第30話 快適な(?)空の旅 その1
お久しぶりでございます((;゜Д゜)ガクガクブルブル
こんなに間が空いたのに短めですが・・・。
本気で今月と来月はキツイ。
<第30話>
やあ、オレの名前はANDREW!
赤と白なら白ワインが好きな方、アンドリューです!
スパークリングワインも好きだぜ!
さて、正月三が日も明けて、新しい年が始まった。
ということは、オレにとってもこの世界での新しい年が始まったわけだ。
今年中には何とか向こうの世界に戻れる算段を立てたいところだぜい。
『いやあ、ホントにソラは料理上手だよなぁ』
『褒めても何も出ないけど?』
何て言いつつも、さり気なくビールとかくれるソラ。
うん、いい嫁さんになれるな。
ソラはホントに料理が上手だ。
別に学校に通ってるからとかそういうことが理由な訳ではない。
まずセンスがいい。
味のセンス、見た目のセンス。
元の世界でも宮廷料理人とか色々見てきたけど、断然ソラの飯の方が上手い。
この世界の食材や調味料、調理法が優れているせいもあるのだろうが、ソラなら元の国のどこのお抱え料理人でもやっていける。
『なあなあ、今度海外旅行行くんだろ?』
『そうよ。学校の友達とヨーロッパにね。一応最新の料理事情を学びに行くって名目なんだけど』
『要するに遊びだろ?』
『身も蓋もない言い方しないでよね』
ヨーロッパかぁ。
何でも、元の世界に似たところもある国だとか。
ちょっと興味あるな。
『なあ、オレも連れてけよ』
『検疫とか面倒だからやだ』
『じゃあ、人型モードで』
『パスポートないでしょ』
むう、ああ言えばこう言いやがる。
『パスポートって何だよ?』
『国を出るときに必要なの。それがないと海外旅行できないの』
『ふうん。あとで見せてくれよ』
『見せるだけならね』
くくく・・・。
言質は取ったぜ!
あとでソラの部屋でパスポートとやらを見せてもらう。
「これがパスポートよ」
「なるほどね。これがありゃあいいんだな?」
「そうだけど、トラは戸籍もないし取得不可能でしょうに」
「正攻法ならな」
「は?」
大魔法使いに不可能など無いのだよ!!
「【複製】」
あら不思議、オレのパスポートがこんな所に!
「ちょ!」
「いやあ、元の世界でも悪いことする機会は結構あってなぁ」
「・・・なんでもありね」
「まあまあ、なんかあっても迷惑は掛けないようにするからさ」
「当たり前でしょ。他人のフリでよろしく」
この世界で初めての海外旅行だ。
ちょっと楽しみだぜ。
さて、修行漬けの毎日は穏やかに過ぎていき、件の海外旅行の出発日。
帯広空港から羽田空港に飛び、成田空港へ。
成田からフランスはパリのシャルルドゴール空港までは直行便で十二時間だそうだ。まだまだこの世界では、転移門で一瞬で移動とはいかないようだ。
科学も万能じゃねえなぁ。
そんなことを考えながら、前を行くソラ達一行を眺めつつ通路を歩くオレ。
『ねえ、トラ』
『どうした?』
『二人があんたのこと、帯広からずっと一緒のイケメンがいるってうるさいのよね』
『いいじゃねえか、イケメンなのはホントのことだろ』
『ホント厚かましいよね、トラ』
『どこがだよ?』
『そういうとこがよ!』
むう、冤罪だ。
『ずっと知らぬ存ぜぬも大変そうだから、父さんの知り合いがたまたま同じツアーだったって事でいずれ合流しない?』
『オレは全然かまわねえけど、いいのか?』
『うーん、まあ、女三人も何かと物騒だし、トラがいれば男除けにはなるでしょ』
『OK。じゃあ、偶然同じツアーに知り合いがいたってことだな』
『そうそう。どこかで話し振るから、上手く合わせてね』
『あいよー』
密談終了。
こういうときは念話は便利だな。
出国手続きも問題なく通過。
ふふふ、機械も人間も、オレ様の魔法に掛かれば騙すのなんて余裕だぜい。
え、犯罪だって?
そのへんは目を瞑ってくれよな!!
「あ、やっぱり安藤さんじゃないですか」
お、きたか。
ソラからのパスを華麗にキャッチだぜ。
「どっかで見たなーと思ったら、やっぱり清水さんとこの娘さんか」
「はい。大空です。お久しぶりです」
「ねぇ、大空、やっぱり知り合いの人なの?」
「そうだよ。お父さんのお友達の安藤さん」
「初めましてかな。清水の親父さんの友だちで安藤虎吉といいます。よろしく」
必殺イケメンスマイル!
これでソラの友だちもイチコロだぜ。
「は、初めまして。私、大空さんの友人で御影といいます!」
「私は佐幌と言います。よろしくお願いします」
「はいはい、よろしくな」
可愛いもんだ。
ソラと一緒に専門学校に通っている農家の娘さんらしい。
「安藤さんももしかしてフランスのパック旅行ですか?」
「そうだよ。ソラもかい?」
「はい。友だちと料理界の最新動向を探りに行くという名目で」
「ははは。そりゃあいい。しかし、若くて可愛い女の子三人は物騒じゃないかい?」
実際問題、日本は治安がいいからいいけど、海外はどうなんだろう。
パックツアーとは言え、フリータイムがあるからなぁ。
「あ、じゃあ、安藤さんさえよかったらご一緒しませんか?」
「え、こんなおっさんが一緒じゃせっかくの旅行が台無しだろう」
「そんなことないですよ! ぜひ!」
おっと御影ちゃん、積極的だね。
「まぁ、オレも仕事がてらとはいえ、気ままな自由業みたいなもんだから全然構わないんだが」
「じゃあ、せっかくですからご一緒しましょうよ」
「ですよ!」
「まぁ、そう言ってもらえるなら。じゃあ、三人ともよろしく頼むよ」
そうして、オレたちはグループになったわけだ。
まさかこの旅行が、あんな事になってしまうなんてな。
このときは微塵も思ってなかったんだぜ?
お読みいただきありがとうございます。
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ちなみに、作者は海外旅行なんて行ったことありませんw
生まれてこの方パスポートなんて取得したことも無いですぜwww




