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第3話 ヒロイン(?)登場だ 

読んで下さる方が少しずつ増えていくのは嬉しいですね!

<第3話>


 やあ、オレの名前はANDREW!

 アンドリューだ!


 どうやら異世界の猫に転生してしまったらしい伝説の大魔術師のオレ様。


 自らのステータスをチェックし、当面の目標は「レベルと能力値を上げ、幸いにも継承されていた自分のスキルを使用可能にする」ことに設定した。

 スキルが全て使用可能になれば、おそらく元居たの世界に戻ることも出来るだろう。


 え、そんなことできるのかって?


 できるさ!

 なぜならオレは天才魔術師なんだからな!


 ・・・猫状態でどこまでレベルアップすれば出来るか分からんけどな!

 言ってて悲しくなってきた。


 とりあえず、「人間に変身する魔法」までは早いとこ使えるようにならんとなぁ。



 さて、オレがこの家の娘に拾われてきてから約二週間。生まれてからだと20日ほど日数が経過した。

 この世界の猫種は、十日前後で目が開き、二十日前後で歩き回れるようになるようだった。草食獣なんて、生まれた直後に立って歩くのになぁ。

 だが、オレ様の記憶や知識、人格が継承されているせいか、成長に関しては早いようだ。ステータスはよわよわだが、運MAXと賢さ3が関係しているのだろう。生後三週間で賢さ3とか猫族じゃあ有り得ない数値だからな!!


「トラ吉~、どこ行っちゃったの~?」


 娘の声がする。


 っていうか、オレの名前はアンドリューだ!

 いくら雑種の虎縞っぽい猫とはいえ、「トラ吉」はねえだろ・・・。

 まぁ、命を救って貰ったんだからあんまりいいたかねぇが。


 にしてもトラ吉かよ・・・。



side:ソラ


 皆さん、初めまして。

 私の名前は清水(しみず) 大空(そら)です。

 大空って書いて「ソラ」ですのでお間違えなく。


 北海道の酪農地帯である十勝地方のO市に隣接する町で農家を営んでいる清水家の長女です。

 年齢は18歳で、O市にある調理師専門学校に、花嫁修業の一環という名目で通っています。


 なんせ農家の長女ですから。


 兄が一人居ますが、兄はちょっと性格と性癖に難があるので、おそらくこのまま「魔法使い」になってしまうことでしょう。そのあとは「妖精さん」になるしかないですね。

 兄が結婚する可能性がほぼ皆無という現状、私が婿を取ることも視野に入れておかなくてはいけませんから。


 ちなみに、私は別に実家を継ぐのはイヤじゃありません。

 我が清水家は、自分で言うのも何ですが、結構大きくて裕福な農家だと思います。農業収入以外にも不労所得がそこそこあるようですし。

 北海道十勝らしく、畑作と酪農がメインです。

 どうやってウチがこんなに立派な農家になったのかはよく知りません。


 父は、


「世の中知らんくてもいいことがあんだよ~」


 と笑って教えてくれません。

 別に家族が清廉潔白であって欲しいとは思っていませんが、手が後ろに回るようなことは避けて欲しいなぁと思います。

 私の今後にも関わってきますしね。


 最近、学校の帰りに駐車場で猫を拾いました。

 段ボール箱に入れられて、ぽつんと駐車場の隅に置かれていました。今時ステロタイプだなぁと思いましたが、可哀想なのでついつい・・・。

 幸い我が家は大きな農家です。

 今さら猫の一匹や二匹増えた所でどうということもありませんし。


 見事な虎縞の猫だったので、名前は「トラ吉」と名付けました。

 本当はトラえもんにしようと思ったのですが、件の兄が「まて、妹よ! それはきっと怖い所から誰かがやってくるから止めておけ!」というので、止めました。

 兄が言うには「ネズミにミッ●ーとつけるよりはマシだろうがな!」とのことでした。


 余の中にはまだまだ知らないことがいっぱいですね(笑)


 トラ吉は、普通の猫ちゃんより成長が早いようで、あっという間に歩けるようになったかと思ったら、家の中や家の敷地内を探検しています。気がつくと姿が見えなくなっているので、飼っている牛や馬に踏まれないかとても心配です。

 今日も姿が見えないので、エサを片手に呼んでみました。


 すると、今日は牛舎の方からちょこちょこと現れました。

 うーん、この頃の子猫ちゃんはこんなに上手に歩けないはずなんですが。

 まぁ、人間と同じで成長には個体差があるでしょうから、あまり気にしてませんが。


 それに、とても賢いようで私の言うことをちゃんと理解しているように見えます。きっと立派な雄猫に成長するんでしょうね。

 今のところはただ可愛いだけの子猫ちゃんですけどね!



side:アンドリュー


 どうやら飯の時間だったようだ。

 ようやく歩き回れるようになったので、付近の探索とトレーニングを兼ねて歩き回るように心がけているのだ。

 その甲斐あって、わずかだか経験値が入ってきている。

 魔物を倒したりする以外に、トレーニングすることでもわずかずつではあるが経験値を取得することが出来るのだ。

 せっかくの記憶と経験だから有効活用しなくちゃな!


 そして今のオレは子猫。

 飯をちゃんと食って、たっぷり寝れば勝手にレベルがあがるんだぜ!


 今日もソラが飯を持ってきてくれた。

 どうやらこの家の娘らしい。なかなか可愛い顔をしている。


 オレが人間だったらとりあえず口説いてみてもいいかなと思うくらいにはな。


 では、今日もいただくとしようか。

 エサをだぜ?

お読みいただきありがとうございます。

良ければ評価など・・・柱lω・`*)


あー、別にハヤリに乗ったわけではないですよ?


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