第57話 農家にはGWはないのだそうだよ?
タイトルと内容は一切関係ありませんw
<第57話>
やあ、オレの名前はANDREW!
焼き肉屋に行って真っ先に頼むのはビールとサガリなほう、アンドリューです!
サガリって横隔膜なんだってな。
北海道では全部サガリって呼ばれるらしいけど、ハラミって呼ぶところもあるらしい。
背中側の薄い部分をハラミ、肋骨側の厚い部分をサガリっていうんだと。
何にしても旨いよな!!
さて、GW前半戦である。
「さあ、北海道の旅」
「東回りで行くんじゃな?」
「おうよ」
サキの伝手で手に入れたマイカー(ミニバン)に全員で乗り込み、十勝を出発。
海沿いに釧路~根室を回って、北へ。
「知床横断道路、まだ開いてないのね」
「今年は雪が多かったんじゃろうさ。仕方あるまい」
網走を抜けて稚内へ。
そこから南下して札幌、小樽方面へ。
さらに海沿いを走って函館をぐるっと回って道南の旅。
「やはり北海道は雄大じゃのう!」
窓から身を乗り出すようにしてノンノが叫ぶ。
「窓開けんじゃねえよ、ノンノ」
「そうよ。エアコンの意味ないでしょう」
「自然の風も気持ちいいぞ?」
窓から熱風が吹き込んでくる。
今年のGWは天気に恵まれていてとても暖かいのだ。
いや、暖かいどころか暑い。
そのとき、ひときわ強い風が車内に吹き込んだ。
「なっ!?」
ソラが目を丸くする。
春のいたずらな風が、ノンノのノースリーブワンピースの裾を巻き上げたのだ。
つか、はいてないとかw
「ブレない女、ノンノ」
「そういう問題じゃないでしょ、シルヴィア!?」
顔を真っ赤にして言うソラ。
まあ、普通はそうだよな。
しかし、さすがノンノ。
ワンピース着るのをあっさり承諾したと思ったら、まさかの「はいてない」とか斜め上だったぜ。
「ば、ばれてもうた!?」
「バレるとかバレないとかそういう問題じゃないでしょ!!」
「ひいい。怒らんでくれい。ワシのせめてもの抵抗なんじゃよ」
「抵抗するなー!」
「まあまあ、ソラ。それくらいは大目に見てやってもいいんじゃないのか?」
「何言ってんの、トラ!?」
おー、怒ってる怒ってる。
まあ、そりゃあこの世界の常識に照らし合わせりゃそうなるよなあ。
「ソラ、人には人それぞれ事情ってもんがあるんだよ」
「な、なによ。急にまじめな声で」
「ウィザリィのオレの迷宮にもな、特殊な事情を持ってるヤツがたくさんいる訳よ。特殊な食いもんが必要だったりとか、生きてる死体とかな」
うん、不死者とか明らかに特殊すぎるよな。
吸血鬼とか生き血を啜らないと生きていけないとか、改めて考えたら特殊すぎてびっくりだろ、コレ。
「そ、それは確かに・・・。でも、それはファンタジーだから」
「その通りだ。ファンタジーなんだよ。だがな、ソラ。考えてみろ。オレ達が今していること、しようとしていること自体がファンタジーじゃないのか?」
「う・・・」
言葉につまるソラ。
「だから、ノンノが履いてないのも、言ってみりゃあ『ファンタジー』なのさ!」
「キメ顔でそんなこと言ったって騙されないわよっ!」
む、失敗した。
ちっ。いいとこまで言ってたと思うんだけどなあ。
「ダメか」
「ダメよ。っていうか、誰にとって『ファンタジー』なのよ」
「そりゃあ、大きなお友達にとってじゃねえのか?」
「余計悪いわ」
済まんな、ノンノ。
ソラの鉄壁のガードは崩せなかったようだぜ。
「うう、主殿よ。その気持ちだけで十分じゃ・・・。ワシ、履く」
「いいのか、ノンノ?」
「これ以上皆に迷惑は掛けられぬよ・・・。ワシが諦めれば丸く収まるのじゃ」
「そうだな・・・」
「それでいいんじゃよ・・・」
がっくりと項垂れるノンノ。
可哀想に。
「ねえ・・・」
「どうした、ソラ?」
「どう考えても私が正しいと思うんだけど、なんで『ソラがひどい』的な流れになってるわけ?」
「そりゃその方が面白いからに決まってるじゃねえか」
「さすがご主人様」
「主殿もブレぬお人じゃのう」
そう言ってみんなが笑った。
「頭痛いわ、ホント・・・」
「あんまり真面目に考えるなよ、ソラ。ハゲるぞ?」
「考えちゃダメ。感じるもの」
「誰のせいだと思ってんのよ!?」
「わはは!」
バカな会話を繰り広げつつ、オレ達の車は北海道中を駆け回ったのだった。
え、そのルートでどれだけ時間掛かったのかって?
二泊三日ってところだな。
宿泊場所はどうしたのかって?
ホテルなんて立派なもんは使ってねえぞ。
車中泊?
そんなことしたら体が痛いだろうがよ。
魔法で住処を作ったに決まってんだろ。
オレを誰だと思ってるんだよ。
大魔法使い、アンドリュー様だぜい?
ちなみに、ノンノは途中から履いてたw
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