表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/97

第10話 必死の戦い

おおお、気がついたら大変なことに・・・。

皆さん、本当にありがとうございます!!

<第10話>


 やあ、オレの名前はANDREW!

 アンドリューだ!


 地道な警邏の甲斐あって、オレのレベルも12まで上がった。

 ようやくHPもMPも三桁に乗り、能力値は軒並み12を超えた。

 ちなみに、HP/MPはレベルアップ毎に10~20の間でランダムに上昇するし、能力値は1~3の間でランダムに上昇する。


 恐ろしいのは、各能力値に関しては「下がる」可能性があることだ。


 HP/MPに関しては下がることはない。

 だが、能力値は「下がる」のだ。

 特に、年を取って老化していくと、下がる確率が上がる。

 要するに老いるのだ。


 そして、能力値が下がり続け、0になったとき。

 そいつは「消失(ロスト)」するのだ。


 死んでも、魔法やアイテムで復活することはできる。

 肉体がなくなり、魂だけになってさえも、肉体から作り直せば復活できる。


 だが、「消失(ロスト)」した者は、二度と復活しない。

 完全なる死。

 カ○ト寺院に運んだって無理なんだ。


 ま、オレはまだまだ若いし、運の値が超高いから、まず下がることはないけどな!

 とにかくレベルアップだけは頑張ってやらないと。

 上級魔法が使えるようになるまでにはあと18レベルは上げなくちゃいかん。


 先は長いなぁ。


 さて、オレが拾われてきてから三ヶ月経った。

 要するにどういうことかというと・・・


「トラ~。病院行くわよ~」

「うにゃあ・・・・・・・・・」


 2回目の予防接種の日が来てしまったのだ。

 くっ、1回目の屈辱がやっと癒えてきたというのに・・・。


「寄生虫と病気は大丈夫だったんだから、お注射だけよ」


 あの奇妙な薬を注入されるのか・・・。

 やだなぁ・・・。

 だが、仕方ない。オレも伝説の大魔術師と呼ばれた男だ。

 我慢・・・するか。


 車に揺られること30分。

 病院に着いた。

 着いちまった・・・。


「にゃああ・・・」

「どうしたのトラ。前の予防接種のこと覚えてるのかしらね。賢いから」

「うにゃあ・・・」


 くっ、はっきり覚えているさ!


「清水さーん、トラちゃーん。診察室へどうぞ-」

「はーい」


 診察室に入ると、オレは早速「斉藤さん」に連れていかれた。

 うう、注射だ・・・。


「はい、じゃあ、お注射しますよ-」

「にゃあ・・・」


 諦めて我慢するんだ!

 オレとて大魔術師と呼ばれた男!!


 しかし、痛いものは痛いのだ。


「ところで、清水さん。去勢はどうしますか?」

「えーっと・・・」

「にゃ?」


 去勢・・・だと!!

 いくら猫の姿とはいえ、それは御免被る!!


「どうする、トラ?」

「にゃにゃにゃにゃにゃっ!!!」


 本気でイヤだ!

 伝われ、オレの心!!

 ついでに暴れておこう。


「うーん、何だかもの凄く嫌がってるんですよね~」

「トラ君は、ホントに人間の言葉が分かってるみたいな反応だよね」

「にゃっ!」


 分かってるからな!!


「うーん、もう少し様子見てもいいですか。よその猫ちゃんに悪さするようなら考えますから」

「まぁ、まだ三ヶ月だからね。ちょっと早いでしょ」

「なー♪」


 いいぞ、ソラ!

 それでこそ我が飼い主よ!!

 スリスリしちゃる!!!


「あら、トラったら。喜んでるのね」


 ふう。予防接種だけで済んだぜ!


「じゃ、帰ろっか、トラ」

「にゃん」


 そうしてオレの二回目の予防接種は終わった。

 良かった、○○ちょん切られなくて・・・。



side:病院


 清水さんとトラが帰った後。


「ねぇ、先生」

「なんだい、斉藤さん?」

「トラちゃん、本気で人間の言葉を理解してると思うんですけど、どうですか?」

「うーん、そう見えるだけかも知れないからねぇ・・・」


 そう言って院長先生はあごに手をやる。


「でもね、斉藤さん」

「はい?」

「理解してる、そう思った方がロマンチックじゃないかい?」


 そういって、悪戯っぽい笑みを浮かべて院長先生はウィンクした。


「・・・ですね♪」


 斉藤さんはとても可愛い笑みを浮かべた。


お読みいただきありがとうございます。

良ければ評価等お願いいたします。


少しでもほっこりできるとよいのですが(≧∇≦)キャー♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ