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第20話 語らい

どうにかこうにか・・・。

動画話は次の輓馬編で一回区切ります。

際限なくなりそうなのでw

<第20話>


 やあ、オレの名前はANDREW!

 しゃぶしゃぶなら豚しゃぶが好きな方、アンドリューです!

 高い肉なら牛もいいけどな。

 灰汁が出るのが面倒なんだよな・・・。




 さて、ジャガイモの選別が予想以上の人気動画になってしまった事に気をよくした大地が、次回作のためにオレの行動をいちいち気にし始めた。



 気持ちは分からないでもないが、正直ウザい。



 美女に追いかけ回されるんなら歓迎するんだけどなあ・・・。

 でも、ストーカー気質なのは願い下げだぜ?

 撃退するからな!


「というわけでだな、ちょっと協力して欲しいんだぜ」

「ふうん。大地の奴にも困ったもんだなぁ」

「まあ、トラを頭とか背に乗っけて荷を引けばいいんだべ。簡単な話だ」


 オレは今、日課の見回りの途中だ。

 それでもって、馬房でクロとベイに相談しているところ。


「まあ、オレもちょっと楽しいからいいっちゃいいんだけどな。あんまり頻繁につきあわされるのはさすがに勘弁してほしいけど」


 ちょっと人気者の気分を味わえるしな!


 元の世界では、試練上に引き籠もってる最強の魔術師だったから、オレのこと直に知ってる奴が少なかったんだよな・・・。

 だから、猫の姿とはいえ、大勢の人に知ってもらえるのはなんだか嬉しい。


「ちゅうか、オレらがこうやって会話してるなんてのも人間にゃあわかんねえんだべ」

「そらそうだべや。人の言葉も結構分かってるのになぁ」


 そういってクロとベイはわははと笑う。


「そりゃあお前ら馬族はそれなりに賢いからな」


 馬ってのは実に賢いし、人情に溢れる種族だ。


 ん?

 馬情か?

 まぁいいや。


 元の世界でも、馬と人はいいパートナーだったよなぁ。


「ま、こっちの言葉がちゃんと通じねえのが、ちょいと寂しいけどなぁ」

「仕方ねぇべさ。それなりにこっちの考えが伝わる人間もいるんだし」

「んだなぁ。ウチの親父さんや大地は結構伝わるよな」

「そのへんは、もう個人スキルの領域だからなぁ」


 別に親父さんも大地もスキル持ちじゃねえけど。

 でも、何となく伝わるって事はよくある話だからな。


「ところで、馬房の外から大地が覗いてっけどいいんか?」

「マジで?」


 おお、確かにカメラ持ってこっち見てるな。

 もしかして撮ってんのか?


 デジタルビデオカメラってのはすげえよな。

 すげえ遠くからでも、まるで目の前にあるように拡大して撮影できるんだ。

 遠見の魔法も真っ青だぜ。


「まあ、いいんでねえの」

「ああ。馬と猫がただまったりしてるだけにしか見えねえだろうしな」


 熱心に撮影を続ける大地をよそに、「ネコが輓馬の騎手の件」動画についての打ち合わせを続けるオレたち。


 やるからにはナイスな動画にしてやんぜ!


「よし、じゃあそういうことでよろしく頼むぜ」

「おうよ。ソリ繋ぐのに合わせてやるべ」

「ああ。そのタイミングで。あとは臨機応変になー」


 じゃあなといって馬房を離れる。

 クロとベイもそれぞれ外に出て運動しにいった。

 うん、トレーニングは地道に続けるしかないからな。


 大地はそこまでをカメラに納めると、満足そうな顔をして家に戻っていった。

 何が面白かったのかよく分からんが、とりあえず大地が喜んでいるようでよかった。


さて、次は鶏小屋だな。


「私達も協力しますよ!」

「えー、鶏小屋住まいのお前等と何をどうしろと?」


 つつかれるのも飛びつかれるのも嫌だし。


「本来なら私達を取って食いそうなトラさんが、ニワトリまみれ羽根まみれなのも面白くないですか!?」


 取って食いそうなってどういうこったよ。


「うーん、ヒヨコでも居ればいいんだけどなぁ・・・」

「卵で持ってかれちゃいますからねぇ・・・」


 うーん、そのへんは検討課題だな。

 刷り込みでオレのあとをついてくるヒヨコ・・・。


 うむ、間違いなくほっこりだな!


「いずれ作戦を立てよう。今はちょっと難しそうだ」

「ですね。時期を待ちましょう」


 次は牛舎。


「じゃあ、あたしらの乳でも吸うかい!」

「直飲みは遠慮する!」


 何が悲しくて、牛の乳なんぞに吸い付かなきゃならんのだ。

 牛並の乳ならともかく。


「じゃあ、仔牛が生まれたら絡むってのはどうさ」

「うーん、それが無難かあ」

「花子も元気に育ってるよ。トラちゃんのネコパンチのおかげだねえ」

「よせやい。花子の運が良かったのさ」


 ホントに死んでたら復活できなかったけどな。

 蘇生魔法にはまだスキルレベルが追いついてないし。

 早くレベル上げないとなぁ。

 毎日頑張らんとな!


「十分ほっこりだろ、これ!」

「確かに。トラとクロとベイが仲良くおしゃべりしてるように見えるわね」

「加工して、字幕入れてアップだな」


 家に戻ったら、大地と空がパソコンのディスプレイをのぞき込んでなにやら作業していた。

 さっき撮ってた映像か?


 あんなんでいいのか?


 字幕の次第だな。

 面白い吹き替え入れてくれよな!

お読みいただきありがとうございます。

良ければ、評価や勝手にランキング、感想などいただけたら幸いです。

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