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第59話 人口増加の鍵?

<第59話>


 やあ、オレの名前はANDREW!

 温泉では必ず露天風呂を制覇するほう、アンドリューです!


 温泉が大好きなのは前にも言ったような気がするんだけど、やっぱり露天風呂ってのは風情があるよな。

 例え人工的に作られたモノであったとしても、それで価値が下がる訳じゃあねえ。

 もちろんそこに酒があればなお良しだな。






「よしっと。これで完成ね」

「神技・・・」

「神の御技です~」


 シルヴィアとプラティナが感嘆の声を上げる。


 今、迷宮(ウチ)の台所の調理台の上には、ソラの手によって作られ、華麗にデコレートされたホールケーキが鎮座している。


 ってか、いつの間にこんな立派な「調理場」を作ったんだよ?

 前回は精々が簡易キッチン程度でやりくりしていたはずなんだがな。


「差し出がましい真似をと考えましたが、私が勝手に改造しました」


 ゴルド、お前か。


「いや、別にいいんだけどな。むしろナイスだと言っておこうか」

「お褒めにあずかり恐悦至極」


 でも、使うのはオレじゃねえんで、後でソラに色々意見を聞いてリフォームする必要はありそうだがな。


「ソラ、あとでキッチンのリフォームについて相談しようぜ」

「分かったわ。とりあえず、紅茶でも淹れてケーキ食べましょう」

「そんな~。こんな美しいケーキを食べちゃうなんて勿体ないですわ~」


 オレの命令でメイド服を着たプラティナがケーキの前で体をくねらせている。

 ロングスカートの古風なメイド服だが。


 だって、あんなけしからんメイド服があるなんて、あっちの世界に行かんかったら知らんわ、普通。

 プラティナにいって自作させよう。


 異世界転生モノで物作りチートする奴らの気持ちがよく分かるわ。


「こんな程度で良かったらいつでも作るわよ。材料さえあればね」

「師匠と呼ばせていただくわ~。胸は小さいけどすごいのね~」

「胸は余計なお世話よ!?」


 そこはこだわるんだな、プラティナよ。

 まあ、お前がソラに勝ってるのはプロポーションくらいだもんな。


「冗談はさておき、ソラさんの技術は素晴らしいわ~。もう200年近く生きているけど、こんなすごい腕前の人は初めて見たわ~」

「そこまでおだてなくてもいいわよ。私なんてまだまだひよっこよ・・・っていうか、あなた200歳オーバーなのね?」


 うむ。人間と違うからな。


「歳の話はやめて~」

「自爆じゃねえか。ま、この世界の水準なんてそんなもんだってことよ、ソラ」

「そんなもんかしらねえ」


 首を傾げるソラ。

 だが、実際そんなもんだ。

 ファンタジー世界を甘く見ちゃいけねえってことだな。


「紅茶淹れるわね」


 水の精霊(ウンディーネ)に言えば水だろうがお湯だろうが思いのままだ。

 現代知識のおかげでph調整して酸性からアルカリ性まで何でも御座れ。


 ちなみに紅茶には軟水で弱アルカリ性がいいっぽいぜ。


「はうあ~。紅茶も美味しいですわ~」

「こっちの世界の紅茶はあっちに比べりゃモドキみたいなもんだからな。早いとこ各種お茶の製法も広めないとだ」

「あとはやっぱり砂糖よね。砂糖がいつまでも高級品のままじゃお菓子作りに支障が出るもの」


 サトウキビは栽培が大変なので、ちゃんと甜菜を作る準備をしてきた。

 豊かな食文化の為にも農業頑張ってもらわねば。


 しばらく優雅なティータイムである。


「転移陣に反応ありですね。おそらくロバート様かと」

「あれ、城に転移陣なんて設置してたっけ?」

「僭越ながらロバート様と相談の上、極秘で設置させて頂きました」


 それでいいのか王城よ。

 迷宮落とされたら城も落ちるじゃねえか。

 ま、迷宮は落ちないからいいけどな。


「アンドリュー!」

「おう、ロバート。お早いお越しで」

「お久しぶりです、ロバート様」

「おお、ソラ殿。息災で何よりだ。む、それはなんだ?」


 早速ケーキを発見するロバート。

 ソラとプラティナがロバートの分のケーキと紅茶を準備する。


「うーまーいーぞー!!!!」


 どこの味の王様だよ。

 口からビーム砲でも出す気か?


「ソラ殿。やはり今すぐにでも我が国の宮廷料理人に」

「落ち着け、ロバート」


 頭をぽかりとひっぱたいて正気に戻す。

 美味いは正義だな。


「すまん、取り乱してしまったようだ」

「気にすんな。それより、例の計画は進んでいるのか?」

「ああ。この一月というもの、我が国の技術者、魔術師、冒険者はこの件にかかりっきりだ」

「トラ、どういうこと?」

「要するに農地の整備だな」


 最重要課題は水田。

 そして甜菜。

 あとは小麦の収量を増加させて小麦粉を大量に作れるように。

 それとサツマイモ、ジャガイモの芋類。

 ついでに豆だな。


「どれも料理に欠かせない作物であると同時に、民を飢えさせないために重要かつメリットのある作物ばかりだろう」

「さすがアンドリューだな。ただのちゃらんぽらんな酒飲みではないということか」

「いえ、ロバート様。多分違いますよ」

「む?」


 ソラが小さくため息をつく。


「米は日本酒。小麦はビール。サツマイモとジャガイモは焼酎。豆はビール用の枝豆と揚げ物用の油。どうみてもお酒大好き人間の発想ですよ」

「さすがソラ。オレの考えなどお見通しというわけか」


 とはいえ、どの作物も人類を飢えから救ってきた作物には違いないんだ。

 その余録が嗜好品であるところの酒に変わるってだけでな!!


「そのへんもアンドリューというところか」


 苦笑するロバート。

 まあ、オレとも長いつきあいだからなあ。


「とにかく、我が国アーレインの農地改革は順調だ。畑作関係はすでに使用できる状態だぞ。水田とやらは今年は無理かもしれんが・・・」

「畑が使えりゃ十分だ。田んぼの方はオレが何とかするわ」

「すまん。頼むぞ」


 滞在してられる時間も限られてるからな。

 早速ガンガン用事を片付けるとするかねえ。


お読みいただきありがとうございますm(__)m


良ければ評価や勝手にランキングのリンクなどぽちっとして貰えたら嬉しいです\(゜ロ\)(/ロ゜)/

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