第43話 どうする?
浅黄ちゃん、人気ですw
そっちルートで進行して行きます。
<第43話>
やあ、オレの名前はANDREW!
ボールペンはやや太めが好きな方、アンドリューです!
ついでにいうと、低粘度インクの方が好みだな。
万年筆はちょっと苦手だぜ。
「うう、帰還そうそうひどい目にあったぜ・・・」
半年振りに会ったが、こんなに積極的な雌猫だっただろうか。
「いやあ、トラも隅に置けないわねぇ」
「さすがご主人様。残念系の面目躍如」
「うっせえ」
ソラもシルヴィアも無責任に面白がってやがるな。
何度も言うが、オレはちょっと、たまたま猫になってしまったわけだが、心は人間だ。
もちろん体も人間だ・・・と思いたい。
「いくら人間変身できるとはいえ、今は猫であることに代わりはないんだから」
「その通り。猫形態のご主人様はぷりちー。雌猫もほっとかない」
「こう言っちゃ何だけど、浅黄ちゃんはかなりの美猫よ?」
「そういう問題じゃねえ。そりゃあオレが人間形態で浅黄を見たら構いたくはなるだろうが、色恋に発展はないわ。だいたい若すぎる」
「トラに比べたら若くないわよ。浅黄ちゃん、人間年齢で換算したら十八歳前後のぴっちぴちよ?」
「なぬ?」
「トラは今九ヶ月くらいだから、計算すると十五歳前後。高校生くらいかしらね」
まて、オレの方が年下か?
いや、本当のオレの外見年齢は三十代。本当の年はすでに忘れたが。
三桁は余裕で超えてるぜ。
しかし十五、六か。そんな時代もあったなぁ・・・。
「ご主人様が遠い目をしている。思い出に浸るのは年をとった証拠」
「うっさいわ。人のこと言えるか、シルヴィア」
「年齢の話題は鬼門だった・・・」
「この体の年齢がいくつかはともかく。どう考えても猫とキャッキャウフフは不可能だ」
さすがになぁ。
ただ可愛がるのとは訳が違う。
あっちはホントの雌猫だから、お付き合い=アレなわけで。
いくらオレの好奇心と探求心が旺盛だとはいっても・・・。
「トラ的には浅黄ちゃんが猫なのがまずいわけ?」
「まぁ、有り体に言えばそうだな」
「若干の年の差カップルなのは否定しないのね?」
「年の差ごときを気にするような幼稚なメンタリティは持ち合わせてねぇよ」
なんだ、この外堀を埋められていく感は?
オレは何か間違った道を進んでいるんじゃないのか?
引き返すなら今か。
「おい、ソ・・・」
「浅黄ちゃんに人間変身してもらえば完璧じゃない?」
「さすがソラ。そこに気がつくとは。天才」
そうきたか!?
確かに他人にかけれないような魔法じゃあない。
じゃあないが・・・。
「ダメだ」
「なぜに。万事解決オールオッケーでは?」
「あの魔法は、かけられる側に明確なイメージがないと意味がない。オレは自分の姿に戻るだけだったから別に苦労も何もなかったが、浅黄の場合は『人間形態の自分』のイメージがない。一から想像して作ったんじゃ、それはホントの自分とは言えんだろ?」
「なるほど・・・。確かにそれは浅黄ちゃんには可哀想かもね」
「なぜに、ソラ? 理想の自分になれる。無問題?」
「まぁ、その辺はオレの我が儘もあるさ。とにかく、それは却下だ」
浅黄がそれでいいといっても、オレが釈然としないならする意味はないしな。
作られた存在のシルヴィアには口が裂けても言えんが、『本当の自分』って結構大事だと思うんだよな。
「むう。そうまでいうなら仕方ない。私には関係ないし」
「うーん、どうにかならないかしらねぇ。妖怪みたいに変化の術とかないのかしら」
「ファンタジー世界には人化の秘術とかよくあること」
「この地球にもそういう話なんざいくらでも転がってるじゃねえか」
そうなんだよな。
世界各地の昔話的な伝承から都市伝説に至るまで、そういった話には事欠かないのがこの地球って星だ。
今は廃れておとぎ話の中だけの話になっちゃいるが、昔は魔力を使いこなせる奴らが結構いたのかもしれねえなぁ。
結構適正とか素質とか関係するからな、魔法って。
「確かにそうねぇ。狐や狸が人を化かすとか、化け猫話とか、日本にはたくさんあるわよねえ」
「狼男とか雪男とか獣人っぽい話も無数」
「まだ諦めるには早いってことね」
「まてよ、そんなにオレと浅黄をくっつけたいのか?」
「えー、だって浅黄ちゃん、めっちゃトラに秋波送ってたでしょ」
「本音は?」
「「おもしろそうだから!!」」
ソラとシルヴィアの台詞がきれいに重なった。
ああそうだろうともさ。
「だと思ったわ」
「あ、ふざけてるだけじゃないのよ。ホントよ?」
「私はどちらかというとふざけている」
「シルヴィアちゃんは黙ってて。なんていうんだろ、せっかくだからみんな幸せになればいいのになぁって」
「ま、確かにそれが一番いいんだろうけどな」
そうもいかないのが世の常でなあ。
さてさて、どうすっかね。
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ちなみに、もともとソラとはくっつく予定はありませんでした。念のため…




