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第50話 大魔術師、仕事する

年度末って嫌ですね。

忙しくて。

すいません、言い訳ですw

<第50話>


 やあ、オレの名前はANDREW!

 晴れた日には自転車が気持ちいいほう、アンドリューです!


 この自転車って奴は本当にすばらしい乗り物だな。

 ウィザリィでも舗装道路を作って、自転車を普及させたいところだぜ。


 自動車はいらんがな。

 馬車でいいよ、馬車で。

 ん、待てよ。魔力で走る車ならエコだな。考えてみるか・・・。


「さて、ここか・・・」


 アンバーのある広小路側から南へ少し移動した、狭くて暗い裏通りにその店はあった。

 看板も何もない、古めかしい木のドアがあるだけの。


「どう見ても怪しい店じゃねえかよ・・・」


 っていうか、店だってことすら分からん。

 この建物の裏口かなんかだと思われたってどこもおかしくないわ。


「こんちわーっと」


 ドアノブをひねると、大して抵抗もなくドアは開いた。

 ちゃんと蝶番に油くらいは差してるってことかね。


 中は薄暗い照明がついているっきりで、特に何かがあるようには見えない。

 古道具屋っていうから、ヨーロッパで入ったような店を勝手に想像していたのだがそうでもなかったようだ。


「誰かいませんかー?」


 奥に向かって声をかけてみる。

 しかしホントに何もない部屋だな。カウンターとかレジとかもない。

 おそらく二階に上がるんだろう階段が奥に見えるっきりだ。

 もしかして階段を上がって上に上ってからが本番なのか?


 オレが意を決して奥へ進もうとしたその時、上から誰かが降りてくる気配があった。


「お待たせしました。少々取り込んでいたもので・・・」


 上から階段を下りて姿を現したのは、全身黒づくめの男だった。

 ズボンもシャツも上着も全て黒。

 顔だけが異様に白い。しばらく太陽なんて浴びてませんって顔だな。


「して、何をお探しで?」

「ああ、悪い悪い。オレは客じゃねえんだ。サキから話は聞いてないか?」


 サキの名前を聞いた瞬間、男の目が怪しく光った。

 いや、比喩的な表現じゃなく、マジで光ったんだ。


「あなたが噂の魔法使いですか! 待ってました。早速こちらへ!!」


 いつの間にかオレの正面に男は立っていて、オレの手をぐいぐいと引っ張っていく。


「まて、オレは男と手をつなぐ趣味はねえ!?」

「そんなことはどうでもいいんです! さあ早く! ハリーハリー!!」

「うお、ちょ、引っ張りすぎだって!?」


 オレは強引に男に引きずられるようにして二階へ。

 その後、なぜか上ってきたはずなのにエレベータで地下へ拉致された。


 なんだ、その、伝説のローカルバラエティ「水曜○○でしょう」で「○泉さん」がアメフト部の皆さんに拉致されるような感じだな。


「さあ、早速お願いします!!」

「早速って言われてもな・・・」


 エレベータの到着した先には、上とは違ってスチール棚に所狭しと古道具が並べられていた。

 年代はまちまちで、用途もまちまち。

 共通しているのは、どれも妖気(?)を放っているところか。


「かーっ。よくもまあこんなにため込んだもんだな、オイ」


 何というか圧巻だ。

 魔法の品というよりは見事に呪いの品ばかりだ。


「一日に処理できる量は限られていますからね。いくら呪払が専門の私でもこんな量は一年かかってもさばききれませんよ」

「アンタ、そういう妖怪なのかい?」

「まぁ、そうですね。どちらかというと呪う方が得意なんですがね・・・うふふ」

「そ、そうか・・・」


 怪しい奴め!


「こういう仕事はここでしかやってないのかい?」

「札幌に一軒、函館に一軒ですね。本当に呪われた品ってのは扱いが難しいんですよ。しかも1つ解呪するのに時間がたいそうかかるモノもある。いい加減イライラして誰彼構わず呪いとかかけたくなりますよね!!」

「いや、そりゃダメだろ・・・」


 やべえ、関わり合いになりたくないタイプだ!?

 さっさとやることやってオサラバするに限るぜ。


「よし、そんじゃあちゃちゃっと片付けちまうとするか。どのへんから取りかかりゃいいんだい?」

「どれからでも構いませんよ。とにかく数さえ減らしてくれればこっちとしては万々歳ですよ」

「そっか。最悪ぶっ壊しちまっても構わないんだっけ?」

「最悪は、ですね。できればモノ自体は無事な方がいいんですが、丸々消滅するようなことさえなければ壊れていても大丈夫です」

「了解了解。そんじゃ、このへんから順番にやっつけていくとすっかね~」


 あまり手が付けられていないような棚を選んで魔法で鑑定する。


名称:呪いの市松人形(状態:呪い)

効果:所有者に不眠・悪夢・疲労回復不可のバッドステータスを付与

特記事項:回帰の魔法付与


 おおう・・・。

 なんつーか、ベタな呪いの人形だなあ、オイ。


「あまりにもベタすぎるな。30点」


 人形を眺めながら呟くと、ぎろりとこっちをにらむ人形。

 生意気な。


「喰らえ! 【浄化(エクソシズム)】!!」

『ぎゃあああああああっ!?』


 問答無用の浄化魔法炸裂だ。

 不死者送還(ターンアンデッド)よりも上級なやつな。


 おっと、誰だ?

 ジル○ンじゃねえかとか言ってるのは。


「ふっふっふ。一丁上がりだ」

「おおお・・・。我々妖怪とは全く違う力の感覚。こんなにもあっさりと払ってしまうとは!!」

「もっと褒めてくれてもいいんだぜ?」


 最近、自分が大魔術師だってことをうっかり忘れそうになるからな!!


「その調子でジャンジャンいっちゃって下さいよ!」


 ようし、アンドリュー頑張っちゃうぞう?


お読みいただきありがとうございます。

良ければ、評価などポチッとしていただけると嬉しいです。



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