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第42話 身の危険?

お久しぶりです。


さすがに年末年始のような自由時間は無くなってしまいました。

また不定期更新に逆戻りです ガ━━ΣΣ(゜Д゜;)━━ン!!

<第42話>


 やあ、オレの名前はANDREW!

 時計はデジタル派のほう、アンドリューです!


 うむ、このG-ショッ○ってヤツはホントに優れものだな。

 限定品が出るたびに欲しくなるのが最大の難点だぜ!




 無事に(?)ヨーロッパから帰ってきたオレ達は、次の異世界行きに備えて準備を開始した。

 まぁ、ソラは学校が始まったから忙しくてそれどころじゃ無いかも知れないけどな。


『ご主人様、私も人型になりたいと言ってみるテスト』

『アホか。お前みたいな明らかに日本人じゃねえ銀髪美少女がいたら目立ちすぎるわ』

『美少女だなんて、ご主人様がデレた?』

『オレは事実は事実で認められる度量のある男なのさ』


 人間形態のシルヴィアが美少女なのは認めざるを得まい。

 酒好きのロリBBAじゃなければな!!


『むう・・・』

『とりあえず鏡の表面に浮かび上がってニコ動やようつべ見てるくらいで我慢しとけ』

『仕方ない。私は分別のある女』


 そう言ってシルヴィアは、某有名ボーカロイドの動画を食い入るように見ている。

 ボカロだけじゃ無く、「歌ってみた」「踊ってみた」「演奏してみた」タグがお気に入りらしい。

 いずれ踊り出したらどうしよう・・・。

 あまつさえ「踊ってみた」で投稿し始めたりしたら!?


 恐ろしい想像を振り払いながら、オレは自分のスレートタイプのPCで色んな情報をプリントアウトしていく。

 ソラの許可を得て、ソラの部屋のプリンタを買い換えてオレのPCを置かせて貰ったのだ。


『ご主人様』

『どうした?』

『その格好でPCを使っているご主人様は超キュート』

『だろ?』


 とにかく農作物や食品の製法をチェックしておかなくちゃいかん。

 魔法やスキルのおかげでもう少し楽にやれるかも知れないが、基本は押さえておかなくっちゃな。

 料理技法的なものはソラが伝授してくれるだろうが、レシピは印刷しておいてあっちで翻訳した方がいいだろうし。

 それに、あっちの世界に無さそうなものは確保して持って行く必要があるし。

 あんまり持ち込みすぎたら危険かも知れねえから適度に様子を見ながらだがな。幸いシルヴィアのおかげで行き来は楽に出来そうだから、少しずつ様子を見ながら計画を進めていくとしよう。

 後は、各種酒類を大量に持ち込まんと。


 夢が広がるな!



 そんな時。

 玄関ドアの開く音がして、ソラの声がする。


『帰ってきたか。シルヴィア、そっちのPCの電源落とすぞ』

『了解した。ブクマしておくことにする』


 ん、ソラ以外の女の声がするな。

 どこかで聞いたような気がするんだが・・・。


「ソラの家に来るの久し振りだわ~」

「そう言われてみればそうだね。まぁ、ゆっくりしてってよ~」

「そうさせてもらうね。ほら、浅黄、出て来ていいよ?」


 げげっ!

 猫カフェ(第12話参照)のアイツか!


『おう、シルヴィア』

『何かしらご主人様』

『オレは逃げる。後は任せた』

『意味不明。説明を要求する』

『そんなヒマはねえ。いいか、大人しくしてりゃあいいんだよ』

『待って。ご主人様の一大事なら詳しい説明を要求する』

『そんなヒマねえって言ってんだろ!?』

『だが断る!』

『キメ顔で言ってんじゃねえ!?』


 ガチャ。

 ドアが開いた。


『しまった!』

『ミッションコンプリート。オ・ルヴォワール』


 英語とフランス語混ぜんじゃねえよ。


 しなやかな足取りでつやつやの毛並みをしたロシアンブルーがまず部屋に入ってくる。

 続けてソラとみどり。


「トラさん、お、お久しぶりですわね」

「お、おう。えーと、浅黄だったっけ」

「覚えていて下さいましたのね。忘れられていたらどうしようかと・・・」


 あ、人間とシルヴィアには「にゃーにゃー」言ってるようにしか聞こえてない・・・はずだぜ。

 シルヴィアめ、後でお仕置きだ。


「夏以来ですから、半年振りというところでしょうか」

「そうなるかな」

「あ、明けましておめでとうございますですわ。今年もよろしくお願いいたします」

「明けましておめでとう。よろしくするかどうかはまだ分からんが」

「それは、私に努力を要求すると?(今は眼中にないと言うことですの!?)」

「そういうわけじゃねえよ。タイミングってもんがあんだろ・・・」

「チャンスを逃してはいけない、と?(確かに頻繁には会いに来られませんものね!)」


 うう、コイツは困ったぜ。

 さすがに猫は守備範囲外だ。


『猫耳獣人なら範囲内ということ?』

『人間タイプで人型フェイスなら何とか・・・って何言わせんだ!?』

『・・・性癖?』


 うぜー。


「年もあけたことですし、折角ですからくっついてもよろしいかしら?(頑張れ私!)」

「う・・・。ま、まあ、それくらいなら・・・」

「そんなに緊張することありませんわ。ちょっと隣に寝そべるだけですし」


 そう言いながら、浅黄は寝そべるオレの横に移動してきてうずくまる。

 お嬢様のくせに大胆じゃねえか!?


「ちょっとしたスキンシップのようなものですわ(し、心臓が・・・)」

「欧米か!?」


 まぁ、血統書付きのお嬢様だけあって、毛並みはいい。

 もちろん飼い主が可愛がって手入れしてやってるんだろうけどさ。

 あ、シャンプーの香り・・・。


「あらあら、浅黄ったら。やっぱりトラちゃんのこと気に入ってたのね」

「そうなの?」

「うん。夏に一回会ったきりだけど、ピンと来てたのよう」

「ふうん・・・」


 おい、ソラ。

 その「面白くなってきた」的なイイ顔でオレを見るんじゃねえ。


『おい、ソラ。面白がってるだろ!?』

『もちろんよ。まぁ、さすがにトラには発情期は無いでしょうから、別に心配はしてないけどね~』

『オレは人間のつもりだからな!!』


 さすがに猫の姿に転生してはいても、オレは人間だ!


「トラさん?」

「ど、どうした?」

「いえ・・・。心ここにあらずという感じでしたので(私、そんなに魅力がないでしょうか?)」

「いや、ちょっと考え事をな。それと、トラさんは止めてくれよ」


 だって、どこぞの浅草のおっちゃんみたいじゃねえかよ。


「では・・・トラ様?」

「様付けもやめてくれ・・・。トラでいいよ」

「まあ・・・。ではそのようにいたしますわ(呼び捨てでいいだなんて。脈無しではありませんのね!?)」


 いかん、何かが浅黄の琴線に触れたっぽい!?


『ご主人様は女心が分かっていない。顔が良くても残念系?』

『うっせえ。つーか、女心なんてオレに分かるかよ』

『自慢するところじゃないと進言する』


 くっ・・・。

 なんだ、この敗北感は・・・。



 結局、みどりと浅黄は晩飯まで食ってから帰っていった。


「次はいつ会えますの?」

「オレじゃなくて飼い主に聞けよ。それに、オレは結構このへんうろついて縄張りシメとかなきゃいけねえからな。いつでも会えるとは限らねえぜ」

「そこは運命・・・ということですわね(燃える展開ですわ!)」


 いかん、浅黄の目が本気と書いてマジだ。


 ソラにあんまり面白がって連れてこないように釘を刺しておこう。

 そうしよう。

 うん。


お読みいただきありがとうございます。


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