第16話 三人寄れば?
お盆休みも終了ですね。
ユニークが50,000を突破。
皆様ありがとうございます!
<第16話>
やあ、オレの名前はANDREW!
ふかしジャガイモはバター醤油で食べる方、アンドリューだぜ!
もちろん他の食べ方だって大好きだけどな!
あれからオレは、しばらくの間ジャガイモの選別を手伝った。
「いやぁ、猫の手も借りたいなんてよく言うけど、トラの手は借りる価値があるなぁ」
「お前はホント使える猫の手だなや」
そう言って母ちゃんにも父ちゃんにも褒めてもらった。
もちろんご褒美も当たるんだぜ!!
オレが任されたのは、ダメ芋の選別だ。
もちろん、鑑定スキルを使えば重さとかも分かるからそれ以外の仕事もできるんだけど、あんまりアピールしすぎてもな。
気味悪がられても困るし・・・。
「ただいま~」
「こんにちは~」
「おじゃましま~す」
ん、ソラの声・・・だけじゃないな。
若い女の声が複数聞こえてきたので、とりあえず玄関まで様子を見に行ってやることにした。
んー、ひいふうみい・・・
ソラの他に3人か。みんな同じような年格好なところをみると、ソラの通っている学校の友達とかだろうか。
「ねぇねぇ、ソラ。例の猫ちゃんはどこにいるの?」
「どこだろ。夕方だから家の中にいると思うんだけどね」
「今はジャガイモ選別はやってないの?」
「多分この時間はやってないわ~」
なんだ、オレのことか?
「うにゃ~あ?」
「あ、トラ」
「きゃああっ!」
「かーわーいーいー!」
うおっ!
ちょ、おま、やめ!
気がつくと、オレはウチにやってきた女に抱っこされていた。
何が起こったのかわからねえ・・・。
「まだ子猫ちゃん?」
「半年くらい経ったからいかにもな子猫じゃないけどね」
「猫って可愛いよね~♪」
おいおい、あんまりぐりぐりすんなよ。
つーか、今オレを抱っこしてる奴。
ソラよりでかいな。
いや、何がとは言わないけどな!!
「トラが不快なことを考えてる気がするわ」
そういってソラがオレをじろりと睨む。
馬鹿な、テレパシーってやつか!?
「そんなことないっしょ~」
「気持ちよさそうな顔してるじゃん」
「うにゃ~」
してるか?
・・・してるかも。
「あらあら、いらっしゃい」
「あ、小母さん、ご無沙汰です~」
「ちょっと噂の猫ちゃん見に来ただけなので、すぐに帰ります」
なんだ、お母ちゃんも知ってる奴らなのか。
じゃあ心配ないな。
「せっかく来たんだもの、晩ご飯くらい食べてけばいいっしょ?」
「いえいえ、そんな。ご馳走になる訳には」
「気にすんでなーい。お母ちゃん達には電話でもすればいいべさ~」
「えー、じゃあ、ご馳走になります~」
はやっ!
ま、一回断るのも礼儀だって前の世界でロバートが言ってたしな。
そんなもんなんだろ、きっと。
「あ、お母ちゃん、今ソラんとこに寄ったんだけどさ。ご飯食べてけっていうからご馳走になってから帰るわ~。え、うん、うん。大丈夫、飲酒運転はしないから!」
各自家に連絡を取っているらしい。
スマホって便利だな、おい。
「OKだそうです~」
「はいはい、じゃ、たくさん作ろうかねぇ」
「あ、お母ちゃん、手伝うよ」
「うん、頼むわ、ソラ」
「あ、じゃあ私たちも手伝いますよ?」
「お客さんには手伝いなんてさせられねぇべさ。座ってな~、お茶だすから」
「みんなはトラと遊んでてよ。知らない家でもないんだしさ」
「じゃあそうする~」
三人娘はオレを連れて居間へ。
三人寄れば文殊の知恵・・・ではなく姦しい方だな、コイツらは!!
「トラちゃ~ん、こっちみて~」
スマホを構えて声を掛けてくるので、とりあえずキメ顔で見てやる。
オレはサービス精神旺盛なんだぜ!
「可愛い~。虎縞だからカッコ可愛い~♪」
「賢いよね~。うちのおバカ猫とは大違いよお」
む、コイツも猫を狩ってる、もとい飼ってるのか。
この地方の農民ってのは、みんな広い敷地と立派な家持ってんだな(←偏見)
「ほーら、トラちゃーん、猫じゃらしだよ~♪」
「にゃにゃっ!」
そんな子供だましにオレが引っかかるとでも!?
「やーん、可愛い~♪」
はっ!
バカな、体が勝手に!?
「ほらほら、ボールだよ~」
「にゃにゃにゃっ!!」
くっ、これが本能ってヤツなのか!!
弄ばれちまったぜ・・・。
散々オレを弄んだあと、三人娘は晩飯を食って帰っていった。
「ご馳走様でした~」
「トラちゃーん、またね~」
「ソラもまた明日~」
笑顔を振りまいて帰っていった。
「トラ、いっぱい遊んで貰って良かったね」
「うにゃ~」
良かったやら悪かったやら。
疲れたことだけは確かだなぁ・・・。
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各種数字が増えると、やっぱりやる気が出ますよね!!




