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第52話 壺から飛び出てジャジャジャジャーン!?

新年度ですね。要するに忙しいのです。

皆さんも体調に気をつけて頑張って下さいね!

<第52話>


 やあ、オレの名前はANDREW!

 春になると心が浮き立つ方、アンドリューです!


 まぁ、大抵の人間はそうなんじゃないかと思うんだけどな。

 中には憂鬱になる人もいるんだろう。

 特に花粉症の人とかな。




「おらっ!!」

『ギャアアアアッ!!』


 オレの浄化魔法を喰らった呪いの原因である霊体が敢えなく昇天する。

 実に耳障りな叫び声だ。


 あれだな。

 やっぱりもっと綺麗さっぱり浄化してやらなきゃダメかな。


「せっかく昇天させてやろうってんだ。恨み辛みなんか忘れて浄化されやがれ!」


 浄化して成仏させてやろうってのに困った奴らだぜ。

 次はもっとまっとうに生きるんだぞ。


 流れ作業的な感じで休憩を挟みながら100近い数のアイテムを浄化した頃。

 ソレは棚の奥から姿を現したんだ。


「壺?」

「壺ですね」


 壺ですねじゃねえよ。


 厳重にフタがされていて、お札やら力の込められた縄やらでがっちがちに封が施されている。

 なんつーか、あからさまに「よくないモノ」が中に入っていますよーという雰囲気がビシバシと伝わってくる。


「後回しにした方がいいかな?」

「発掘してしまった以上はやってしまって欲しいと思うのですけどね・・・」

「ふむう」


 その気持ちも分からないではない。


 ましてや自分の手に負えないかも知れないブツが出て来たのだ。

 できることなら処理してしまいたいのが人情だろうなあ。


「そんじゃいっちょやってみますかねえ」

「もの凄いモノが出て来たらどうしましょうか・・・」

「オレの手に負えないようなモノが出て来たら世界の危機だろうなあ。でもな、そんなヤバいもんがこの程度の壺に封印されるとも思えねえんだよ」


 壺の中が異空間に繋がっていて、その空間丸ごとが封印空間になってるような超々高度な封印だったら別だけど。

 それにしても星1つ滅ぼす程度のもんならオレでも十分対処出来る。


「とりあえず、壺ごと浄化できるかどうか試してみるか」


 まずは手当たり次第に浄化魔法を壺に撃ち込んでみる。


「ふむ」

「反応ありませんね?」

「やっぱり壺に入ってるうちは効かねえのかな。封印外してみるしかねえか?」

「大丈夫ですか?」

「一応慎重にやってみるわ。どれどれ」


 まずは壺を小さなテーブルの上に置き、その周囲に強力な結界を張る。

 どれくらい強力かというと、魔神を身動き出来なくするくらいは強力だ。

 あー、そういや昔、某魔神のマイ○フィッ○君が身動き出来ずに涙目になってたっけなあ・・・。


 結界を張り終えると、まずは縄をほどき、お札を剥がしていく。

 それなりに力のある封印だったようだが、オレの力の前には無力だ。


「よし、フタ外すぞー」

「どうぞ!」


 棚の影に隠れこっちを窺っている店主。

 逃げる準備は万端ってことかいな。


「・・・」

「・・・」

「何も起こりませんね?」

「そうだな。中には何かいるはずなんだが」

「分かるんですか?」

「おうよ。力を感じるからな」


 急に封印が解かれたもんだから警戒してるのか?


「おい、中にいるヤツ。とりあえず出てこいよ」


 声を掛けてみると、突然ボフンという音と共に煙が噴き上がる。


「な、何ですか!?」

「何だろうな。オレには素っ裸の美少女に見えるが?」


 煙の向こうにいたのは、とてつもなく長い黒髪が要所要所をきっちり隠してギリギリのラインを保っている美少女だった。

 うーん、だからオレはもっとこうバインバインでプリンプリンなのが好みだとあれほど言っているのに・・・。


 誰の陰謀だよ!?


「おお、ワシを忌々しい封印から解き放ってくれたのかえ?」

「ギャップ萌え!?」


 高度だな!


 これはあれか。

 噂のロリババアってヤツなのか。

 それとも単に厨二病的トークなのか?


「どれ、そこな男共よ。ワシが直々に褒美を取らそうではないか」

「褒美? 一体何をくれるんだ?」

「ワシがこの世の天国を見せてやろう。ワシと共に過ごす夜は実に甘美じゃぞ?」

「うーん、そんなナリで誘惑されてもなあ・・・」


 だからあれほど以下ry


「天国・・・」


 さてどうしてやろうかと考えているオレの横を、何かブツブツと呟きながら店主がふらふらと引き寄せられるように歩いて行く。


「なんだ、お前はああいうのが好みなのか?」

「天国・・・。天国・・・」


 目が逝っちまってるぞ?

 誘惑されてるのか操られてるのか。

 とりあえず精神系の状態異常に陥っているのは間違いなさそうだな。


「なぜお主はワシの力が通じんのじゃ?」

「うーん、お前の力よりもオレの抵抗力の方が強いってだけだろ」


 オレの魔法抵抗力を上回るのはこの世界のもんじゃ無理だろうなあ。

 店主にかけられたらしい魔法も解呪してやる。


「はっ!?」

「正気に戻ったか?」

「バカな。ワシの術をこうも容易く。ワシは悪神とはいえカムイぞ!?」

「カムイ?」

「アイヌ語で神のことです。アイヌの人々はあらゆるものに神が宿ると考えていたそうですが」


 なるほど。

 そういう信仰から生まれた妖なんだなと大雑把に理解しておく。

 あまり詳しく掘り下げるようなもんでもないだろうし。


「神なら何度もやりあってるな。歯ごたえのある相手はありがたいからな」


 喧嘩友達みたいなもんだな、うん。


「で、何のカムイだ?」

「ワシはパウチカムイじゃ」

「知ってるか?」

「確か淫欲を司る女神だったかと。一説によれば工芸に秀でた女神だとも言われていますね」


 だからそんな破廉恥な格好をしているのか。

 けしからん。


「じゃ、正体が分かった所でオサラバだな。生まれはどうあれオレの敵じゃない」


 見た目は可愛いんだけどな。


「ま、まて!? オサラバとはどういうことじゃ!?」

「そのまんまだけど。『悪』神だって自分でも言ってたじゃねえか」

「まてまてまてまて! いきなりそれはないじゃろう!!」

「んなこといわれてもなあ」

「久方ぶりの娑婆に出られたと思えば、いきなり絶体絶命か!?」

「そんな感じだ。話が早くて助かるよ。それじゃ・・・」

「ま、まてというに! 悪さはせぬ! 約束するから祓わんでくれ!?」


 めっちゃ必死だな。涙目だし。

 さすがに問答無用で浄化しちゃうのも良くないか?


「うーん、本当か?」

「ほ、本当じゃ。約束する」

「ちなみに、お前さんはどのくらい壺に封じられていたんだ?」

「とんと分からぬ。50年を数えたところであまりにも無為で数えるのを止めてしまったゆえな・・・」


 少なくとも50歳以上と。

 なんと、まさにロリBBAではないか。


「そりゃまた。で、お前は実際どんな悪さができるんだ?」

「そうじゃなあ。男女ともにムラムラさせたりだとか、ちょっと裸で踊り狂ったり走り回ったりさせちゃったりとか。あとは生き物に取り憑いて悪戯したりとかじゃな。確かに作り物は得意じゃぞ?」


 薄い胸を張って言うことじゃねえし。


「要するにお騒がせなヤツだな?」

「身も蓋もないのう!?」

「じゃあ、相手を呪い殺したりとか祟ったりとかそういうんじゃねえのか?」

「まあ、それはそうじゃのう。あまり直接的な事は好かんのう」


 ふむ。話を聞いている限りだとそこまで害のあるヤツじゃないのか?


「裸で踊り狂ったりしたら社会的に抹殺されますけどね・・・」


 ぼそっと店主が呟く。

 それもそうか。

 現代ではさすがに不味いよなあ。


「そうでもないじゃろ。ちょっと破廉恥なおかしいヤツじゃとは思われるかもしれんが、せいぜいその程度じゃ」

「お前の止まったままの基準で考えてもらっちゃ困るぜい?」

「そうなのか・・・。そのへんもさっぱり分からぬのよ。じゃから、いきなり祓うとかは無しで頼むぞ?」


 流し目されたって効かないぞ。


「ふむ。とりあえず保留だな」

「本当か?」

「本気ですか!?」

「そりゃ無罪放免にはしねえさ。とりあえずお前は壺に入ってろ。ついでに誓約の魔法をかける」

「誓約じゃと?」

「おう。とりあえずはオレのいうことには従え。現代の常識ってヤツをお前が理解するまでは悪さは禁止だ。いいな?」

「ワシにそんなこと・・・いや、相分かった。従おうではないか」


 ガンつけてビビらせた。

 つーか、グダグダ言うなら祓うぞ、コラ。


「つーわけで、この壺と中身はオレが貰ってくけどいいよな?」

「構わないでしょう。不良債権を買い取ってもらったと思えば儲けものです」


 こうしてオレは、ひょんなことから変な妖を手に入れてしまったのだ。


 ロリでBBAだけどな!!


お読みいただきありがとうございます。

良ければ評価や感想、勝手にランキングリンクなどよろしくお願いいたします。


壁lω・`*)ドキドキ

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