃ魔法ありきの農業だから、そのへんの細かいことはあんまり気にしなくてもいいのさ。

 働き手が怠けずに済むくらいの仕事の量が残ればそれでいい。


「ちゃんと堆肥とか入れさせたか?」

「うむ、そのへんは抜かりない。肥料が大事なのは分かっていたからな。魔法を使っての大量高速作成は驚いたが」

「いくらでも・・・って訳じゃねえが、やっぱり必要だからな」


 よしよし、畑が済んでりゃ植え付けるだけだ。

 ロバートに言って、農民たちのリーダーを全員呼びつけてもらう。


「これで全員か?」

「そうでごぜぇます」

「よし。オレはアンドリューだ。お前たちに新しいイモを授ける」

「アンドリュー?」

「だ、大魔術師・・・?」


 おお、オレのことを知っている農民がいるようだ。

 農民にまで知られているとはさすがオレ様だ。


「気にするな。お前たちに授けるのは、この【ジャガイモ】だ」


 ジャガイモを取り出すと、農民たちに見せる。

 この世界にあるイモと似ているが、味は段違いだ。

 さすが日本だ。


「育てるとこのイモがごろごろとれる。そして超美味い」

「超?」

「超、だ」


 肉じゃがは正義だ。

 北海道は豚肉で作るのが多いな。

 というか、畜産もいずれ考えていかねば・・・。


「このイモと小麦は、お前たちの生活とアーレイン王国をより豊かにするだろう。さて、植え付けの仕方だが・・・」


 種イモを切って植え付け用に処理したものを取り出すと、農民リーダーの前で実演してみせる。

 植えるのは簡単だからな。


「お前たちもプロの農民だろう。分かったな?」

「任せて下せえ」

「うむ、任せた。しっかり育てろよ」


 イモは簡単だから大丈夫だろう。大地の精霊も働いてくれるだろうしな。


 小麦についても同じように農民リーダーたちに教えていく。

 さすがにプロ農民たちだ。

 農業に関することは飲み込みが早い。


「よし、今日はこんなもんでいいだろ。西は明日だな」

「そうだな。さすがに陽も傾いてきた」


 一度迷宮(ウチ)に帰って、設備の話を詰めてから宴会すっか!!



お読みいただきありがとうございます。


よければ評価や感想、勝手にランキングのリンクなどお願いしますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ