第32話 快適な(?)空の旅 その3
遅くなりました。
伝説の大魔術士なんて言われるレベルで魔法使えると、アクションにすらならないってことがよく分かりました・・・。
範囲魔法は犯則ですねw
飛行機墜落させるくらいの悪あがきを・・・とも思ったのですが、そこまでハードなものは無くてもいいかな、と。
<第32話>
やあ、オレの名前はANDREW!
しゃぶしゃぶのシメでラーメン入れちゃう方、アンドリューです!
これが意外とイケるんだぜ。
初めて薄切り餅を食ったときもびっくりしたけどな。
この世界の食いもんはうまいよなぁ。
さて、足音を殺しながら操縦士のいる部屋へ近づいていくオレ。
墜落されたら困るんで、範囲からは外しておいたわけだが、よく考えたら自動操縦でどうにかなるんじゃないか?
飛行機を操縦する知識なんてのはさすがのオレも持ってないので、多分で行動するわけにもいかんからまぁいいのか。
乗客とテロリストはみんなオレの魔法で深く眠っているので起きる心配はないが、操縦士に気取られぬように音を消す魔法を使い、透視魔法を使って操縦室を覗く。
別に中にテロリストがいるわけでもなく、操縦士も副操縦士も至って普通に操縦席に座っているだけだ。
『完全にクロだろ、こりゃ・・・』
さすがに銃声や騒ぎが聞こえなかったはずはないし、操縦室に人員をテロリストが配置しないわけもない。
だって、真っ先に操縦室押さえるだろ?
『ど、どうするの?』
『どうもしねえよ。とりあえず意識を失わせて、ふんじばるだけだ』
『飛行機どうすんのよ?』
『あー、説得して操縦だけはしてもらうか・・・。最悪【精神支配】でオレのいうことに従ってもらえばいいだろ』
『ふ、ふうん。よく分かんないけど、どうにかなるのね?』
『ああ、それだけは間違いない』
そう考えると、魔法って反則だよなぁ。
まぁ、使いこなせるまでのハードルが相当高いけどなぁ。
科学万能のこの世界じゃあ、魔法はまさにチート級だ。
オレはそんなことするつもりは毛頭無いけど、やろうと思ったら出来ない事なんてほとんど無いぞ?
まぁ、そんなことはおいといて。
魔法を使って二人とも気絶させる。
それから中に入って、拘束。
ボディチェックしてから目を覚まさせると、尋問。
「オレ様に嘘は通じねえからな。キリキリ吐いてもらうぜ」
魔法で変装して、正体がばれないようにし、テロリストから奪った銃をちらつかせながら洗いざらい喋ってもらう。
操縦士は、もともと組織と関係があったようだ。
この組織は、どこぞの国の暗部とつながりがあるらしく(詳しいことはこいつらは知らないようだ。某国って程度)、このハイジャックも資金稼ぎと示威行為を兼ねているそうな。
最終的には、この飛行機ごと墜落させてしまうつもりだったらしい。
よかった、人質がいきなり殺されるような展開じゃなくて・・・。
となると、説得して操縦してもらうなんてのは不可能っぽいなぁ。
しゃーない、【精神支配】で大人しく操縦してもらうとするかな。
その後、オレたちは無事に予定時刻に空港へ到着した。
ハイジャックされた当の飛行機が、何事もなかったかのように着陸してくるってんで、空港は大騒ぎになっていた。
しかも、乗客達が非常用の滑り台で普通に降りてきたもんだから二度びっくり。
待ち構えていた軍人さんによって、機内に拘束されて放置されていたテロリスト共はあっという間に確保されてしまった。
『いやあ、何事もなくてよかったな』
『なんていうか、スタート地点はB級アクションだったのに、途中でファンタジーになって、ただのハプニングレベルになっちゃったわねぇ・・・』
『いやいや、B級アクションのままだったら、テロリストをオレがバンバンやっつけてただろうけど、絶対飛行機墜落して今頃大惨事だぜ?』
『うん、そうならなくてよかったんだけど、なんか話の流れ的にこれでいいのかなーって思っちゃってさ・・・』
メタな発言してんじゃねーよ・・・。
『ま、いいだろ。土産話ができたじゃねえか』
『そういうことにしておきましょうか』
乗客にしろテロリスト共にしろ、当局に確保されて事情聴取されたが、乗客は口をそろえて
「意識が遠のいたと思ったら、テロリストが武装解除されて拘束されて転がっていた」
「なにがなんだかわけがわからねえが、ありのままをはなすぜ・・・」
と言うだけだし、テロリスト共も
「気がついたらこうなっていた」
としか証言しないし、操縦士も
「謎の仮面が現れてオレたちの体を乗っ取った」
「いまははんせいしている」
としか言わないしで、何が起こったのかがさっぱりわからない。
このままなら完全に迷宮入りだなあ。
まあ、誰も死ななかったし、飛行機も落ちなかったし、身代金も取られなかったから良しとしようって誰か言ってくれよな。
ちなみに、この事件からしばらく
「謎の仮面が現れてオレたちの体を乗っ取った」
が、ネット上で流行の台詞として使われまくったのは言うまでもないよな・・・。
お読みいただきありがとうございます。
良ければ評価や勝手にランキングリンクなどポチッとしていただけるとうれしいです。




